グリーンさん(神奈川県)
投稿日: 2017年9月15日
5点
ジャガーの黄金期、ウィリアム・ライオンズとマルコム・セイヤーのコンビが作った最後の車。正確に言うと、XJ-S開発の途中でセイヤーは亡くなっていますが。私は長い前後のオーバーハングと特徴のあるリアトランク周りをフィンが囲む空力特性を重視したセイヤーらしいデザインが気に入っています。このデザインのおかげでボディ強度もなかなかです。V12 5.3 エンジンは、現代の車とは全く異なるスムーズさを発揮します。ダウンサイジングされたエンジンでは感じることができない気持ち良さがあります。
三角テールの前期型V12は故障が多いと言われているようですが、きちんとポイントを押さえたメンテナンスをしておけば、大きなトラブルを起こすことはありません。購入経験者からアイドリングが安定しない、V12なのに踏み込んでも加速しないと言う症状が報告されていますが、フューエルフィルターの詰まりが原因であることが多いようです。燃費が2Km/lぐらいという症状は、O2センサーの劣化が原因であることが多いようです。点火系から手を入れる方が多いですが、まず燃料供給と燃調に気を配ることがポイントです。
安心して乗れるのはフォードが資本参加した後の91年式以降という流れがあり、三角テールの前期型はほとんど残っていません。ポイントを押さえてメンテナンスをすれば故障はあまりなく楽しめる車なので、前期型だからと言って諦めてしまうのは少しもったいないと思います。ウイリアム・ライオンズとマルコム・セイヤーが生涯の最後にやりたいことをやった稀少な車です。彼らの最盛期の仕事ではなかったかもしれませんが、同じように仕事の仕上げに入っている年代の方であれば、その価値を満喫できると思います。
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