現行型BMW 3シリーズがこの1年で40万円ぐらい値落ちしているが、それって買っちゃってOKなんだろうか?
2022/07/21
▲新車で買うとなるとけっこうな総額になる現行型BMW 3シリーズ。だが、この1年ほどで中古車の平均価格は約40万円ほど下がっています。それって要するに「買い時!」ということなのか、それとも「何らかの問題があるから安くなった」ということなのでしょうか? もろもろ確認してみましょう!「過去最安値」を記録した現行型BMW 3シリーズの中古車だが……?
程よいサイズのプレミアムセダンの中では「世界的な超人気モデル」「世界的な大定番」と称してもまったく過言ではないBMW 3シリーズ。その現行モデルの中古車平均価格が今、けっこう大きく下がっています。
下のグラフをご覧ください。

昨年8月には486.0万円となかなかの平均価格だった現行型3シリーズ(型式名G20)ですが、直近の2022年6月には448.9万円に。この1年弱で40万円近く下落し、なおかつ「過去最安値を記録した」というのが、ここ最近の現行型BMW 3シリーズなのです。
そうなると「今こそ買いのタイミングか?」と思うわけですが、様々な年式、様々なグレード、そして様々な価格の中古車が多数流通している中で“どれ”を選ぶべきなのか……というのは少々ややこしい問題かもしれません。
また中古車の平均価格が大きく下がったということは「……何か問題があったからこそ安くなったのか?」と考えることもできます。
そんなこんなの状況の中で「どの現行型3シリーズを狙うべきなのか?」ということと、「いや、そもそも現行型3シリーズの中古車は買っても大丈夫なのか?」という主に2点について、もろもろ検討してみることにしましょう。

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BMW 3シリーズ(現行型)×全国走りの本質は踏襲しつつハイテクによる“武装”も行った現行世代
まずはG20こと現行型BMW 3シリーズという車の概要をざっとおさらいしておきます。
BMW 3シリーズは、ドイツのBMW社が1970年代から作り続けている同社の中核モデル。現行型である「G20」はその7代目で、日本では2019年3月に発売されました。
ボディサイズは先代より全長が70mm、全幅が25mmそれぞれアップし、全長4715mm×全幅1825mm×全高1440mmに。BMWを象徴するキドニーグリルは従来の2分割型から、ひとつのフレームで縁取られるデザインに変更され、4灯式ヘッドライトも下部に設けられた切り欠きがアクセントとなって、さらに精悍な印象に変わっています。
コックピットのデザインも一新され、タッチ操作に対応した10.25インチのコントロールディスプレイと、12.3インチのデジタルメーターパネルを全車に標準装備。音声によって車両の操作や情報へのアクセスが可能となる「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」も、BMWとしては初めて導入されました。
▲こちらがG20こと現行型BMW 3シリーズ。先代であるF20と似ているといえば似ているが、F20以上に大ぶりとなったサイズ感を含め、比べてみるとやはり印象は先代と大きく異なる
▲10.25インチのコントロールディスプレイと12.3インチのフルデジタルメーターパネルからなる「BMW Operating System 7.0」が特徴的なインパネまわり。表示はカスタマイズ可能で、音声やジェスチャーコントロールでも操作可能だ。写真は左ハンドルの本国仕様運転支援システムを支えるカメラには3眼タイプを初導入し、これに高性能プロセッサーやレーダーを加えた高度な運転支援システムは、初期の受注生産グレード「320i SE」を除く全車に標準装着されています。また2019年7月生産分からは、高速道路での渋滞時に手放し運転が可能になる「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」が全車に標準装備されています。
