パトロール▲通算7代目となるY63型日産 パトロール。その日本導入はファンの間で大きな話題となっている

圧倒的な存在感を誇る日産 パトロールが2027年度前半、ついに日本市場へ投入される。2024年9月の発表以来、首を長くしてその導入を待ち続けていた人も多いはず。

この記事では、原稿執筆時点でわかっている日産 パトロールの情報をお届けする。
 

 

2027年度前半に日本発売! 新型「日産 パトロール」とは?

日産 パトロールとは、中東を中心に展開されているフルサイズ(全長約5m超の大型車)の3列8人乗りSUV。

2025年10月に開催された「Japan Mobility Show 2025」にて、日産は「2027年度前半に日本市場へ投入する」と公式発表した。
 

パトロール▲現行のパトロールは2024年11月に中東地域でデビューし、日本市場では2027年度前半に発売される予定

とはいえ、日本仕様の詳細は「発売時期に合わせて発表予定」とされており、現時点では残念ながら不明。

しかし、一部ファンの間ではかねてからパトロールの“逆輸入”が熱望されていた。日産のフラッグシップSUVであるということもあって、今その日本仕様に対する期待は大いに高まっている。
 

伊達軍曹

伊達軍曹ちなみにパトロールは、北米では「Armada(アルマーダ)」という車名で展開中。そしてインフィニティ QX80のベースにもなっています。

日産 パトロールとサファリの関係

日産 パトロールは1951年、警察予備隊(現在の自衛隊)向け小型四輪駆動車の試作車として誕生。
その後1980年に3代目へとフルモデルチェンジされる際、日本市場での車名をパトロールから「サファリ」に変更。しかし海外市場では、サファリへと改名された後もパトロールという車名での販売が続けられた。
 

サファリ▲車名が「サファリ」へと変更された、日本仕様の3代目パトロール

日本仕様のサファリは、3代目(※パトロールとしては5代目)にあたるY61型の販売終了に伴って2007年に終売。ただ、その後も海外市場ではパトロールとしてモデルチェンジと販売が継続されている。
 

▼検索条件

日産 サファリ
 

日産 パトロールの価格はどれくらい?

日産 パトロール日本仕様の車両価格は2026年5月上旬現在、公式には発表されていない。

とはいえ「フラッグシップSUVにふさわしい価格」になることは間違いなく、下記に掲載する中東仕様の価格から考えても「それなりのプライス」になる可能性は高い。
 

販売圏 現地価格 日本円換算
ドバイ仕様 AED23万9900~44万9900 約1026万~1924万円
サウジアラビア仕様 SAR27万999~45万999 約1135万~1889万円
販売圏 現地価格 日本円換算
ドバイ仕様 AED23万9900~44万9900 約1026万~1924万円
サウジアラビア仕様 SAR27万999~45万999 約1135万~1889万円
※2026年5月3日時点における為替レート。AED(UAEディルハム)は1AED=42.76円。SAR(サウジアラビアリヤル)は1SAR=41.88円で計算。
※日本円換算は千円の位を四捨五入。
 

しかしながら、九州にある「日産車体九州株式会社」が製造した車両をわざわざ輸入して販売している中東諸国と違い、日本仕様のパトロールには長距離の輸送費用や関税などはかからない。

そして直接のライバルであるトヨタ ランドクルーザー300(以下、ランクル300)の新車時価格が約525万円~であることも踏まえると、パトロール日本仕様は上記の中東仕様よりいくぶん安くなると推測できる。それでも、グレードによっては1000万円級になると思われるが。
 

パトロール▲現地の人から見れば「輸送費などがかかる輸入車」である中東仕様と比べれば、国内生産・国内販売となる日本仕様の車両価格は若干安くなるはずだが……
 

日産 パトロールの特徴を解説

ここからは日産 パトロールというSUVの主な特徴を紹介していこう。とはいえ日本仕様の諸元は未発表であるため、あくまでも中東仕様のスペックをもとにした紹介である点はご容赦願いたい。
 

項目 特徴
サイズ 国産SUVトップクラスの大きさ
外装・内装 デザインも質感も一級品
走行性能・パワートレイン 主力エンジンは3.5L V6ツインターボ
ラインナップ 標準グレードの他に2グレードを用意
装備 快適装備がファーストクラス級
項目 特徴
サイズ 国産SUVトップクラスの大きさ
外装・内装 デザインも質感も一級品
走行性能・パワートレイン 主力エンジンは3.5L V6ツインターボ
ラインナップ 標準グレードの他に2グレードを用意
装備 快適装備がファーストクラス級
 

