▲扱いやすいサイズとしゃれた内外装デザインが魅力のコンパクトSUV「アウディ Q2」ですが、これまでは新車価格も中古車価格も高めなのがネックでした。しかしこの2年間で中古車の平均価格が50万円下がり、やっと「今ならイケるかも?」という状況に。で、もしも買うなら何年式のどのグレードがちょうどいいのでしょうか? いろいろと調査してみましょう! ▲扱いやすいサイズとしゃれた内外装デザインが魅力のコンパクトSUV「アウディ Q2」ですが、これまでは新車価格も中古車価格も高めなのがネックでした。しかし、この2年間で中古車の平均価格が50万円下がり、やっと「今ならイケるかも?」という状況に。で、もしも買うなら何年式のどのグレードがちょうどいいのでしょうか? いろいろと調査してみましょう!

やっと、総額200万円台でも低走行物件が狙える時代に

2017年6月に発売されたアウディの個性的なコンパクトSUV「Q2」の平均価格が、ここ2年間で50万円以上落ちています。

アウディ Q2が素敵なSUVではあることは間違いないのですが、これまでは「でもアウディの一番ちっちゃいSUVに(新車の場合)総額400万円以上出すのはちょっとなあ……」という心理的なボトルネックが付きまとう車でした。

しかし、中古車の平均価格が50万円以上下がって「総額200万円台でも低走行物件が買える!」という状況になったからには、話はぜんぜん変わってきます。

ということで、これを機会にアウディ Q2の「2022年的選び方」を徹底研究したいと思います。
 

アウディ Q2

立体駐車場に収まるサイズのヨーロピアンSUV

まずはアウディ Q2という車についての簡単なおさらいを済ませておきましょう。

Q2は、アウディの「Qファミリー」と呼ばれるSUVの中では最小サイズのSUVとして、日本では2017年6月に発売されました。

ボディサイズは一般的な立体駐車場に入る全長4200mm×全幅1795mm×全高1530mmで、アウディの中ではコンパクトではあるのですが、絶妙に角張ったボディの造形により「存在感」は普通にあるデザインとなっています。

インテリアは当然ながらアウディ風味全開のしゃれたものであり、そして最近の車ですから、いわゆる自動ブレーキやアダプティブ・クルーズ・コントロールは、ベースグレードを除いて標準装備です。
 

▲角張ったボディ形状とすることで、コンパクトでありながらなかなか存在感を放つアウディ Q2▲角張ったボディ形状とすることで、コンパクトでありながらなかなかの存在感を放つアウディ Q2
▲サイドビューはこんな感じ。Cピラーに配されたボディカラーとは別色の“ブレード”が、エクステリアデザインの効果的なアクセントになっている▲サイドビューはこんな感じ。Cピラーに配されたボディカラーとは別色の“ブレード”が、エクステリアデザインの効果的なアクセントになっている
▲写真は、日本仕様の「Sラインパッケージ」に近い本国仕様の運転席まわり。Sラインパッケージが装着されていない車両では、ステアリングホイールは写真の形状ではなく普通の円形になる▲写真は、日本仕様の「Sラインパッケージ」に近い本国仕様の運転席まわり。Sラインパッケージが装着されていない車両では、ステアリングホイールは写真の形状ではなく普通の円形になる
 

グレードラインナップは、モデルライフの途中で車名が変わったために少しややこしく感じられますが、実際は非常にシンプルな構成です。下記をご参照ください。

【前期型(2017年6月~2018年9月)】
1.0 TFSI|116psの1L直3ターボエンジンを積むベースグレード
1.0 TFSIスポーツ|上記と同エンジンの、装備が充実したメイングレード
1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ|150psの1.4L直3ターボエンジンを積む上級グレード

【中期型(2018年9月~2021年2月)】
30 TFSI|ベースグレード「1.0 TFSI」の車名が変わったもの
30 TFSIスポーツ|「1.0 TFSIスポーツ」の車名が変わったもの
35 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ|「1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ」の車名が変わったもの
35 TDIスポーツ|2020年11月に追加された、ディーゼルターボエンジン搭載グレード

【後期型(2021年2月~)】
35 TFSIアドバンスト|内外装を変更し、エンジンも150psの1.5L直4ターボに変更された世代
35 TFSI Sライン|上記の装備を充実させたグレード
 

「ニーズ別」のベストバイを検討してみる!

さて、そんなアウディ Q2のベストバイを検討したいわけですが、前章でご紹介した前期型から後期型までの主要グレード紹介は、実はあまり意味がありません。

なぜならば、いちおうご紹介した後期型(2021年2月~)の中古車はまだほとんど流通しておらず、途中追加されたディーゼルモデルも超希少。さらに言えば、流通の大半は1Lの直3ターボエンジン搭載グレードで、1.4L直3ターボ搭載グレードの数も、実はかなり少ないからです。

……という身もふたもない事実を踏まえたうえで、Q2の「ニーズ別ベストバイ」を検討してみましょう。
 

▼検索条件

アウディ Q2(現行型)×全国
▲ちなみにこちらが2021年2月以降の後期型。フロントまわりのデザインがちょっと変更されてカッコいい感じになっているが、2021年12月上旬現在、その中古車はまだほとんど流通しておらず▲ちなみにこちらが2021年2月以降の後期型。フロントまわりのデザインがちょっと変更されてカッコいい感じになっているが、2021年12月上旬現在、その中古車はまだほとんど流通しておらず

ニーズ1「なるべく手頃な予算でアウディ Q2を買いたい」
→2017~2018年式の1.0 TFSIスポーツ×車両本体価格280万円以下

▲最高出力116psの1L直3ターボエンジンを搭載する1.0 TFSIスポーツ▲最高出力116psの1L直3ターボエンジンを搭載する1.0 TFSIスポーツ

2021年12月上旬現在、アウディ Q2の最高値物件は支払総額459.8万円の2020年式ですが、そこまで出さずとも、なかなかいい感じのQ2を探すことはできます。

