トヨタ MR-S シーケンシャルマニュアルトランスミッションモデル 【プレイバック試乗記】
2009/04/22
※この記事はカーセンサー関東版37号(2000年10月5日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
自在な変速操作で、ダイレクトな変速感と操作性の醍醐味を味わう
↑全開加速時の変速ではプロドライバーに及ばないものの、ダウンシフトは抜群にうまい(左)ミッドシップならではのプロポーションだが、ディテールはちょっと子供っぽいか(右)
MR-Sに新設定されたシーケンシャル5MT(SMT)は、従来の5速MTのミッション機構自体はそのままに、クラッチペダルをなくし、さらに変速操作をシフトレバーを前後に押したり引いたりするシーケンシャルタイプとしたもの。要するにクラッチペダル操作なしに、さらにはヒール&トーといった煩わしい操作も不要で、プロ並みの素早いMT変速操作を自在に行えるシステムなのだ。シフトレバーはメッキ仕立ての球形。ブレーキペダルは通常のATとは違い横幅は広げられていないので、左足でのブレーキ操作には不向き。シーケンシャル操作は、手前に引けばアップシフト、押せばダウンシフトになっている。
通常の発進はスムーズだ。渋滞路のような状況で、のろのろとした発進、加速が頻繁に繰り返されるときには、多少ギクシャクした動きを伴うこともあるが、これは通常のMT車でもありがちなものだ。
通常のMTが不要と感じるほどの完成度を持つシーケンシャルMT
↑メッキ多用のシフト回りで、SMTを強調。インパネの質感はもう少しなんとかしたい(左)数値的には平凡だが、軽量なボディには十分な性能。ただし官能的なものではない(右)
シフトアップは通常の加速時には適度にゆっくりと行われ、全開加速のときには不満のない程度に素早く行われる。全開時ばかりはプロドライバーにはかなわないように思えたが、ダウンシフトは抜群にうまい。短時間でエンジン回転を合わせて見事にシフトダウンするし、1段飛ばしてのシフトダウンなんてことも、エンジン回転数さえ許容範囲内なら造作なく可能。ただ、ブレーキングしながらレバーを押したのに、過回転域のため変速されないことを何度か経験した。ここだけは慣れと読みが必要だ。
通常のMTは不要と思うくらいの完成度をこのシーケンシャル5MTは持っている。
SPECIFICATIONS
| 主要諸元のグレード | MR-S |
| 駆動方式 | 2WD |
| トランスミッション | シーケンシャル5MT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 3885×1695×1235 |
| ホイールベース(mm) | 2450 |
| 車両重量(kg) | 980 |
| 乗車定員(人) | 2 |
| エンジン種類 | 直4DOHC |
| 総排気量(cc) | 1794 |
| 最高出力[ps/rpm] | 140ps/6400rpm |
| 最大トルク[kg-m/rpm] | 17.4kg-m/4400rpm |
| 10・15モード燃費(km/L) | 14.2 |
| ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/48 |
| 車両本体価格 | 195.5万円 |
斉藤慎輔の責任採点
| コンセプト | 5点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 4点 | ブレーキ性能 | 4点 |
| フィニッシュ | 3点 | 操作系の使い勝手 | 3点 | 乗り心地 | 3点 | 環境対策 | 3点 |
| 前席居住性 | 3点 | ラゲージルーム | 1点 | 操縦安定性 | 2点 | 燃費 | 4点 |
| 後席居住性 | ー点 | パワー感 | 3点 | 高速安定性 | 3点 | ステータス | 3点 |
| 内装の質感 | 1点 | トルク感 | 4点 | しっかり感 | 2点 | コストパフォーマンス | 4点 |
| 得点合計 | 59/95 | ||||||
トヨタ MR-S シーケンシャルマニュアルトランスミッションモデル 【プレイバック試乗記】/試乗レポート
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