FLOW+黒崎 敏(前編)
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2010/10/26
伸びやかな外観に抱えられたガレージ
まるで空に伸び上がるような造形を持つ住宅『FLOW』は、国内外を問わず活動する建築家・黒崎敏氏が手がけたもの。デザイン性を優先させたのではなく、機能性を重視した結果、生み出されたという独創的なガレージ付き住宅の魅力に迫ります
建築家による仕掛けがいろいろ施された住宅
巨大オブジェ?そう思わせるほど、今回訪れたS邸の造形は独創的であった。
少し距離を置いて観察してみると、巨大な積み木のようにも見えるし、大きな口を開けたクジラのようにも見える。正面がウッディな壁となっていて、その木目のラインが空に向かって一直線に伸びていることが、建物にスピード感にも似た雰囲気を与えている。
設計担当は、建築家の黒崎敏さん。施主であるSさんとは、ある店舗の設計者と施工者という間柄。すでに7~8年の付き合いになるという。Sさんが自宅を新築するにあたり、黒崎さんへのオーダーは、2台分の車庫を確保すること/車は、完全に外界から隔離されていること/広いリビングダイニング/コンクリート打ち放しの外観、というものであり、その他は基本的にオマカセとなったようだ。
表の通りから敷地内部は、黒い染料で色付けされた外壁の隙間から、わずかに窺える程度。黒崎さんは『シームレスな鳥かごをイメージ』したという。中がうっすらと見えることで、かえって車の盗難やピッキングなどの犯罪を防止する効果が高まるという。
どうやらS邸には、黒崎さんの手によるいろいろな仕掛けが施されていそうだ。
FLOW
建築家:黒崎 敏
APOLLO architects & associates
tel.03-6272-5828 http://www.kurosakisatoshi.com/
所在地:千葉県浦安市 主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦、子供1人、母
構造:RC造 規模:2階建
敷地面積:148.55㎡ 延床面積:140.32㎡
設計・監理:APOLLO architects & associates/黒崎 敏
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・木村 博道 photos / KIMURA Hiromichi
構成・石井 隆 editorial / ISHII Takashi
個人邸とは思えない存在感を放つS邸だが、ガレージを囲う黒い木製の外壁と、ファサード面に使われた木目は、コンクリート打ち放しらしからぬ温かみを醸し出している
外壁の隙間から見える愛車2台(Gクラスと5シリーズツーリング)。夜になれば、エントランスから零れる光によって浮かび上がってくる
ガレージスペースは建物外部となるものの、庇を兼ねた外壁の胸に抱え込まれているようにも見える
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
あの名車は今? その後継モデルたちは……20年という時の流れは車をどう変えたのか。SL、ムルシエラゴ、911…
メルセデスの名車に乗る|W201型からSLS AMGへ。“ネオクラとAMG覚醒”をいま読み解く【カーセンサーEDGE 2026年1月号】
優先すべきはヘリテージか 経済効率? マセラティのモデナ回帰にみるブランドの価値とは【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
“いまは”日本未導入のGAC(広州汽車集団)AION Y Plusに試乗してきた!
プロショップで聞いた600万円前後で狙える初代 ポルシェ マカンのリアル! 狙うは前期型の高性能グレードか? それとも後期型のベーシックグレードか?
600万円台で買えるアストンマーティンはアリか? プロフェッショナルに聞いてきた真実!
「20年後も残る車、消える車」とは? 創刊20年を機に真剣に考えてみた【カーセンサーEDGE 2025年12月号】
“日本の誇り” 日産 R35 GT-Rは果たしてスーパーカーなのか?【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
’07 フェラーリ F430|空力とヘリテージが息づくV8ミッドシップ【名車への道】









