▲中古車の価格は「人気」によって決まる。人気の裏をついて、自分なりの「おいしい基準」で探そう ▲中古車の価格は「人気」によって決まる。人気の裏をついて、自分なりの「おいしい基準」で探そう

人気車の裏に「おいしい中古車」アリ?

「おいしい中古車」を探すためには、まず中古車の価格がどのようにして決まるのかを理解しておく必要がある。

中古車の価格は、一言で言えば「人気」によって決まる。「程度」が良ければ人気が出るし、人気が高ければ価格も高くなる。その価格でも買いたいという人がいるからだ。逆に人気がないほど安くなる。

例えば走行距離6万kmよりも1万kmの方が人気になるため、6万kmのものより高い値が付けられる。

その他、年式の高低やキズの有無、装備の充実具合、ボディ色など人気の要因はいろいろある。それらを総合して「これは人気が高いはず」「これはさほど人気が出なさそう」という販売店の判断で仕入れられて、値付けされる。

つまり、「人気の裏」をつけば、人気の車より安く手に入れることができるのだ。ただし、例えば走行距離が多い車こそ「おいしい」というものではない。

価格を左右する人気の要因、つまり「程度」の判断は、人によってズレがある。先の例で言えば、1万kmの車より6万kmの車の方が100万円以上安くないと「おいしい」と感じない人もいるだろうし、50万円の差でも「おいしい」と感じる人もいるはずだ。

このように「おいしい基準」、つまり価格差の感じ方は人それぞれ。そのため、人気の裏をついて、あなたなりの「おいしい基準」で探すと、おいしい中古車が見つかるというわけだ。

以上を踏まえたうえで、まずはおいしい車種の見つけ方を見ていこう。
 

ライバル車 ― 他メーカーの同じカテゴリー車を調べる

同じ価格の2Lミニバンでも、人気の差によって中古車価格が変わってくる。

例えばトヨタ ノアを探しているなら、トヨタ ヴォクシー、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴン、マツダ ビアンテも調べてみるといい。 同じ年式、走行距離、できればボディ色やカーナビの有無なども同じもので比べてみると、意外と価格が違うということがわかるはずだ。

同じ2Lミニバンで性能もほとんど変わらず、新車時価格がほぼ同じでも、中古車では人気で大きく価格が変わってくる。だとしたら、よほどその車が好きでない限り、ライバル車を比較検討してみる価値はあるだろう。
 

ボディタイプ ― 価格差を調べて再検討してみる

例えば今ならミニバンやハイブリッドカーに比べて、クーペやセダンの方が値下がりしやすいなど、ボディタイプによって価格の付け方が異なる。

人気が価格を左右する中古車だから、基本的にクーペの価格は下落しやすいのだ。 ただしクーペでもホンダ NSXや日産 GT-Rのように、一部熱烈な支持者が存在する車種に関しては、なかなか値崩れを起こさないという現象もある。

またミニバンにファミリーカーとしての座を取って代わられたセダン、特に節約志向のあおりで排気量の大きいセダンは値落ちしやすくなっている。

もちろんこれらは、時代の流行とともに常に変化する。つまり、時代に迎合していてはいつまでたっても「おいしい中古車」は見えてこないということだ。

人気車の裏に、実は隠れた実力を秘めた車がある。それは人気のアイドルグループは追っかけず、玄人好みのアーティストを見つけ出すのと似ているかもしれない。それを見つけて手に入れたとき、その喜びの大きさは計り知れないだろう。

時代の流れに埋もれた、真の実力車を見つけ出すことこそ「おいしい中古車」の醍醐味だ。
 

text/カーセンサー編集部