スズキ ハスラー(初代)▲内が広いハイト軽ワゴンにSUVテイストを掛け合わせて開発された初代(旧型)ハスラー。同社のジムニーなど、ゴリゴリのSUV“じゃない”軽自動車を求める人々に刺さり、ヒットした

軽SUVで人気のハスラーは、現行型と旧型の見た目がそっくり!?

人気の軽SUVの中でも、一番人気なのが現行型スズキ ハスラー。2022年1~6月の新車販売台数では全体の8位、軽SUVではダイハツ タフトやスズキ ジムニーを抑えて堂々1位だ。

そして、そのような現行型に見た目がそっくりな旧型ハスラー。街中で見かけたときに、すぐには新旧どちらか判断できないという人もたくさんいるはずだ。

ハスラー(初代)▲写真は2代目となる現行型ハスラー。かわいらしい丸目のヘッドライトなど初代から踏襲されている部分も多いが、より角張ったボディになり、リアドアの後ろにも窓(開けられない窓)が備わったことが見た目での大きな違い

それくらい見た目がよく似ている新旧ハスラーだが、中古車価格は当然異なる。

現行型の平均価格が約150万円なのに対し、旧型は約100万円。当然年式の違いも価格に影響しているが、その差は約50万円ととても大きい。

こんなにも見た目がそっくりなのにここまで価格に大きな差があると、「こんなに安くて見た目もそっくりなら、正直初代でも良くないか?」と感じる人もいるのでは?

ということで今回は、改めて新旧ハスラーの違いをチェックし、どんな人なら旧型でも満足することができそうか(逆に現行型を買った方が良いのはどんな人か)考えてみよう。

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新旧の大きな違いは「走行性能」と「安全性能」

まず結論から述べると、高速道路をバンバン走って遊びに出かけたいような人は現行型を、メインカーが他にあり、街乗り中心で見た目がいいからハスラーが欲しいという人なら旧型をオススメする。

その理由について、現行型と旧型の大きな違いである「走行性能」と「安全性能」から考えてみよう。

■大きな違い1:走行性能

現行型で大きく進化したのは、やはり「走行性能」だ。

新型ではプラットフォームと呼ばれる車の土台が、新世代のものに変わったことで大きく走行性能がアップしている。

これにより乗り心地や乗ったときのしっかり感、ハンドル操作に対するスムーズな車の動きがそれぞれ向上している。

また、ターボ車には全車速追従機能付きACCが装備された。これは高速道路で先行車と一定の距離を保ちながら自動で走ってくれる機能で、遠くへ遊びに出かけるときなどに便利だ。

一方で、新開発されたエンジンやCVTが搭載されにも関わらず、燃費の数値自体は実は旧型のS-エネチャージ搭載車の方が上になる。

旧型のS-エネチャージを備えたターボ車は27.8km/L、ノンターボ車は32.0km/L。それに対して新型ターボ車は26.6km/L、ノンターボ車は30.4km/L(数値はいずれも2WD・CVTのJC08モード燃費)。

これは新型ではいたずらにカタログ燃費を求めるのではなく、実際の燃費向上に重きを置いたためと思われるが、つまり燃費性能においては新旧ほとんど変わらないということだ。

ちなみに、S-エネチャージとは発進時や加速時に小型モーターがサポートすることで燃費を向上させるシステムのこと。新型では代わりにマイルドハイブリッドが搭載されているが、基本的にはS-エネチャージと同じ仕組みだ。

ハスラー(初代)▲さすがに新型にはかなわないが、走行性能は旧型もなかなかのもの。また、燃費面においてはほとんど遜色がないと言える

■大きな違い2:安全性能

もうひとつの大きな違いは安全性能だ。これは近年急速に進化している技術のため、新型が有利であるのは仕方ない。

旧型では、レーダーを使った衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能が一部グレード(「A」を除くCVT車)に搭載されている。

それに対して新型ではステレオカメラ+レーダー方式を採用した、より精度の高い衝突被害軽減ブレーキを搭載。

また、先述したターボ車の全車速追従機能付きACCも、ステレオカメラとレーダーからの情報が得られるからこそ可能な機能だ。

その他、旧型にない機能としてはハイ/ロービーム自動切替機能や標識認識機能がある。

ただし、旧型でもステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキを搭載するモデルが次々追加されていった(詳しくは下記を参照)。

このように、見た目は似ていても、新旧で「走行性能」と「安全性能」に大きな違いがある。

それを踏まえてまとめると、「メインカーとして高速道路を使ってバンバン遠出するような人」であれば、乗り心地もよく、特に全車速追従機能付きACCが備わる新型の特にターボ車がオススメだ。また、「安全性能にどうしてもこだわりたい人」も、当然新型の方が向いている。


