▲充電残量75%で220km、4人乗車でキャディバッグも積み込んで無充電ドライブは可能か、リーフe+でやってみた ▲充電残量75%で220km、4人乗車でキャディバッグも積み込んで無充電ドライブは可能か、リーフe+でやってみた

航続距離がさらに延びたリーフe+

日本のメーカーではまだ、完全に電気だけで走るピュアEVは少ない。

日産 リーフはその貴重なピュアEVモデルのひとつだ。

テスラやジャガーなどのプレミアムブランドもピュアEVのモデルを生産しているが、新車時価格はいずれも1000万円ほど。

その点リーフは新車でも300万円台で、しかも中古車も多く流通しており購入のハードルは格段に低い。

さらに1月に追加された「e+(イープラス)」というグレードは、従来のモデルより電池の容量が増えて航続距離も136kmプラスされ、100%充電で458kmまで航続距離が延びた(WLTCモード)。

458kmは東京から京都まで(約461km)、函館から旭川まで(約436km)の道のりに相当する距離だ。

ガソリンエンジンのハッチバック車、例えばトヨタ カローラスポーツだと航続距離は約1200kmと3倍近くあるが、それでも400km以上走れば十分じゃないだろうか。

「だから郊外にあるゴルフ場だって往復は余裕だろ! たとえ3人を迎えに行くために寄り道をし、4人乗車でキャディバッグを積んだとしても……

と、出発前は高をくくっていた。

朝、リーフのスタートボタンを押すまでは。
 

▲日産 リーフe+ ▲見た目はほとんど変わらないが、バッテリー容量を増やし航続距離が延びたリーフe+

やべっ! 充電満タンにできない

以前あるゴルフコンペに出た際に、複数の人から「EVでコースに行くのはちょっとまだ怖いよなー」という声を聞いた。

何をおっしゃいますか。航続距離は延びてるし、都市部であれば充電箇所も数多くある。

だから、そんな「なんとなく心配」という人たちの不安を払拭すべく、リーフe+でゴルフ場に行ってみることにした。

でも、1人でエコ運転をして「大丈夫でした」という記事ではなんとなく味気ない。

そこでちょっとハードルを上げ、より「フツーのゴルフの往復」で想定される条件を設定することにした。

設定した条件
・コースに行くまでに3人を迎えに行き、帰りも3人を降ろす。
・キャディバッグを最低2本は積む。
・エアコンの使用を我慢しない。
・そしてもちろん、道中の充電はしない。

ゴルフ場までのルート
東京都品川区→港区→世田谷区→神奈川県厚木市→湯河原町

3人のピックアップ地点を通ったゴルフ場までの距離は約112km。往復では224kmのドライブだ。

前日にキャディバッグを積み込み、準備万端。充電は75%まで減っていたけど、ちょっと早起きして近くの充電スタンド満タンにしてから出発することにした。

が、まさかの朝寝坊。

でも仕事関係の先輩を迎えに行くのに、遅れは絶対に許されない。

仕方ない、そのまま出発するしかない。ゲージを見ると残りは75%で291km。計算上は帰ってこれる
 

▲寝坊のため、やむなく75%で出発することに。表示された走行可能距離は291km ▲寝坊のため、やむなく75%で出発することに。表示された走行可能距離は291km

けど、これはあくまでも計算上。普通に街中で乗っていればカタログ値ほどは走れないし、スマホの充電量だってスペック値のようには使えないのが世の常だ。

朝はまだ涼しいから、エアコン全開で車内を冷やす必要もない。

運転モードはアクセルのみで減速までできる、e-Pedalにした。

e-Pedalにすることでアクセルを弱めた減速時には回生ブレーキがはたらき、そこで生じたエネルギーがバッテリーに充電される仕組みになっている。
 

▲この日は梅雨明け直前の真夏日だったが、乗り出し時以外は終始「25度 風量1」の設定で十分快適だった ▲この日は梅雨明け直前の真夏日だったが、乗り出し時以外は終始「25℃ 風量1」の設定で十分快適だった

