王者ゴルフに立ち向かうトヨタの本気度

  • トヨタ オーリス 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ オーリス リアスタイル|ニューモデル試乗
フロントグリルからヘッドライトに向けて描かれるVゾーンはカローラシリーズのアイデンティティ
H18年に登場したオーリスが初めてのフルモデルチェンジを受けた。生まれ変わったデザインが、日本のみならず欧州のCセグメントで勝負しようとする意気込みを感じさせる。日本で展開されるのは2WDが3タイプ、4WDが1タイプの計4タイプ。今回試乗したモデルは4WDを除く3車種だ。

乗り込んですぐに内装の見せ方が上手だと気づく。平面的なインストルメントパネルは欧州車に倣っているが、日本車ならではの高級感をわかりやすく表現している。中でもステッチ処理はクラスを超えるレベル。特に本革張り仕様(Sパッケージにメーカーオプション設定)はいい雰囲気だ。

ドアは軽めで質感に乏しいものの、剛性感の高さは徐行速度で段差を超えただけでもわかる。5ドアの弱点というべきリアハッチの剛性も申し分ない。硬めの乗り心地といわれたRS(6速MTのホットモデル)でもトヨタ流の“いなし”が効いている。シフトフィールがすこぶる良く、MTの醍醐味を存分に味わえる。

理にかなったボディ剛性の高さとサスペンションの選択

  • トヨタ オーリス インパネ|ニューモデル試乗
  • トヨタ オーリス パノラマルーフ|ニューモデル試乗
インパネはブラックメタル調(写真)とカーボン調(RSに標準)、S Packageにオプション設定される本革調の3種。メーターはS Packageのみ2眼(他は3眼)
トヨタはFF車のリアサスペンションに高価なウイッシュボーン形式を積極的に使用している。高いレベルの乗り心地と走行性能を求めた場合、それらを最適化しやすい構造をもつウイッシュボーンが有利だからだ。だが、サスペンションの性能を生かすも殺すもボディ剛性次第。その意味で、オーリスのボディ剛性の高さとサスペンションの選択は理にかなっている。バランス的には1.5Lエンジン搭載の150Xで十分。CVTとエンジンの統合制御も上手く静粛性も高い。アイドリング中でもエンジンが停止していると思ったほどだ。これは隙間という隙間を極力小さくした(工場の作業員泣かせの)ボディ設計の賜物なのだ。

シャシー剛性の向上、コスト度外視のサスペンション形式は、欧州車(特にVW系)に挑戦した新しい日本車を体感できる。

SPECIFICATIONS

グレード 150X 150X Sパッケージ 180G RS Sパッケージ
駆動方式 FF 4WD FF
トランスミッション CVT 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4275×1760×1460 4275×1760×1480 4275×1760×1460
ホイールベース(mm) 2600
車両重量(kg) 1220 1300 1280 1270
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1496 1797
最高出力[kW(ps)rpm] 80(108)/6000 77(105)/6000 105(143)/6200 106(144)/6200
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 136(13.9)/4800 135(13.8)/4400 173(17.6)/4000 180(18.4)/3800
JC08モード燃費(km/L) 18.2 16.4 16.0 14.4
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/50 プレミアム/50
車両本体価格(万円) 179.0 216.9 206.0 225.0
Tester/松本英雄  Photo/篠原晃一