アルファ ロメオ アルファGTV|伊達セレクション
写真上下とも、ある時期の不肖伊達の個人駐車場。写真上のアルファMiToは私物ではなく広報車だが、まぁとにかくこのような感じの輸入車が1年ごとに入れ替わる感じなので、近所の人は「車に詳しい超マニア」と思っているかもしれないが、実は本人は極度のメカ音痴で、オイル交換すらもひとりでできるかどうか怪しいレベル。しかしそんなわたしでも、これまでほとんど何の問題もなくこういったモデル群を無事に維持できている。
ランチアデルタHFインテグラーレ|伊達セレクション
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
http://www.sgt-date.com

自動車変態の意外なる真実

拙宅の近所にお住まいの方は、もしかしたらわたしのことを「自動車マニア」と思っているかもしれない。なぜならば、駐車場に置かれている車は、あるときはシトロエン2CVで、またあるときはちょっと古いポルシェ911やアルファロメオ。最近は、ブチ壊れまくるという伝説があるランチアデルタHFインテグラーレで、ずいぶん前はコスワース製エンジンを積んだメルセデスなども駐まっていた。

そんな光景を見たら誰しもが「たぶんこの人は良く言えば自動車マニアで、悪く言えば重度のオタク。趣味は機械いじりで、オイル交換はもちろんのこと、たまにエンジン載せ替えまで自分でやっちゃう人。愛読書はヘインズの整備マニュアル」などと思うことだろう。

だが、それらイメージはすべて間違っている。わたしはエンジン載せ替えなどできないし、オイル交換すら怪しい。ヘインズのマニュアルなど興味もないし理解もできない。ついでに言えば中学生時代、技術家庭の成績は1だった。

何が言いたいかと言えば、「ちょっと古くてマニアックな輸入車の維持には、特別な知識も技術もいらない」ということだ。中学時代、技術家庭の成績が2や1だった人でも、高校時代に物理が赤点だった人でも、何の心配もいらない。欲しければ車屋さんに行き、買う。それだけで実はOKなのである。

上手な維持のコツは「頑張りすぎないこと」

もちろん、そんなわたしもただ阿呆のように買って乗っているわけではなく、技術家庭の成績が1だった者なりの工夫はしている。それは、以下のとおりだ。

●信用できそうな専門店を探す
これがいきなりちょっと難しいわけだが、社会人として得た様々な知見とセンサーをフル動員して、「うん、この人ならば付き合っても大丈夫だろう、たぶん」と思える「人物」を探すほか近道はない。店構えではなく「人」を見ることだ(まぁ「店構え」にも「人柄」は反映されているのですが)。

●納車整備をケチらない
ここでケチっても、結局は後で同程度か、もしくはそれ以上のお金がかかったりするもの。最初にビシッとさせておくのが結局は安上がりだ。

●音とにおいに敏感になる
バッテリーの場合は「突然死」するが、大抵の故障は事前に何らかの音やにおいなどによる「予兆」があるもの。予兆の時点で専門工場に見てもらえば、放置して結局壊れた場合の数分の1の予算で直せてしまう場合は多い。

●頑張らない
よほど腕や知識に自信があるなら別だが、そうでないならば、何ごとも無理に頑張らないほうがいい。つまり、オイル交換は無理に自分でやらずに完全にプロ任せで、半年に一度は実施。ついでに各部の状態をプロの眼で見てもらう。そして前述の項目とややダブるが、異音や異臭がした場合も頑張って素人判断はせず、とっとと工場へ持って行くことだ。「下手の考え休むに似たり」なのである。

以上、あまりに当たり前でカンタンな4項目ゆえ、皆さまからナメられてしまいそうだが、本当にこれだけでここまで無事にやってきたのだから仕方ない。

いわゆる就活の面接でも、変に格好をつけずに、知らないことは「知らない」と言う素直な者が結局は勝ち抜いていったりする。それと同様にマニアックで古めな輸入車の世界でも、わからないなら「わからない」と素直に、虚心坦懐に接していれば、ひどい目になどほとんど遭わないものなのだ、実は。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
機械が苦手でもネオクラシックに乗っちゃっていいんです!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE