プロトタイプモデルを試乗してきた

ハイブリッドカーのシステム論や是非論はここでは言いたいけど、言わない。欲しい人がたくさんいそう。ならば、正直な感想だけまず述べておきましょう。

というわけで、新しいプリウスのプロトタイプ。まずはフツウに走っても相当に燃費が良さそう。富士スピードウェイの中をのんびり走っただけなので実用燃費がいかほどのものか想像するしかないのだけれど、ちょっと気をつけて走るだけで20km/L台後半は楽勝だし、ぞんざいに扱っても20km/Lは軽い。うまく走れば40km/Lも夢じゃないなんて、まあ凄いわね。それでいて、このサイズ、このユーティリティ、でしょう? その技術力と実現力の高さに、まずは脱帽です。

でっかくなったのが残念な気もしましたが、現行モデルも続けて売るらしいし、ミニバンに慣れた世代のダウンサイジングだと思えばぎりぎり許せる大きさだし、何よりハイブリッドカーだからって堂々と気持ちのいい存在感をもっているということは、市井の多くの人の気を引くことは間違いない。写真で見るよりも格好いい。

インテリアは、例えばレクサスRX同様に、少々ぶっ飛ばし気味。それでも新しい車に乗っているという気にさせる演出の一つと思えば理解できる。このあたりは好き嫌いの範疇で、使い勝手にそれほど影響はないから、ぜひ自分の目で実物を見て判断されたい。質感レベルは、ほどほど。決していいとは言えない。

もっとどんくさい走りを予想していたのだけれど、予想に反して、かなりいい感じのライドフィールだ。さりげない重厚感があって、街乗りをたらりたらりと走るのには適している。まさにそう乗って燃費を稼ぐ車だから、この味つけは正解かも。

そして、もっと驚いたのがミニサーキット。これがなかなかマトモに攻め込んで走れてしまう。プリウスでサーキットなど自己矛盾も甚だしいが、そうできるということを知っておくことはユーザーには大事。車としてマトモであるということは、ユーザーの自尊心を大いに満足させることだろう。

こんなによくできた車、しかもハイブリッドカーを200万円ちょいで売リ出す(らしい)トヨタ。恐ろしいメーカーです。

今回登場した車、メーカーたち

トヨタプリウス

ハイブリッドカーの金字塔的存在

ライバルの車たち

ホンダインサイト

環境に優しく低燃費で新車時価格も抑えて登場

ホンダシビックハイブリッド

中古車で狙えばかなりリーズナブルな高性能

ホンダインサイト(旧型)

コンセプトカーのまんま登場したかのデザイン

トヨタプリウス(旧型)

初期型モデルは至上初の量産ハイブリッドとして注目

ホンダシビックハイブリッド(旧型)

レアな車として今後価値が上がる可能性も秘めている

フォトコレクション

写真:ちょっとだけ大きくなった|試乗by西川淳

ちょっとだけ大きくなった

現行型より全長で15mm、全幅で20mmサイズアップしているが、そこまで大きくなった印象はなく、相変わらずコンパクト。なお全高やホイールベースに変化はない

写真:車内空間の広さを演出|試乗by西川淳

車内空間の広さを演出

ルーフの頂点が前席からボディ中央に移動している。これによって車内空間の広さを演出している。長身なドライバーが多い北米を意識した変更点か?

写真:オプションで選べるソーラーパネル|試乗by西川淳

オプションで選べるソーラーパネル

ルーフ上に設置されたソーラーパネルはオプションになる模様。炎天下での駐車中に、ソーラーパネルによって発電された電力で車内の温度を下げる。昔、マツダにもあった

写真:左右非対称なインスツルメントパネル|試乗by西川淳

左右非対称なインストルメントパネル

なんとなく近未来感を演出しながら、使いやすいインストルメントパネルに仕上がっている。センターコンソールのトンネル構造、棚のようなものが欲しかったのか?

写真:メーターパネルで燃費確認|試乗by西川淳

メーターパネルで燃費確認

エコ走行のグラフはメーターパネル内でチェックできる。インサイトがカラフルだったので、ちょっと寂しい気もする。今後はこのメーターパネルの改造が流行るのかも

Report / 西川 淳