日産 パトロールのサイズ: 国産SUVトップクラスの大きさ

パトロールのボディは、日本基準で考えると「巨大」という表現がふさわしいサイズ感。全長・全幅・全高ともに、競合となるランクル300以上となっている。
 

項目 パトロール ランクル300
全長 5350mm 4950~4985mm
全幅 2030mm 1980mm
全高 1945~1955mm 1925mm
項目 パトロール ランクル300
全長 5350mm 4950~4985mm
全幅 2030mm 1980mm
全高 1945~1955mm 1925mm
※全長はけん引フック込みの長さ。ない場合は全長5205mm。
 

前述のとおり、パトロールのスリーサイズはランクル300をすべての部分で上回っているわけだが、ランクル300をベースとするレクサス LX(4代目)と比較した場合でも、パトロールは10cm以上長く、4cmほど幅が広い。

少なくともボディサイズに関しては、パトロールは「国産SUVのトップクラス」と評しても何ら過言ではない。キャデラック エスカレードやロールスロイス カリナンといった世界レベルの巨大SUVと、おおむね同等のサイズ感である。
 

伊達軍曹

伊達軍曹なお表はパトロール中東仕様・標準モデルの数値で、ハイパフォーマンスモデルである「パトロールNISMO」や、オフロード仕様「パトロール PRO-4X」とは若干異なります。

 

日産 パトロールの外装・内装:デザインも質感も一級品

エクステリアでは、フロントの「Vモーショングリル」の左右に配置された、C形デザインのヘッドランプが特徴だ。
 

パトロール▲印象的なC形のヘッドライトは「アダプティブドライビングビーム技術」(前方に車両がいる状況で、ハイビームを部分的に消灯して照射する技術)を採用。最適な視界を確保できる
パトロール▲22インチの大径ホイールも目を引く。路上での存在感を高め、優れたオフロード性能に必要なロードクリアランスの確保にも一役買っている

インテリアでは、14.3インチディスプレイを2枚連結した「28.6インチモノリスディスプレイ」がきわめて印象的であると同時に、ナビゲーションや車両情報をこの大型ディスプレイ内に統合表示することで、視認性と操作性が高められている。
 

パトロール 水平モノリスディスプレイ▲全体で28.6インチの「水平モノリスディスプレイ」。ドライバーの目前にあるメーターパネルからセンターディスプレイまでがシームレスに機能連携している
 

日産 パトロールの走行性能・パワートレイン:主力エンジンは3.5L V6ツインターボ

日産 パトロールのメインユニットは、新開発された3.5L V6ツインターボエンジン。一般的には航空機用に使用される場合が多い特殊なニッケル基超合金「Mar-M247」を採用し、非常に頑強だ。

スペックは最高出力が約431ps(425hp)で、最大トルクが700N・m。ランクル300のガソリン車(415ps/650N・m)を上回るもので、9速ATとの組み合わせによって車重2.7t級の巨体をスムーズかつ豪快に加速させる。

また、中東仕様のベーシックなグレードには約320ps(316hp)/386N・mの3.8L V6エンジンも設定されている。
 

6つのドライブモードで悪路でもガンガン走れる

足回りは、走行シーンに応じて適切な車高に調整できる「アダプティブ エアサスペンションシステム」を採用している。
 

パトロール▲「アダプティブ エアサスペンションシステム」は中東仕様の上級グレードに標準装備。おそらくは日本仕様でも採用されるはず

ドライブモードは「標準」「砂地」「岩場」「わだち」「エコ」「スポーツ」の6つから選ぶことができ、日産初採用となる「4WDトランスファーモードインターロックシステム」によって、シームレスなモード切り替えが可能だ。
 

伊達軍曹

伊達軍曹ちなみにアダプティブ エアサスペンションシステムは、通常走行時は車高を下げることで空力性能を確保する他、乗員の乗降時はさらに車高を下げて、乗り降りや荷物の載せ降ろしを容易にしてくれます。

 

日産 パトロールのラインナップ:標準グレードの他に2グレードを用意

標準仕様は国によってラインナップが若干異なるが、基本的には3.5L V6ツインターボ搭載グレードと、3.8L V6自然吸気搭載グレードに大別される。主なグレード構成は下記のとおり。
 

グレード 3.8L 3.5Lツインターボ
エントリー X E(サウジアラビアでは設定なし) LE-T1
中間 SE T2 LE-T2
上級 SE タイタニウム LE タイタニウム
最上級 SE プラチナムシティ LE プラチナムシティ
グレード 3.8L 3.5Lツインターボ
エントリー X E(サウジアラビアでは設定なし) LE-T1
中間 SE T2 LE-T2
上級 SE タイタニウム LE タイタニウム
最上級 SE プラチナムシティ LE プラチナムシティ

