西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランドローバー ディフェンダーの巻
2024/06/22
▲2019年に“復活”したランドローバーのアイコンとも言うべき本格オフローダーでモノコックボディに四輪独立懸架を採用する。ベーシックな110に加え、ショートボディの90とロングボディの130をラインナップ軟弱モデルはご免! 気持ちいい“ガチ”オフローダー唯一の悩み
正直に言うと、SUV嫌いとは言いつつも憎からず思うモデルが何台かある。いわゆるクロカン本格派というやつで、国産車でいえばスズキ ジムニーやトヨタ ランドクルーザーがそれに当たる。悪路をものともしない、走破性の高さを誇る“ガチ”オフローダーたちだ。
昨今のSUVはというと、そもそもはそういった本格派の力強いスタイルに憧れつつ、乗り味や快適性を乗用車方向に振ったモデルだと言っていい。フツウにFFも選ばれていたりするから、その軟弱さもあまり好きじゃない理由のひとつ。パーパスビルトなんてフレーズに憧れた世代としては、“なんちゃって”仕様はご免というわけだ。もっとも今やSUVは完全に普通の乗用車カテゴリーになったから、人と荷物を運ぶスタンダードという点ですでに目的合理性を得た、ともいえるけれど。
それはともかく、輸入車でガチオフローダーというとまずはレンジローバーが思い浮かぶ。それからディスカバリー。いわゆるランドローバー系で、四肢を自在に動かして道なき道をいく姿は感動的ですらある。あとはジープならラングラー、他のモデルは生ぬるい。メルセデス・ベンツのGクラスも本来はガチだけれど、あまりに有名になって食指が動かない。
ランドローバー系の中でも旧型のディフェンダーは別格にガチだった。あまりにガチすぎて一般道で乗りたいシロモノではなかった。それゆえ“好ましい”と思ってしまうあたりに天邪鬼が発揮されているけれど、なんといっても見栄えの格好良さで他を圧倒していた。都内を颯爽と乗りこなす人を見ると無条件に尊敬してしまうほどだ。
そんなディフェンダーテイストをモダンに再構築し、乗り味を現代的にアレンジしたのが現行モデル。旧型マニアからすれば立派に“なんちゃって”かもしれないけれど、とはいえ中身は最新のランドローバー系だからオフロードも完璧、それでいて街乗りはそんじょそこらのSUVよりも上等というから、褒めないわけにはいかない。
▲2024年モデルで追加設定された、5L V8スーパーチャージドエンジンを搭載する最上級モデル
▲V8モデルには、シャドーアトラスエクステリアアクセントやブラックコントラストルーフなどを標準装備する特にV8が良い。レンジローバー系はBMW製V8ツインターボにスイッチされたけど、ディフェンダーのそれはジャガー・ランドローバー製V8スーパーチャージャーだ。性能というよりもゴーッと回っているときの雰囲気がディフェンダーにお似合いだと思う。
個人的にはショートボディの90が好み。アンバランスに見えるけれど、その実、110とほとんど乗り味は変わらない。お尻のない軽快感も適度にあって、街乗りにはピッタリだ。
▲ショートボディの90にはV8モデルだけでなく、ディーゼルエンジン搭載モデル(写真)も追加設定されているもちろん110も悪くない。バックで駐車する際に多少気を使うけれど、前を向いてドライブしている限り、大きさを気にするような場面は都心でもほとんどない。これは最新のランドローバー&レンジローバーに共通する美点で、デカいのに一体感がある。ドライブフィールにその昔のクロカンぽさは皆無。それゆえ軟弱になったともいわれるけれど、この乗り心地のよさを知ってしまうと、旧型ディフェンダーの世界にあえて踏み込もうとは思わなくなる。
ディフェンダーに乗っていて最も気持ちがいいと思う点は、ガッチリとした踏ん張り感を上質な乗り心地で成立させているところ。車体全体に程よい弾性を感じられて、しかも隅々まで神経が行き届く。運転しやすいのだ。そこにV8スーパーチャージャーの威力が加わって……。
▲ホイールは20インチを標準とし、オプションで22インチ(写真)を用意する取材車両のような黒づくめのディフェンダーなら、家にあってちょっと嬉しいかもと思っている。カラフルな感じで媚を売るより、いっそツワモノぶった方がいい。マットとグロスを組み合わせたブラックなんて、他の車なら絶対乗りたくない組み合わせだけれど、不思議とディフェンダーなら許せてしまう。うーん、欲しいかも。そういやもうじきすごいバージョン(オクタ)も上陸するというし。
この大きさのSUVをしまい込めて不自由なく過ごせるような大きなガレージを作ることの方が先だけれど……。
▲パネルには耐久性が高いファブリックであるロバステックを採用。ウィンザーレザーとダイナミカ スエードクロスを用いたシートを備える
▲最高出力525ps/最大トルク625N・mを発生する5L V8スーパーチャージドエンジン▼検索条件
ンドローバー ディフェンダー(現行型)× 全国
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
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