【試乗】 新型 アルピナ XD3|アルピナ流ファインチューンが施されたファインプレーモデル!
カテゴリー: BMWアルピナの試乗レポート
2022/11/11
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/01.jpg)
車体の密度の高さによって一体的に動くアルピナらしいSUV
SUVがサルーン&ステーションワゴンにとって代わって “乗用車の基本スタイル”となって久しい。もちろん背景にはいろんな要因が考えられるが、中でも重要な理由として背の高いSUVでも乗り心地のよい安定した走り=セダンに負けない性能を発揮するようになったことを挙げたい。そういう意味で、初代BMW X5の功績は大きかった。
以来、今では“駆けぬける歓び”ももっぱらSUVスタイルが主流となり、BMW Mまでがサーキットで駆っても楽しめるSUVを出し始めた。そのように時代のSUV化が進む中でも、沈黙を守り続けたのがアルピナだった。
彼らはリムジンベースの快速モデルにこだわり続けたのだ。それが創業者ブルカルト・ボーフェンジーペンのこだわりでもあったという。BMWの主力SUVがアメリカ工場で生産されるという事情もあった。
そんな方針が転換されたのは、BMW AGでエンジニアとして活躍しアルピナへと戻ってきた創始者の息子、アンドレアス・ボーフェンジーペンが後継となってからのことだ。彼はSUVのアルピナ化を積極的に取り組んだ。そして、アルピナ初のSUVとして登場したモデルがこのXD3(とXD4)というわけだ(その後にXB7も登場した)。
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/02.jpg)
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/03.jpg)
ベースモデルとなったのはX3のM40dである。アルピナの流儀にのっとって直6ディーゼルエンジンの最高出力と最大トルクはともにわずかながらも引き上げられており、アルピナ・スイッチトロニック付きの8ATを組み合わせている。
ディーゼルエンジンを搭載したSUVであるため、ガソリンエンジンを積んだリムジンモデル(例えばB3)ほど驚くような感動の乗り味というわけにはいかない。けれども、スタンダードモデルより上質なドライブフィールであることは断言できる。走りのリファインは誰もが確実に感じられるレベルにあった。
ファインチューニングレベルのパワートレインも、実感値としてはもう少し性能アップしているように思える。2000回転以下から右足の裏に張り付いて押し返す力強さを感じ、その塊にいつまでも押され続けるかのようだ。実に頼もしい。日本の常用速度域においては何一つ不自由することなく、右足の軽いタッチのみでカバーする。街乗りから長距離ドライブまで、非常にラクだ。
そのうえ、アルピナの真骨頂というべき足が良い仕事をしてくれる。前述したように、驚くほどまろやかとまでは言えない。サルーンとは違ってホイールの大きさを感知する場面もあったからだ。
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/04.jpg)
それでも全般的には乗り心地がよくなっており、車体の密度が高まって一体的に動くというアルピナらしい実感があった。X3というと、それこそ今や初代X5くらいのサイズ感があるわけだが、XD3は無闇に大きく感じさせないよう足がしつけられている。ワインディングロードに持ち込んでも思いのままのハンドリング能力を見せ、スポーツカーのように楽しめた。
安定した姿勢で胸のすく加速を楽しむ。エグゾーストノートは中で聴いている限りディーゼルエンジンのそれとは思えない響きだ。また、低回転域での静かさも特筆していい。ディーゼルエンジンの可能性をまだまだ実感させてくれるアルピナの“ファインプレー”であった。
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/05.jpg)
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/06.jpg)
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/07.jpg)
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/08.jpg)
![アルピナ XD3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/09.jpg)
▼検索条件
アルピナ XD3(現行型)× 全国![](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_65298/JUN__NSX2.jpg)
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
ベースモデルとなるBMW X3(3代目)の中古車市場は?
![BMW X3](http://www.carsensor.net/contents/article_images/_67042/10.jpg)
オンロードでもBMWらしい軽快な走りが味わえるミドルクラスSUV。2017年に現行型となる3世代目へと進化している。2021年に行われたマイナーチェンジでは、フロントマスクを中心にエクステリアを変更。最新の予防安全・運転支援システムやコネクテッド機能が搭載されているのがポイントだ。
現行型の中古車は約70台が流通しており、マイナーチェンジ後のモデルも30台以上見つけられる。BMW Mが手がけたスポーティなディーゼルモデルM40dも数台ながら流通している。
▼検索条件
BMW X3(3代目)× 全国【関連リンク】
あわせて読みたい
【試乗】新型 ポルシェ 911 ダカール|オフロードではカイエンより速い! 2500台限定の“背の高い911”
【試乗】新型 メルセデス・ベンツ CLEクーペ|走りも乗り心地も過不足なし。伝統を継承するシンプルかつ流麗なクーペ!
乗りたい車は乗れるうちに! 乗り替えに対する意識が全世代で変化中【中古車購入実態調査】
ランドクルーザー70の「新車がない!」「中古車は高い!」に絶望したあなたに贈る「代わりにコレどうですか?」5選
【海外試乗】新型 アストンマーティン ヴァンテージ|とことん走りに没頭できる、全方位で進化を果たしたFRリアルスポーツ!
ランドクルーザー250の「納車約2年待ち」「新車価格700万円以上」に絶望した人に贈る「代わりに半額でコレ、どうですか?」5選
【海外試乗】新型 ポルシェ マカン|電動化しても走りは“ポルシェ”!? 重さを感じさせない軽快なハンドリングが魅力だ!
メルセデス・ベンツのSUV一覧10選|最新型から中古車まで、人気ランキングや価格を解説【2024年】
【名車への道】’61 ジャガー XK150 “ル・マン”を制した性能と耐久性に優れるエンジンを搭載!!
「ジムニーは燃費悪い」って本当? 実燃費検証から新型&旧型、シエラ、ライバル比較まで解説!