上記の他、タフさを強調した「パトロールPRO-4X」と、モータースポーツ由来の「パトロールNISMO」も設定されている。
 

パトロールNISMOは見た目も走りもスポーティ

日産 パトロールの標準車については当然気になるとして、それと同時に気になるのが「パトロールNISMO」の存在だ。パトロールNISMOが日本市場に導入されるか否かは現時点では未知数だが、気になるそのスペックを簡単に整理しておこう。
 

パトロールNISMO▲サーキット由来の空力技術と高い走行性能を融合させた「パトロールNISMO」。フロントフェイスには縦と横のラインで構成されるVモーショングリルに加えて、立体的なハニカムメッシュを採用し、ラジエターへの空気流入を最適化

パトロールNISMOが搭載するパワーユニットは専用チューンの3.5L V6ツインターボ。最高出力と最大トルクは、標準車のそれを大きく上回る約502ps(495hp)/700N・mとなっている。

そして優れた空力性能をもつエクステリアに加え、専用サスペンションや専用エグゾーストも採用し、NISMOならではの高いパフォーマンスを発揮。そして9速ATにも、エンジンの高出力化に合わせた専用チューニングが施されている。
 

パトロールNISMO▲フロントまわりにはエアカーテンなど様々な空力パーツが付加されているが、それらパーツが「格好だけ」のものでは決してなく、実際にかなり「利く」のがパトロールに限らずNISMO車全般の美点だ
 

日産 パトロールの装備:快適装備がファーストクラス級

パトロールはシートにマッサージ機能付きのゼログラビティシートを採用。NASAが計測した「中立姿勢(人間が無重力状態で脱力した姿勢)」を車用シートに転用することで、筋肉や背骨への負荷を緩和してくれる。
 

パトロールのゼログラビティシート▲パトロールに採用されている「ゼログラビティシート」は、長時間の着座による疲労感を軽減

中東仕様では、乗員の体温を検知して空調を自動調整する生体認証冷却技術「バイオメトリッククーリング」も搭載。これは乗り込んだ瞬間に最適な冷却が行われるという仕組みで、高温環境を前提とした中東市場ならではの装備といえる。

他には、チャイルドシートを装着したまま3列目へアクセスできる「EZフレックスシート」や、画面操作でシートアレンジが完結する電動折りたたみ機構など、最新モデルならではの利便性が満載だ。
 

パトロールのオーディオ▲1列目シートのヘッドレスト背面には、12.8インチのエンターテインメントディスプレイが用意。オーディオにはアメリカの老舗メーカー「クリプシュ」製の12スピーカーシステムを採用している
伊達軍曹

伊達軍曹64色から選べるアンビエントライトシステムが、クラス最高の広さを誇る3列シートを含むキャビン全体を演出してくれるのも“ファーストクラス級”といえる部分でしょう。

プロパイロットをはじめ、視界支援機能やコネクト機能も完備

運転支援技術「プロパイロット」が中東地域で初めて採用されたというのも、新型パトロールの特徴。パトロールのプロパイロットには車速調整や車線維持機能だけでなく、ナビゲーションデータを活用して、カーブやインターチェンジでの車速を自動調整する機能も搭載されている。

そして障害物やナビゲーションのヒントをリアルタイムで投影する技術を用いた「パノラマビュー」の採用もトピック。

パノラマビューには視野を170度にまで拡大する「ウルトラワイドビュー」や、車両の真下を透過して確認できる「インビジブルフードビュー」が組み込まれており、オフロードや狭いスペースにおいても、安全な運転をサポートしてくれる。
 

パトロールのインビジブルフードビュー▲フードで隠れた路面の映像を表示する「インビジブルフードビュー」機能。ドライバーはオフロードや狭い道などにおいても前輪の位置や障害物を確認しやすくなる
 

