絶滅危惧車のボルボ 780からは、イタリアならではの色気が漂ってくる
2018/11/16
ベルトーネ設計のプレステージモデル
1985年、ジュネーブモーターショーでお目見えしたのが、ボルボ 780クーペだった。ベースとなっているのは同時期のセダン、700シリーズだった。
姿、カタチは紛れもなくボルボ 700シリーズであることを認識させるも、ボディパネルはすべて専用品となっていた。設計、生産を担当したのはイタリアの名門カロッツェリア・ベルトーネだった。
この頃、イタリア企業と自動車メーカーとのコラボレーションが流行っていたのだろうか? ボルボ 780クーペ以外では、キャデラックがピニンファリーナと「アランテ」を作っていたし、クライスラーはマセラティと「TC」を作っていた。
今思えば、贅沢な話だ。というのも、いずれもわざわざイタリアまで主要パーツ(車体、エンジン、サスペンションパーツ)を送り、専用ラインで生産というカタチを取っていた。新車時価格は当時のボルボラインナップでは最高峰の780万円に設定されていた。
これは実際にコストがかかっていたことと、クーペモデルのプレステージ性を感じさせるための戦略的値付けでもあったそうだ。
780クーペはスポーティさよりも高級感、快適性などに主眼をおいて開発されたもので、ドアを開けた瞬間に色気が漂っている。
シートの形状がセダンやステーションワゴンモデルとは異なり、流麗な筋肉美をほうふつとさせる。それでいて、ダッシュボードは見慣れたデザインに美しいウッドパネルがふんだんに奢られる、といった具合だった。
あからさまにセクシーさを強調するのではなく、さりげないセクシーさが780クーペの魅力だった。
さりげなくボディパネルは専用品を採用していたことも、高級であることに結びついていたのかもしれない。
さりげなさが当時の高級感だったのだろうか?
ちなみに給油口オープナーがランボルギーニ カウンタック、フェラーリ 308GT4など、ベルトーネが手がけたスーパーカーと共通なのも、今となっては特筆ポイント。
1990年まで生産されたが、総生産台数はおよそ8500台と少なめ。原稿執筆時点(2018年11月9日)で掲載台数はたったの1台。
ベルトーネ好きなら必見だし、今後はボルボとベルトーネの歴史を語るうえで欠かせない1台として、価値が見いだされるのではないかとすら思う。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▼検索条件
ボルボ 780(初代)あわせて読みたい
- 【試乗】新型 マクラーレン 750Sスパイダー|街乗りすら心地よい! サーキット以外でもドライバーを飽きさせない“スーパーカーの新境地”的モデル!
- 【試乗】新型 日産 フェアレディZ NISMO|さらにハイレベルな走りを実現! 念入りなチューンで磨きをかけたGTスポーツ!
- 【名車への道】’01 ポルシェ 911 GT3(996型)
- 【スーパーカーにまつわる不思議を考える】カウンタックを生み出した、天才カーデザイナー「マルチェロ・ガンディーニ」の生き様とは!?
- マクラーレンが注目の流行発信地「みなとみらい」のKアリーナ横浜に新店舗オープン!
- 【試乗】新型 マクラーレン 750S|720Sの正常進化! 軽さと安定感に磨きをかけた750Sはマクラーレンの神髄を体験できる!!
- 【試乗】新型 ボルボ EX30|これは令和の“街の遊撃手”! 街中をキビキビ走るボルボ最小の電動SUV
- 【名車への道】’47 アルファ ロメオ 6C 2500 スポーツ フレッチャー ドーロ
- トヨタ GR86の中古車価格が1年で約30万円下落! 新車よりお得な「買いの条件」とは? 人気国産スポーツカーのオススメを解説
- 日産 フェアレディZ(Z34型)の中古車価格が1年で30万円ダウン!人気の国産スポーツカー、今オススメの買い方・選び方は?