Q.友人の意見を聞いて車購入に失敗…

自称、車に詳しい友人にアドバイスをもらいながら中古車を購入しました。しかし、その車は評論家などの一般的な評価も低く、また、車自体の程度も良くありませんでした。この場合、友人に責任を取ってもらうことはできるでしょうか?

A.友人のアドバイスはあくまで参考意見。責任を求めるのは難しいでしょう

販売店での購入時に、純粋にアドバイスをしてくれただけならば、それはあくまで参考意見。最終的な意思決定者はあなたなので、友人に責任を求めることはできません

同じ理由で、「評論家の意見を信じて購入に失敗した」とか「有名タレントがCMをしているので安心だと思っていたら販売店の対応が良くなかった」といったケースでも、評論家やタレントに対して責任を追及をすることは難しいでしょう。

一方で、もしこの相談が友人を売主とする売買ならば、損害賠償を請求して責任を取ってもらえる可能性はあります。購入した車がアドバイスをくれた友人の車であり、かつ、友人の情報が明らかに客観的事実を偽っている場合には、詐欺罪も考えられます。

いずれにせよ後悔しない車選びをするためには、ある程度の勉強が必要です。最低限のチェック方法や相場などは、カーセンサーnetなどで調べることもできます。また、ハンドリングや乗り心地などは個人の主観に左右されるものなので、友人や店員の評価だけではなく、実際に自分で試乗をして確かめることも大事です。車選びは最終的には自己責任他人まかせではなく、納得がいくまで自分で調べましょう

第99回:友人のアドバイスを聞いて車購入に失敗したら!?|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

詐欺罪(さぎざい)
人を欺いて財物を交付させる罪。財産上不法の利益を得、または他人に得させる行為も同罪。成立要件には、故意に相手をあざむいて錯誤におちいらせ、財物を交付させることなどが必要。未遂罪も罰せられる。