スバル インプレッサ VS 日産 ティーダ PART1:走行性能対決
2007/10/16
PART1 走行性能対決
スバル インプレッサ
日産 ティーダ
乗り心地のよさが際立つインプレッサ
-キャラクター的にはどちらも“欧州車”風-この章のテーマ外だが文脈上必要なので触れると、スタイルにしてもティーダはルノー・メガーヌっぽい(しかし実際の開発上、何ら関係性はなかったとのこと)。片やインプレッサも、ザパティナス氏(すでに去ったがスバルに在籍したデザイナー。直前にはアルファロメオにいた)の息がかかっていたはずで、ラテン的な空気がある外観をしている。
言いたいのは、両車の走りが昔ながらの日本車のそれとはひと味もふた味も違うキャラクターに仕上げられているということ。なので「日本車でもひとヒネリした車を」と考える人に、この2車はイイ選択肢だ。
具体的にレポートしよう。まず印象的なのは、とにかくインプレッサの乗り心地がいい!ということ。突っ張ったところがどこにもなく、しなやかに足が動いてくれる。ボディが揺れても穏やかなバウンジング(前後が同時に上下して車の水平が保たれる)だし、コーナリング時もスピードに応じ自然にジワッとロールを発生させてくれる。
アクセル操作がダイレクトにエンジンに伝わるティーダ
対してティーダは、インプレッサと較べるといささか分が悪い。特に乗り心地では、街中を流すような程度のスピード領域で、もう少しサスペンションが動いて欲しい……と感じるところがある。小刻みなピッチングが起こるのが(それでも登場時より幾分か少なくなっている)気になる。が、それ以外は高速走行時の乗り心地は快適だし、前輪のキャスターがスッ!と立って直進を出し、安定性を保つ感じがいい。エンジンスペックは、インプレッサが110ps/14.7kg-m、ティーダが109ps/15.1kg-m。どちらも1.5Lながら、動力性能自体にまったく不足はない。
ただし惜しいのはインプレッサのほう。7000rpmまで許容範囲のエンジン自身は、音もフィールもいかにもストレスなく効率良く回る感じだが、4速ATのギヤ比とのマッチングが完璧といえず、エンジンの美味しいところが使いにくい。
対してティーダは、CVTとの組み合わせながら違和感がなく、高回転(フルスロットルを試すと6000rpmで固定される。レッドゾーンは6500rpmから)時のエンジン音(ボリューム)も気にならないレベルに抑えられているのがいい。再加速を試したいような場面でのアクセル操作に対するエンジンの反応もまったく問題なしだった。
■今回の燃費計測結果
平均燃費 | 参考燃費 (一般道) |
参考燃費 (高速道路) |
|
---|---|---|---|
インプレッサ | 14.8km/l | 11.2km/l | 16.6km/l |
ティーダ | 17.4km/l | 約15.0km/l | 約20.0km/l |
※ティーダに搭載される燃費計は棒グラフ状に表示するタイプのため、おおよその数値となります
燃費計測ルートは・・・
東京・青山→神奈川・大井松田(ここまで一般道)→東名・静岡IC→東名・海老名SA
総走行距離 305.4km
燃費計測ルートは・・・
東京・青山→神奈川・大井松田(ここまで一般道)→東名・静岡IC→東名・海老名SA
総走行距離 305.4km
今回のまとめ
排気量は同じだが、ミッション形式が異なる両者。そのマッチングの差が走りに現れる結果になった。インプレッサがもつ足のよさも魅力だが、ここは僅差でティーダに軍配をあげたい。次回予告
インプレッサとティーダの取り回し性能に迫る!
インプレッサとティーダの取り回し性能に迫る!
今回のテスト車両



■スバル
インプレッサ
- ・テスト車両
- 1.5 15S(2WD)
151.2万円 - ・駆動方式
- FF
- ・トランスミッション
- 4AT
- ・全長×全幅×全高
(mm) - 4415×1740×1475
- ・ホイールベース(mm)
- 2620
- ・車両重量(kg)
- 1260
- ・最小回転半径(m)
- 5.3
- ・乗車定員(人)
- 5
- ・エンジン種類
- 水平対向4DOHC
- ・総排気量(cc)
- 1498
- ・最高出力
[kW(ps)rpm] - 81(110)/6400
- ・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm] - 144(14.7)/3200
- ・使用燃料
- 無鉛レギュラー
- ・燃料タンク容量
- 60L
- ・10・15モード燃費
(km/L) - 16.6
- ・タイヤサイズ
- 195/65R15



■日産
ティーダ
- ・テスト車両
- 1.5 15M(2WD)
162.926万円 - ・駆動方式
- FF
- ・トランスミッション
- CVT
- ・全長×全幅×全高
(mm) - 4205×1695×1530
- ・ホイールベース(mm)
- 2600
- ・車両重量(kg)
- 1150
- ・最小回転半径(m)
- 5.2
- ・乗車定員(人)
- 5
- ・エンジン種類
- 直4DOHC
- ・総排気量(cc)
- 1498
- ・最高出力
[kW(ps)rpm] - 80(109)/6000
- ・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm] - 148(15.1)/4400
- ・使用燃料
- 無鉛レギュラー
- ・燃料タンク容量
- 45L
- ・10・15モード燃費
(km/L) - 19.4
- ・タイヤサイズ
- 185/65R15
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
スバル インプレッサ VS 日産 ティーダ PART1:走行性能対決/旬ネタ
あわせて読みたい
【試乗】新型 スバル クロストレック S:HEV|ストロングハイブリッドの恩恵は思った以上に大きい! クラス最高レベルの静粛性と加速性
【試乗】新型 メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV|すべてを車に任せ安心快適に移動できる安楽さはまさしく“個室新幹線” !
【試乗】新型 フォルクスワーゲン ティグアン| “ベストセラー”コンパクトSUVは全方位に進化しつつもリーズナブル!
レガシィアウトバック生産終了に絶望した人へ贈る「スバル名作モデルの代わりにコレ、どうですか?」5選
【試乗】新型 フォルクスワーゲン パサート|SUVより低重心でフットワークも軽快! 進化したワゴン専用モデルはさらに広く楽に快適に
【試乗】新型 マセラティ グランカブリオ|いま最もマセラティらしい、優雅さとヘリテージを味わえる4シーターオープン!
新型ランドクルーザー250の中古車流通量が150台に迫るが、価格は? 新車との差は? トヨタ ランクルの中古車市場を解説!
新型BMW 1シリーズが発売されたが、先代なら190万円から狙える! 中古車価格や流通量、オススメの買い方・選び方を紹介
【試乗】新型 シボレー コルベット E-Ray|街中では従順、峠ではライバルに負けぬハンドリング! 電動とAWDを手に入れたC8はアメリカンスポーツの雄
安いSUVが欲しい! 予算80万円オススメ中古車5選|海外車からコンパクトまで価格や流通量を紹介【2024年下半期】