「きっと、あなたのココロが走り出す。」“Your heart will race.”そんなテーマをもつ東京モーターショー2015の見どころとして各メーカーのコンセプトカーたちは外せない。コンセプトカーは今すぐには手に入らないけれど、今買える車たちだって、その時代時代の人々が考えた素敵な未来を具現化するために生まれてきたのだ。今回は最新のコンセプトカーがもつテーマに通ずる「今、手に入る車たち」をセレクトした。

▲スピード感や力強さ、プレミアム感といった要素をあえて排除し、創造性を発揮できるようデザインされたエクステリア ▲スピード感や力強さ、プレミアム感といった要素をあえて排除し、創造性を発揮できるようデザインされたエクステリア

デジタルネイティブ世代に向けた、シンプルな入門機

スマホで撮った写真や「今なにしてる?」を友人や家族と気軽に、スピーディにシェアする現代の若い世代。物心ついたときにはすでにインターネットがあった「デジタルネイティブ世代」をターゲットにデザインされたのが、「日産 TEATRO for DAYZ」です。外観や内装は極力シンプルにし、乗り手の創造性を存分に発揮してもらい、それをシェアしてもらうのがコンセプト。

車名になっているイタリア語の「TEATRO」は、英語で「Theater(劇場、映画館)」を意味します。インテリアはシートもトリムもインパネもすべて真っ白で、メーターやコンソールすらありません。エアコンやオーディオなどの操作は画面表示で、白いキャンバスに見立てたインテリアに投影されるのです。内装の演出を仲間とシェアしたりすることも自在です。

▲インテリアは真っ白! シートやトリムなど全体が映像を投影するモニターになる仕掛けです ▲インテリアは真っ白! シートやトリムなど全体が映像を投影するモニターになる仕掛けです

商用ワンボックス人気に相通じる部分も……

装備をできるだけシンプルにすることで、乗り手が自由なアレンジを楽しめる……。それがヒットの理由になり得ることは、昨今の商用ワンボックス・ブームで実証されていますよね。基本設計はビジネス・ユースを前提にした生粋の仕事車。それを真っ白なキャンバスに見立て、自分のライフスタイルに似合った仕様にアレンジすることで唯一無二の1台になる……。そんな自由度こそ、ハイエースやキャラバンが若者にヒットした理由でしょう。「TEATRO for DAYZ」はさらに一歩進み、ITを使って仲間とのコミュニケーションを円滑にしようと提案しているところに新しさを感じます。

▲“箱”のようにシンプルなキャビンを自由にカスタマイズすることで、プライベートカーにするのが現代流です ▲“箱”のようにシンプルなキャビンを自由にカスタマイズすることで、プライベートカーにするのが現代流です
▲ハイエースとともにキャラバンもキャンパー仕様などのベース車として人気です ▲ハイエースとともにキャラバンもキャンパー仕様などのベース車として人気です
text/田端邦彦 photo/日産、にくそん