中年世代なら聞き覚えのある、「人間の一生のうち、3分の1は睡眠時間です」というキャッチコピー。こういった数字は、誰しも興味があるようで、ネット上には、人生80年とした場合、「探し物に150日以上の時間を費やしている」とか「トイレにいる時間は8カ月」、「働く時間は9.3万時間」といった、思わず、へぇーと言ってしまう数字があふれている。日々、当たり前に行っていることでも、“一生分”をまとめてみると、意外な数字が現れて面白い。

自動車保険などを扱うソニー損保は、この考え方を車に応用。2014年1月30日に、「あるクルマの一生」をリリースした。平均的な日本の車の一生に関連する数字を映像で表現した動画だが、とても興味深い。

動画を再生すると、物語とあるスクラップ工場から始まる。長い間、ご主人様と一緒にすごしてきた“あるクルマ”。“彼”はまもなく自動車としての一生を終えようとしている。 “彼”の心の中にあるのは、これまでに出会えたご主人様たちのこと。そして、家族みんなで一緒に駆け抜けた、長いようで、短かった時間のこと。最後の時を前にして、今、その一生を振り返ろうと、これまで決して聞くことはなかった“彼”の声が聞こえてくる。

愛車のとの別れを経験したことのある人なら、ちょっとグッとくる内容。せっかくなので、動画に出てくる車にまつわる数字をいくつか紹介すると、車の使用年数(2012年 軽自動車を除く) 12.2年、1週間当りの使用頻度 5日、ひと月あたりの走行距離 410km/月、新車の買い替え年数 7.9年、ドライブ中の歌った経験 97%、社内での打ち明け話の経験 56.5%、洗車回数(12年換算) 116.7回、維持費(12年換算・保険料、ガソリン代など) 228万円、となっている。

ソニー損保は、「車についてよく知ること、また、知ることを通して車に愛着を持つこと、それはきっとエコドライブや安全運転に、そして、事故の軽減にもつながると考えています。」と制作コンセプトを語っている。

「あるクルマの一生」を見ると、より自分の車への愛着が高まるかもしない。

ホームページにて動画以外にもテキストでも数値などを確認可能。データの出典元も記載されているので、より深く調べることもできる

ホームページにて動画以外にもテキストでも数値などを確認可能。データの出典元も記載されているので、より深く調べることもできる

さまざまな統計やリサーチの結果を、テーマやストーリーに沿って映像化した「ビデオインフォグラフィック」という手法をとっている

さまざまな統計やリサーチの結果を、テーマやストーリーに沿って映像化した「ビデオインフォグラフィック」という手法をとっている