新型「日産 パトロール」とランドクルーザー300を比較

サイズ感は若干異なるが、基本的にはランクル300が日本国内においては日産 パトロールと競合することになるはず。まずは両者の主なスペックを表で比較してみよう。
 

項目 パトロール ランクル300
全長 5350mm(けん引フック込み) 4950~4985mm
全幅 2030mm 1980mm
全高 1945~1955mm 1925mm
ホイールベース 3075mm 2850mm
乗車定員 8名 5名/7名
エンジン 3.8L V6ガソリン
3.5L V6ツインターボ
3.5L V6ツインターボ
3.3L V6ディーゼルターボ
ミッション 9AT 10AT
最高出力 3.8L:約320ps
3.5Lターボ:約431ps
3.5Lターボ:415ps
3.3Lディーゼル:309ps
最大トルク 3.8L:386N・m
3.5Lターボ:700N・m
3.5Lターボ:650N・m
3.3Lディーゼル:700N・m
価格 現状不明 525万2500~813万6700円
項目 パトロール ランクル300
全長 5350mm(けん引フック込み) 4950~4985mm
全幅 2030mm 1980mm
全高 1945~1955mm 1925mm
ホイールベース 3075mm 2850mm
乗車定員 8名 5名/7名
エンジン 3.8L V6ガソリン
3.5L V6ツインターボ
3.5L V6ツインターボ
3.3L V6ディーゼルターボ
ミッション 9AT 10AT
最高出力 3.8L:約320ps
3.5Lターボ:約431ps
3.5Lターボ:415ps
3.3Lディーゼル:309ps
最大トルク 3.8L:386N・m
3.5Lターボ:700N・m
3.5Lターボ:650N・m
3.3Lディーゼル:700N・m
価格 現状不明 525万2500~813万6700円

ボディサイズはパトロールの方が「ひと回り大きい」といったニュアンスで、ホイールベースも同様に、パトロールの方が22cm以上長い。

その他の乗車定員やエンジンスペックについても、おおむね「パトロールの方がひと回りほど上」という数値になっている。

以下ランクル300との比較における個別の注目ポイントをチェックしてみよう。
 

ランドクルーザー300▲こちらがランクル300。これはこれでかなり素敵なSUVだが、日産 パトロールと比べてみるとどうなのか?

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザー300(初代)

比較①:日常の使い勝手はランドクルーザー300がやや有利

いざというときには合計8人が余裕をもって座れるというパトロールのボディサイズおよび乗車定員は、かなり魅力的ではある。

だが乗車定員がそこまで多くなくても特に問題がないのであれば、パトロールと比べれば相対的にコンパクトなランクル300の方が都市部においては「使い勝手が良い」ということになるだろう。
 

パトロール▲ランドクルーザー300よりもさらに5cm広い2030mmという全幅は、日本の道路環境下では若干持て余すシーンがあるかも?

比較②:走行性能はおおむね互角か

駆動方式は両者ともフルタイム4WDで、どちらも前後の駆動力配分は自動で行われるタイプ。

パワーユニットを3.5L V6ツインターボ同士で比べた場合、パトロールの方がいささかパワフル&トルクフルではあるものの、車両重量はパトロールの方が200kgほどヘビーであるため、結果として両者の走行性能は「おおむね同等程度」に落ち着くと考えられる。
 

パトロール▲乗ってみないことには断言できないが、パワー差と重量差を鑑みると、パトロールとランクル300の走行性能は「おおむね同程度」とみておくのが妥当だろう

比較③:「手に入れやすさ」はランクル300が有利

現状、パトロール日本仕様の車両価格は不明(未発表)だが、ランドクルーザー300よりは高額になる可能性が高い。

また、デビュー直後の日産 パトロールはいわば争奪戦になるはずで、その争奪戦に敗れてしまう可能性も、残念ながら大いにあり得る。仮にめでたく注文できたとしても、納車までには比較的長い時間がかかるはず。

そういった背景を総合的に考えるのであれば、「ランクル300の方が入手しやすい」という結論になるだろう。
 

結論:「存在感重視」ならパトロール。「実益重視」ならランクル300

ここまで見てきたとおり、パトロールは様々な点で大いに魅力的なSUVだが、その魅力は「不満」や「不安」と表裏一体であるとも考えられる。

例えば、ランクル300をも超える巨大なボディと存在感は、パトロールという車のきわめて魅力的なポイントではあるが、それは同時に「日本の道では持て余してしまう」という可能性を秘めたポイントでもあるのだ。

そのため、「圧倒的な存在感とサイズ感」「8人が余裕をもって座れる室内寸法」「目新しさ」などを求めたい人には最適というほかないパトロールだが、それ以外の人々には――つまり「プレミアムで大柄なSUVを、日本の道で普通に快適に、そして納車まで長期間待たされることなく使用したい」と考えている人には、ランクル300の良質な中古車こそが、ベストまたはベターな選択肢となるだろう。
 

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザー300(初代)
文/伊達軍曹 写真/日産、トヨタ
※記事内の情報は2026年5月13日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。