後輩の株を上げてくれる乗り心地

自宅のある東京都品川区から、最初のピックアップ地点の港区へ約5kmの移動。6時台なので通行量が少なく、10分ほどで到着した。

40歳のR先輩(♀)は電気自動車に初乗車だという。

「ハッチバックなのに結構トランク広いね。なんか小じんまりしすぎてなくてちょうどいいサイズかも」

加速時の独特の滑らかさも気に入った様子。

「レールの上を走ってるみたいで、車っていうよりモノレールっぽいかも」とご満悦だ。
 

▲「電気自動車なのに、特に制約っぽいものが感じられない」とR先輩からは高評価 ▲「電気自動車なのに、特に制約っぽいものが感じられない」とR先輩からは高評価

次なる目的地は、20km離れた世田谷区。首都高速を使っての移動だったが、まだまだ残量は十分だ。

デザイナーのK先輩(♂)の家は閑静な住宅街にある。

「静かでいいなこれ。朝早いゴルフでも、ご近所迷惑にならないじゃん!」

とはしゃぐK先輩の大声が、ご近所に響き渡っていたので、早々にに出発。

その後、東名高速道路を40km走る。短い渋滞に巻き込まれながらも経由地の厚木に定刻どおり到着。

そこには自宅の前で素振りを繰り返す、T先輩(♂)の姿が。

「お疲れー、素振りしてたら汗だくになっちゃった。エアコン全開で!」

「せ、先輩。これ電気自動車でエアコンを強めると充電の量が」と言い出すことができず、5分ほどエアコンの温度を20℃に設定、風量をMAXにして車内温度を一気に下げる。

急激に残量が減ることを恐れたが、目に見えた減少は起こらなかった。
 

▲4人分のボストンバッグと2本のキャディバッグを積む。ドライバーは抜かなくてはならないが、バッグの横置きが可能 ▲4人分のボストンバッグと2本のキャディバッグを積む。ドライバーは抜かなくてはならないが、バッグの横置きが可能

ここからは、小田原厚木道路という有料道路経由で50kmほど走る。

途中、平塚パーキングエリアでトイレ休憩。

ガソリンスタンドのない小さなパーキングエリアだが、EVの充電機は1基設置されていた。

従来の給油所に比べ接地スペースを小さく抑えられる充電スタンド。このパーキングのように、ガソリンスタンドよりも充電スタンドが近いというエリアは確実に増えている。

「充電できる場所が少ないからEVは不安」というのは、過去の話になりつつあるかもしれない。

諸先輩方がのんびりと名物のパンを買っている間も、充電はせずに我慢する。

相模湾沿いを順調に進むが、ゴルフ場を目前にして難関が! ひたすらに続くつづら折りの急坂が待ち構えていたのだ。

その坂道を5分ほど分ほど走りクラブハウスに。ここでも急激な残量の減少は見られなかった。

往路を終えて消費したのは39%。残り表示距離は140kmで、単純計算なら復路で息絶えることはないが……。
 

▲30%台という数字に不安を感じるが、距離表示では140kmとまだまだ余裕 ▲30%台という数字に不安を感じるが、距離表示では140kmとまだまだ余裕
▲この日プレーした湯河原カンツリー倶楽部の14番ホール。真鶴半島に向かって打ち下ろすロケーションは圧巻。行きに頑張って上った分、帰りは下り坂で電気消費を抑えられるか? ▲この日プレーした湯河原カンツリー倶楽部の14番ホール。真鶴半島に向かって打ち下ろすロケーションは圧巻。行きに頑張って上った分、帰りは下り坂で電気消費を抑えられるか?

この日の最高気温は31.3度。本格的な夏の到来を感じさせる陽気だった。

ほぼ一日中ピーカンだったので、ラウンドを終えて車を取りに行くと車内はサウナ状態。

気の利いた後輩を演じるため、再びエアコンを全開にして5分ほど車内を冷やす。

しかし一度室内温度が下がってしまえば、「気温25℃ 風量1」でも十分涼しさを保つことができた。
 

▲後席に男性2人という布陣だったが、「広くて快適だったよ」と普段手厳しい先輩方もご機嫌 ▲後席に男性2人という布陣だったが、「広くて快適だったよ」と普段手厳しい先輩方もご機嫌