発売当初のエンジンはチューニングの異なる2種類の2L直4ガソリンターボで、「320i」には最高出力184ps、「330i」には同258psのそれを搭載。2019年5月には2L直4ディーゼルターボと、最高出力387psの強力な直6ガソリンターボが追加され、またこのタイミングでプラグインハイブリッド車も追加されました。
そして2020年8月にはそれまでのベーシックグレードだった320i SE(※受注生産)に代わって、最高出力を156psに抑えた2L直4ガソリンターボエンジンを搭載する「318i」を追加した――というのが、G20型BMW 3シリーズの大まかなヒストリーです。
▲2L直列4気筒ターボエンジンは3種類のチューニングを設定。最量販グレードである320i系に搭載される仕様は最高出力184psと最大トルク300N・mを発生。トランスミッションは全車で8速ATが組み合わされる平均価格が大きく下がったことに「ネガティブな理由」は特にない
そして「この1年弱で40万円近くも平均価格が下がったということは、車に何か問題があるのでは……?」という疑問というか不安についてですが、これはもう「問題があるから相場が下がったわけではない」と断定していいでしょう。
もちろん現行型BMW 3シリーズは最新世代の車ですから、コンピュータやセンサー類の故障などが起きているケースも一部にはあるようです。しかしそういったトラブルはほとんどの新型車でしばしば起きることなので、今回の平均価格下落とさほどの因果関係はありません。
G20型BMW 3シリーズの平均価格が2022年3月あたりからやや大きく下がり始めた理由は、単純に「デビュー直後に納車された個体が、ちょうどそのあたりから初回車検の時期を迎え始め、それを機に手放す人が増えたから=流通量が増えたから」だと考えられます。
▲1台の車に5年、7年、あるいは10年乗る人もいるが、最近は「とりあえず3年(最初の車検まで)は乗るけど、その時点で別の新車に乗り替えたい」と考える人が多いG20型BMW 3シリーズの中古車流通量は2021年の秋頃から微妙に増え始め、発売からちょうど丸3年が経過した2022年3月に、明確な増加傾向に転じました。
このときの増加分のすべてが「初回車検を迎えたから」という理由で手放された個体ではないでしょうが、ここまで車検タイミングと流通量増加のタイミングがシンクロしているのであれば、平均価格下落の主な原因は「初回車検を迎えたことで、他の車に買い替えた人が多かったから」であると判断するのが合理的です。
また、BMW 3シリーズに限らずこのあたりの比較的高額な輸入車は「新車価格は高いけど、最初の3年間でけっこう大きく値落ちする(そしてその後はじわじわ値落ちする)」というのが定番のパターンですので、G20型BMW 3シリーズも、そのパターンをなぞっているにすぎないという見方もできます。
いずれにせよ「この1年弱で平均価格が大きく下がった!」というのは、何かしらネガティブな要因によるものではなく「単なる自然現象のようなもの」と考えられます。
そのため、もしもこれから現行型3シリーズの中古車を探すのであれば――もちろん基本的な「中古車チェックのお作法」を遵守する必要はありますが――過剰に神経質になる必要はないと言っていいでしょう。
そうであるならば安心して次章以降、「では具体的にどんな現行型3シリーズを狙うべきなのか?」ということを、ニーズ別に考えてみます。
ニーズ1|なるべくお安く現行型3シリーズを入手したい!
