なっとうさん(千葉県)
投稿日: 2017年9月13日
5点
演歌調の成金フロントグリルと決別しスポーティーでノーブルなデザインを纏う新世代クラウンはエンジンも直列6気筒からV型6気筒へ変わり、サスペンションを始めとした主要コンポーネントどころかプラットフォームさえも一新した。
内装パーツをつなぎ合わせたときの繋ぎ目や隙間(チリ)は驚くほど高精度で、ダッシュボードのシボや塗装もテカリ感がなくプラスチックとは思えない程。それらがもたらす品質感の高さはトヨタならでは。
静粛性は緊急自動車のサイレンすらシャットアウトするほど高く、僅かなロードノイズと車窓の移り変わりがなければ止まっているのではないかと錯覚するほど。
水平基調のエクステリアが醸し出すコンパクトな外観の印象以上にFR車らしからぬ広い室内・荷室を持ち、どの速度域からもアクセルを踏み込めば十分な加速を得られる。
燃費も良好で高速道路を含む行程では20km/Lに届くこともある。
故障知らずで、オイルとオイルエレメントの交換以外手入れらしい手入れは必要なかった。
燃費の良さを過信すると、ちょっと近所に買い物という時はほとんどの場合で6km/Lを下回ることが多く足をすくわれる。
ガソリンタンクの容量が大きいので、満タン給油の際家族に現金を届けてもらったことがあった。(苦笑)
屋根の無い駐車場での保管にも拘わらず塗装は痛みが少なく、いつまでも艶やかな表情を見せる。その一方ヘッドライトがガラスではなく樹脂製になったせいか数年で黄ばみが酷くなり、高級車らしさを失ってしまうのが残念。
何も無ければ故障と無縁な分維持費は抑えられる方だと思うものの、部品類は高額な部類なので事故にはくれぐれも注意するようにとのアドバイスを営業の方から頂いた。
当時は選択肢が限られたし不満はなかったが、アナログTVも拡張性に乏しいナビゲーションも現代には合わないだろうから注意が必要。
その高い完成度はともかく、道を走ればクラウンに当たると感じるほど見掛けない日の無い本車は、なかなか愛着の湧かない車だった。
日本車らしい品質の高さと、故障の少なさからくる満足感は右に出るものがない。
このモデル以降はモデルチェンジの度に走りをアピールするデザインが強調されることとなったため、クラウンらしさと調和のとれた上品さを持ち合わせた最後のモデルだと思う。
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