具体的には車両本体価格240万~280万円付近のゾーンで、つまり新車の国産小型SUVを買うのとおおむね似たような予算で、走行2万km台の「1.0 TFSIスポーツ」が楽勝で見つかるのです。ちなみに動力性能は1Lターボでも十分であり、普通に使う分には何ら不足はありません。

さらにお安いベースグレード「1.0 TFSI」もあるにはありますが、装備レベルが今ひとつですし、そもそもベースグレードは流通量もきわめて少ないため、ここは普通に「スポーツ」の方を探すのが得策です。

なお、1.0 TFSIスポーツにはアダプティブクルーズコントロールやリアビューカメラなどは標準装備されていますが、「アシスタンスパッケージ」と表記されている物件であれば、さらに高度な運転支援システムが付いていますので、よりオススメということになります。

▼検索条件

アウディ Q2(現行型)×1.0 TFSIスポーツ ×車両本体価格240万~280万円 ×2017~2018年 ×全国
▲アダプティブクルーズコントロールは1.0 TFSIスポーツに標準装備だが、「アシスタンスパッケージ」付きの中古車であれば、渋滞時の追従機能を持つ「トラフィックジャムアシスト」等々も付く▲アダプティブクルーズコントロールは1.0 TFSIスポーツに標準装備だが、「アシスタンスパッケージ」付きの中古車であれば、渋滞時の追従機能をもつ「トラフィックジャムアシスト」等々も付く

ニーズ2「なるべくキレイな状態のアウディ Q2を買いたい」
→2018~2020年式の30 TFSIスポーツ×車両本体価格270万~330万円

▲1L直3ターボの1.0 TFSIスポーツは、2018年9月から「30 TFSIスポーツ」という車名に▲1L直3ターボの1.0 TFSIスポーツは、2018年9月から「30 TFSIスポーツ」という車名に

2018年9月に1.0 TFSIスポーツから「30 TFSIスポーツ」に車名が変わりましたが、中身はほとんど同じですので、個人的には、わざわざ30 TFSIスポーツにこだわる必要はないと考えます。しかし、車名が変わった30 TFSIスポーツは年式が新しい分だけ、内装コンディションなどが良い物件の比率は高いでしょう。

そのため、注目相場は270万~330万円と少しだけ高くなりますが、多少のお金を追加してでもコンディションがより良い1台を手に入れたい人は、30 TFSIスポーツに注目してみてください。
 

▼検索条件

アウディ Q2(現行型)×30 TFSIスポーツ ×車両本体価格270万~330万円 ×2018~2020年 ×全国

ニーズ3「できるだけ動力性能に余裕のあるQ2が買いたい」
→2017~2018年式の1.4 TFSI シリンダーオンデマンド スポーツ×車両本体価格350万円以下

▲負荷が低いときに第2、第3シリンダーを休止して燃費を向上させるシリンダーオンデマンド機能付きの1.4L直3ターボエンジンを搭載する「1.4 TFSIスポーツ シリンダーオンデマンド」または「35 TFSIスポーツ シリンダーオンデマンド」▲負荷が低いときに第2、第3シリンダーを休止して燃費を向上させるシリンダーオンデマンド機能付きの1.4L直3ターボエンジンを搭載する「1.4 TFSIスポーツ シリンダーオンデマンド」または「35 TFSIスポーツ シリンダーオンデマンド」

繰り返してきたとおり、1Lの直3ターボエンジンでも、普通に使う分には何ら不足はありません。しかし同時に、非常に出来の良い1.4L直3ターボエンジンはパワーとトルクにより余裕があるため、より気持ちの良い走りが可能であることも間違いありません。

筆者の個人的な意見としては「でも1Lターボで十分では?」と思うのですが、「いやいや、自分は長距離を走ることも多いので、エンジンにはより余裕がある方がいいのだ!」的に考える人もいるでしょう。

その場合は、1.4Lターボエンジンを積む1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ(前期型)または35 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ(車名が変わった中期型)がオススメとなります。

流通台数が少なめなのがネックですが、前期型であれば車両本体価格250万円ぐらい、中期型は350万円付近で見つかるはずです。中期型はけっこう高いので、狙うなら前期型ということになるでしょうか。
 

▼検索条件

アウディ Q2(現行型)×1.4 TFSI シリンダーオンデマンド スポーツ ×35 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ ×車両本体価格350万円以下 ×全国
▲3気筒の1Lまたは1.4Lというと「非力なのでは?」と思うかもしれないが、実際はまったく心配なし。特に1.4Lターボのほうは「十分以上に速い!」とすら感じられるパフォーマンスを披露してくれる▲3気筒の1Lまたは1.4Lというと「非力なのでは?」と思うかもしれないが、実際はまったく心配なし。特に1.4Lターボの方は「十分以上に速い!」とすら感じられるパフォーマンスを披露してくれる

以上がアウディ Q2の「2022年的選び方」となるわけですが、いずれにせよアウディ Q2は、アウディのQファミリーの中では最小モデルではあるものの、あまりヒエラルキーを感じることがない、不思議な個性をもったSUVです。

コンパクトで上質なFFのSUVを探している人には――妙に高い新車はさておき――お安くなってきたQ2の中古車は大いにオススメですので、ぜひこの機会にちょこっと検討してみてください!
 

▼検索条件

アウディ Q2(現行型)×全国
文/伊達軍曹 写真/アウディ

※記事内の情報は2021年12月7日時点のものです。
 

伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。