→オススメは2019年式320iまたは320i Mスポーツ
現行型BMW 3シリーズには強力な直6ガソリンターボやトルクフルな直4ディーゼルターボエンジンを搭載するグレードもありますが、今のところ一番お安い「総額300万円台半ばぐらい」で狙えるのは、最高出力184psの直4ガソリンターボを搭載する320i系のみです。
鬼のように速いグレードではありませんが、普通に使う分には十分以上に快速であり、装備も普通に充実していますので、最初期年式の320i系であっても何ら問題はないはずです。
受注生産だった最廉価グレード「320i SE」はさすがに1台も流通していませんが(まったく人気がなかったようです)、標準モデルである「320i」と、そこに専用エクステリアとMスポーツ・サスペンション、バリアブル・スポーツ・ステアリング、18インチのMライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング790M等々を加えた「320i Mスポーツ」は、総額350万円前後で走行1万km台から4万km台の物件を見つけることができます。
▲こちらがBMW 320i Mスポーツ(の本国仕様)同じ320iでも「スタンダード」にするか「Mスポーツ」にするかは難しい問題です。内外装のビジュアルはMスポーツの方が圧倒的にカッコいいと思われますが、Mスポーツ・サスペンションは「かなり硬い!」と感じる人もいます。そのため、もしも320i Mスポーツが欲しいと思った場合は、もしも可能であれば、事前に試乗してみることをオススメします。
総額300万円台半ば付近で狙える320i/320i Mスポーツには「コンフォートパッケージ」というパッケージオプションが装着されている物件が多く、これはオートマチック・トランク・リッド・オペレーション(オープン/クローズ)とストレージ・パッケージ(要は12Vの電源ソケット)、HiFiスピーカー・システム(205W 10スピーカー)がセットになったものです。
このコンフォートパッケージに加えて「ハイラインパッケージ」という、ヴァーネスカ・レザーシートを中心とするパッケージや、G20のデビューを記念した「デビュー・パッケージ(ブルーステッチ入りのヴァーネスカ・レザーシートや19インチのMライト・アロイ・ホイール等々がセットになったもの)」が付いている物件で、なおかつコンディションの良いものが見つかったなら、それはなかなかお値打ちであると言えるでしょう。
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BMW 3シリーズ(現行型・2019年式320i、320i Mスポーツ)×全国ニーズ2|一番の売れ筋である「ディーゼルターボの3シリーズ」が欲しい!
→オススメは2019年式320d xDriveまたは320d xDrive Mスポーツ
先代のBMW 3シリーズ(F30)でも国内販売の約半数はディーゼルターボエンジン搭載モデルだったようですが、現行G20型に搭載されるシーケンシャルツインターボになったB47型2L直4ディーゼルターボエンジンも素晴らしい出来栄えです。
低回転域からのレスポンスが素早く、そして普通はあまり回りたがらないはずのディーゼルエンジンであるにもかかわらず、リミッターが作動する5000rpmまで非常にシャープに吹け上がります。
そんなディーゼルターボエンジンを搭載する現行型3シリーズは、さすがに300万円台半ばの総額ではちょっと難しいのですが、「総額400万円ちょい」を見込めるのであれば、走行1万km台から4万km台の物件を多数見つけることが可能です。
▲トルクフルな2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載するBMW 320d xDrive Mスポーツ(※写真は英国仕様のため、グリルやヘッドライトのトリム部分など、細部は日本仕様と異なります)こちらも2L直4ガソリンターボの320iと同様に「Mスポーツ」と「普通のやつ」があるのですが、総額400万円ちょいで流通している320d xDriveはその多くがMスポーツで、ノーマルサスペンションを採用している「普通のやつ」はやや希少です。
このあたりをどう判断するかは微妙なところかもしれませんが、「総額400万円ちょいの320d xDrive系」は、「力強くて気持ちよくて、さらに経済的でもある」という車を求めている人には、大いにオススメできる選択肢です。
この他、総額450万円前後を見込めるのであれば、2L直4ながら258psをマークする「330i Mスポーツ」を選ぶこともできますし、強力な直6ターボがお好みなら「M340i xDrive」を(総額600万円以上になりますが)選ぶのも素敵でしょう。
また「より新しくて、より低走行な中古車であることが好ましい」という場合には、最高出力を156psに抑えた318i系の走行数千kmレベルの2021年式を、総額440万円前後で探すのがオススメとなります
▲中央部分の切り欠きが効果的なアクセントになっている。アダプティブLEDヘッドライトは全車標準装備▼検索条件
BMW 3シリーズ(現行型・ディーゼルターボモデル)×全国いずれにしましても現行型BMW 3シリーズは今、やや特殊なM340i xDriveを除けば「総額300万円台半ばから400万円台半ばまでという現実的な予算で、かなり“いいやつ”が探せる」という状況になっています。
輸入車から輸入車への乗り替えを考えている人も、また「初めてのドイツ車」をご検討中の方も、ぜひこの機会にご注目いただけましたならば幸いです。
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BMW 3シリーズ(現行型)×全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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