帰り道、「最後まで充電をしない」と宣言したことで、車内は一気に不安モードに。

ゴルフ場から残り140kmも走るし計算上は余裕なのだが、表示が20%台に入ると人は心理的な不安要素が強くなるようだ。

止まったらどうするんだと、やいのやいのツッコミが入る。

リーフは走行中のエンジン音がなく、後席が一段高くなっているため車内の会話がしやすい。

厚木でT先輩を降ろし、再び東名高速へ。

幸運なことに土・日恒例の混雑はほとんど解消されており、完全停車するような渋滞には巻き込まれなかった。

そして世田谷のK先輩の家に着いたときには、残りが11%に。
 

▲残り47kmも走行が可能だが、さすがに11%の数字に手汗が出始めた ▲残り47kmも走行が可能だが、さすがに11%の数字に手汗が出始めた

世田谷区から港区に向かう道中、最後に降りるR先輩の不安が一層増していくのがわかる。

「だってスマホの充電とかでも15%以下になると、メッチャ減りが早くなるでしょ? だから絶対ヤバい」

そんな理屈なのか感情論なのかわからない圧に負けずに、リーフe+を走らせる。

そして計算どおり(?)R先輩宅に到着。スマホのように10%以下から急速に減ることはなかった。

そこから残量が7%ながら、そこから自宅までは安心して帰ることができた。

帰宅した時点で残量は4%で、走行可能距離は22km
 

▲「まだまだ余裕じゃん。リーフちゃん、疑ってゴメン!」と、謝りながら下車するR先輩。こちらこそドキドキさせてすみませんでした ▲「まだまだ余裕じゃん。リーフちゃん、疑ってゴメン!」と、謝りながら下車するR先輩。こちらこそドキドキさせてすみませんでした
▲自宅近くにある5つの充電スタンドはいずれも2km以内。残り4%といえども20kmは走るので焦る気持ちは全くなかった ▲自宅近くにある5つの充電スタンドはいずれも2km以内。残り4%といえども20kmは走るので焦る気持ちは全くなかった

ナビゲーションはウソをつかない

充電残量の数字だけを見れば不安になるかもしれないが、急速充電機までは最も離れている場所でも3km程度で十二分に残量は足りる。

翌朝買い物のついでに寄ったとしても、余裕がある距離だ。

でもなんとなく「お疲れさま」と言いたくなって、急速充電器が設置されている近くの日産販売店に車を走らせた。

人は、これまでとは違う物や体験には不安感や拒否感が出る。

しかし、リーフにはその不安を取り除いてくれるナビゲーションもあるし、充電できる環境も整ってきている

「充電が4分の3に減った状態から一度も充電せず、真夏に4人乗車でゴルフに行く」という普通よりちょっとハードルの高い使い方をちゃんとクリアしてくれたリーフe+。

「EVは気になっているけどなんとなく不安」と思っている人は、先入観を取り払いガソリン車のように普通に使える車として検討してみてほしい。
 

▲日産 リーフe+ 充電 ▲帰宅後に充電されるリーフe+。丸1日に満たないドライブだったが、いつものガソリン車よりも愛着がわいた気がした
文・写真/今泉翔太(編集部)
 

【試乗車 諸元・スペック表】
●e+ G

型式 ZAA-ZE1 最小回転半径 5.4m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.48m×1.79m×1.55m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.53m/1.55m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.03m×1.46m×1.19m
4WS - 車両重量 1680kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1955kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -    
標準色

スーパーブラック、ダークメタルグレーメタリック、ラディアントレッドパールメタリック、ブリリアントシルバーメタリック

オプション色

ブリリアントホワイトP/オーロラFブルーP、スーパーブラック/ダークメタルグレーM、チャイナブルーM/スーパーブラック、サンライトイエローP/スーパーブラック、ラディアントレッドPM/スーパーブラック、ブリリアントホワイトP/スーパーブラック、スプリングライトグリーンチタンメタリック、タンジェリンオレンジパールメタリック、ブリリアントホワイトパール3コートパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール

掲載コメント

※交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km、一充電走行距離(WLTCモード)458km

型式 ZAA-ZE1
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーブラック、ダークメタルグレーメタリック、ラディアントレッドパールメタリック、ブリリアントシルバーメタリック
オプション色 ブリリアントホワイトP/オーロラFブルーP、スーパーブラック/ダークメタルグレーM、チャイナブルーM/スーパーブラック、サンライトイエローP/スーパーブラック、ラディアントレッドPM/スーパーブラック、ブリリアントホワイトP/スーパーブラック、スプリングライトグリーンチタンメタリック、タンジェリンオレンジパールメタリック、ブリリアントホワイトパール3コートパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.48m×1.79m×1.55m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.53m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) 2.03m×1.46m×1.19m
車両重量 1680kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1955kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント ※交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km、一充電走行距離(WLTCモード)458km
エンジン型式 EM57 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 218ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
340(34.7)/4000
エンジン型式 EM57
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 218ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
340(34.7)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -