Porcshe 911T

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「Porcshe 911T」、「Lancia FLAMINIA SPORT ZAGATO」、「FERRARI 512BB」、「MASERATI KHAMSIN」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【Porcshe 911T】 ナローが築いた歴史があるからこそ、今の911がある

Porcshe 911T

ナローポルシェと呼ばれるポルシェ 911は356の後継機として1963年にフランクフルトモーターショーで発表。356の水平対向4気筒エンジンに代わり、水平対向6気筒エンジンを搭載した。また車体も4人乗りの大型なボディに変更され、ナローポルシェは実用性と走行性を大幅に向上させたスポーツカーとなる。バリエーションも豊富で、初期型の901から始まり1969年にはエンジン出力を向上させた911S、そして911T、911Eなどが追加。また1973年には現在まで語り継がれる名車、カレラRSが追加された。



【Lancia FLAMINIA SPORT ZAGATO】 ランチア栄光の60年代がこのクルマに凝縮される

Lancia FLAMINIA SPORT ZAGATO

ランチアのフラッグシップモデル「フラミニア」にクーペが加えられたのは1958年のこと。中でもザガートの架装する専用ボディを与えられた「スポルト・ザガート」は特別な存在であった。ダブル・バブルのルーフやカバー付きのヘッドライトで特別な雰囲気を漂わせた同車は2.5L V6エンジンを搭載し、流麗かつ軽量なチューブラーフレームボディにより190㎞/hの最高速度を誇る。また後に追加される最強のフラミニア「スーパー・スポルト・ザガート」は2.8L V6エンジンを搭載し、最高速度は200㎞/hに達した。



【FERRARI 512BB】 フェラーリ・レーシングカーの集大成となる一台

FERRARI 512BB

ピニンファリーナとスカリエッティの共同デザインによるボディをまとった2シータークーペ。1976~1981年にかけて929台が生産された。最高出力360psを発生するドライサンプ方式の縦置き水平対向12気筒DOHCエンジンをミッドシップに搭載。4個のトリプル・チョーク・ウェーバー・キャブレターによる燃料供給で最高速度は302㎞/hに達する。1981年に排ガス対策として「Kジェトロニックインジェクション」を搭載する「512BBi」にバトンタッチしたが、こちらは最高出力:340ps/6000rpm、最高速度:280㎞/hにとどまる。1984年、テスタロッサの登場により生産を終了した。



【MASERATI KHAMSIN】 マセラティフラッグシップの歴史を受け継いだ一台

MASERATI KHAMSIN

ベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニがデザインを担当した、ギブリ後継の高級スポーツカー。インテリアは総革張りとなるラグジュアリィ性の高いモデルである。サスペンションが4輪独立懸架になり、ギブリSS譲りのV8エンジンを搭載。280hpの最高出力により最高速度は270㎞/hを誇る。また当時親会社にあったシトロエンのハイドロシステムを採用し、ブレーキやクラッチ、リトラクタブルヘッドライト、パワーステアリング、シート、ヘッドレストリクライニングなどを動作させる。73年のデビューから82年の生産終了までに430台が生産された。