一方で、「遠出するようなメインカーは他にあり、普段の買い物や子供の送り迎えなど近場での使用がメインの人」なら、50万円安い旧型でも十分満足できる可能性が高い。

Sエネチャージ搭載車なら燃費も期待できるし、安全性能も、新型よりは精度が劣るとはいえ、衝突被害軽減ブレーキが装備されていグレードもラインナップされている。

また、旧型でもより精度の高い安全性能を求めるなら、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキを搭載するモデルを狙うといった選択肢もある。

以上、新型と旧型で大きく異なる点を解説した。その違いを理解したうえで、「旧型が良い!」と思う人は、引き続き、旧型のモデル概要と中古車状況を参考にしてほしい。

旧型のモデル概要と中古車の状況は?

ハスラー(初代)▲岩や段差を乗り越えやすいよう、最低地上高(路面とボディの間の高さ)は180mmと通常の軽自動車より高く取られている。暗くなると自動でライトが点灯するオートライト機能はG/Gターボ/X/Xターボに標準装備

2014年1月から販売された旧型ハスラー。ハイト軽ワゴンの利便性に加え、SUVテイストの見た目からヒットした。

搭載されたエンジンは660ccのターボとノンターボで、トランスミッションはCVTの他、ノンターボには5速MTも設定。駆動方式は2WDと4WDがあった。

アウトドアニーズに応えるため、ラゲージ床面は汚れを拭き取りやすい素材が用いられている。また、グレード「A」を除く全車に、ラゲージに電源として活用できるアクセサリーソケットが備えられた。

さらに4WD車は、滑りやすい急な下り坂で、ブレーキ操作なしでも約7kmという一定速度で降板できる「ヒルディセントコントロール」と、滑りやすい路面でスムーズに発進できる「グリップコントロール」が軽自動車で初めて搭載された(Aを除く4WDのCVT車)。

このように、乗り心地や安全性能は新型に劣るとはいえ、今でも遊びに十分使える1台だと言える。

ハスラー(初代)▲左右のインパネをパイプでつないだような、ポップなデザインのインテリア。インパネ色はオレンジとホワイトがボディ色ごとに設定されていた。オートエアコンは標準装備(Aを除く)。Aの2WDを除くCVT車には、運転席シートヒーターやヒーテッドドアミラーが備わる
ハスラー(初代)▲CVT車の前席は写真のようなベンチシート。シートのパイピング色は4色あり、ボディカラーごとに異なる。助手席の背もたれ前方向に畳んでテーブルとしても活用できる。後席は左右独立スライド機能が備わる
ハスラー(初代)▲ラゲージ床は撥水素材が用いられ、濡れた物や汚れた物を載せた後でもサッと拭くことができる。後席背もたれは荷物に合わせて左右別々に倒すことが可能。助手席背もたれも倒すとスノーボードなど長尺物も搭載できる

原稿執筆時点でのカーセンサー掲載台数は人気モデルだったこともあり約2800台と豊富。ノンターボとターボの割合は約8:2でノンターボが多く、2WDと4WDの割合は約8:2で2WDが多い。

平均走行距離は約5.3万kmと、まだまだ乗り続けられるコンディションの中古車が多いようだ。

平均価格は前述のとおり約100万円で、初期型の物件なら支払総額約50万円から狙うことができる。

なお、燃費を向上させてくれる機能「S-エネチャージ」は、ノンターボ車が2015年5月から、ターボ車は2015年12月から搭載された。燃費性能を求めるなら搭載されいているモデルがオススメだ。

S-エネチャージ搭載車も約1600台あり選びやすく、走行距離5万km以下・修復歴なしで絞っても支払総額約80万円から見つけることができる。

なお、モデルの途中で何度か改良が施された初代ハスラーだが、下記モデルにはステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキが搭載されている。

・2015年12月以降の最上級グレードのXとXターボ
・2018年11月以降のGとGターボ
・特別仕様車のJスタイルII、JスタイルIIターボ、JスタイルIII、JスタイルIIIターボ、FリミテッドII、タフワイルド、ワンダラー(他にオプションで用意されていたFリミテッドもある)。

これらを合わせると700台近くあるので、安全性能が気になる人は積極的に狙ってみてはどうだろう。走行距離5万km未満・修復歴なしで支払総額約100万円からといったところだ。

現行型モデルよりもかなり安く狙うことができるため、初代と現行型の違いを理解したうえでなお、この50万円安く買える初代に魅力を感じた人は、ぜひ一度チェックしてみることをオススメする。

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文/ぴえいる、写真/スズキ、尾形和美

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。