インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

3.7LのV6エンジンは最高出力272馬力!よりスポーティな走りを披露してくれる

マツダ 6 フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 マツダ 6 リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑“Zoom Zoom”をスローガンにアメリカでは評判が高い新型マツダ 6。とくにV6エンジンを搭載したsモデルは18インチのホイールを装備し、リアのエグゾーストパイプのデザインからは高級感を感じます
日本以外ではマツダ 6として販売されているマツダ アテンザが、北米でもフルモデルチェンジをして、昨夏から販売がスタートしています。この北米モデルは日本モデルと比べると中身&選べるグレードに大きな違いがあります。
具体的にどう違うのかというと、北米モデルにはベースモデルの2.5Lエンジンを積んだi以外に、s GrandTouringという3.7LのV6エンジンが搭載されているモデルがラインナップされていています。このs Grand Touringモデルには、18インチホイールが標準装備されています。また、3.7Lエンジンはマツダが北米で販売している大型SUVのCX-9にも使用されてるものです。このエンジンにより272馬力のパワーを得たマツダ 6は、よりスポーティな走りを披露してくれます。ちなみにミッションは6ATのみで残念ながらMTのオプションはありません。

マツダ 6 インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 マツダ 6 後部座席|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑中身はかなりモダンに進化しています。後部座席にもゆとりができ、シートを倒すとトランクスルーになるのでショートボードなどを積むときでも便利です
ルックスは、一見大きな違いを感じませんが、北米モデルは日本モデルと比較すると全長で185mm、全幅で44mm、全高で31mm、そしてホイールベースも64mm延びて一回り大きくなっています。これは北米のマーケットニーズに応えたためです。フロントランプやマスクはどことなくRX-8に似た雰囲気を醸し出しています。
車体が大きくなったことで、インテリアスペースも拡大し、前モデルよりも確実にゆったり感が高まっているので後部座席に座っていても快適です。同時に前モデルでは若干チープに感じたインテリアの質感も向上し、ラグジュアリィとまではいかないものの、価格を考えると十分なクォリティに仕上がっていると言えます。

マツダ 6 エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 マツダ 6 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑3.7LのV6 MZIエンジンはフォードとの共同開発のサイクロンエンジンを使用。レギュラーガソリン対応で、ガソリン価格が低下したことで満タンにしてもたったの$35(約3千円)!
アメリカでは626(日本でいうところのカペラ)時代から多くのファンがいるマツダ 6は、ヨーロッパ志向の人に人気があります。だからこそ、アメリカではスポーツワゴンの販売がないことにがっかりしている、という声も聞きます。
しかしながら、トップグレードのV6の3.7Lエンジンモデルを$30,000以下で購入できることや、スポーツ性能やルックスなどの点ではライバル車であるホンダ アコードやトヨタ カムリを上回っているとアメリカでは高い評価を受けています。2.5Lエンジンよりもトルクが太くてドライブを楽しませてくれる3.7Lの北米モデルは、日本でも興味をもつ人はたくさんいるのではないでしょうか。

主要諸元のグレード:Mazda 6 s Grand Touring 駆動方式:4WD トランスミッション:5AT 全長×全幅×全高:4920mmX1839mmX1471mm ホイールベース:2789mm 車両重量:1609kg 乗車定員:5名 エンジン種類:DOHC V型 6気筒 総排気量:3.7L 最高出力:272ps/6250rpm 最大トルク:37.2kg-m/4250rpm 10・15モード燃費(km/L):- ガソリン種類/容量:無鉛レギュラー/70L 車両本体価格:$29,135(約280万円)

(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)