扱いやすい、乗り心地が優しい。ベーシックなミニバン

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コンセプト

新イプサムの登場で中型ミニバンの代表に

室内空間のゆとりでイプサムの上級に位置したガイアだったが、イプサムが3ナンバーボディになったことで、トヨタミニバンの中堅を担う役目となった。特に5ナンバーボディながら、ゆとりの室内を生かしヒットを飛ばしているストリームを意識してのマイナーチェンジのようだ。

その筆頭はFFモデルの2Lエンジンを直噴のD-4(152ps)に改めたこと。このエンジンは10・15モード燃費でも14.2km/Lとライバルストリームに並んでいる。

外観も15インチのタイヤ&アルミホイールの採用や、グリルとテールを改め高級感をアップさせている。全般的にはクリーン化や、EBD(電子制御動力配分)、チャイルドシートのワンタッチ固定への対応など、ミニバン標準モデルとしての資質向上に重きが置かれている。
室内&荷室空間

チョイ乗り中心なら7人乗り、ロングドライブなら6人乗り

シートはウォークスルーの独立6シーターと、セカンドシートの3人掛けが可能な7人乗りが選べ、それぞれに、装備の違いで、G、L、エアロの各パッケージが用意されている。都会の仕事と買い物中心なら7人乗り、長距離のくつろぎドライブには6人乗りがよいだろう。荷室のフロアは高めながら、トノカバーも収納でき、ワンタッチでサードシートからフラットな荷室を作り出せ、利便性は高い。シートは剛性があり、しっかりとした作りなのはさすが。長いツーリングでの疲労低減にも貢献しそうだ。

べージュ系の室内は明るく、黒系(エアロパッケージのみ)の室内は、暗くなるものの、その分、締まりがあり、スポーティさをもっている。試乗したエアロパッケージは黒の木目調と渋かった。
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ドライブフィール

ゆったりクルージングできる“やさしさ”をもつ乗り味

FF用の新エンジンは、RAV4や、オーパに搭載されているものと同じだ。VVT-iにより、街中など、扱いやすさにつながる低中速域は、ゆったりトルクで確実に対応してくれる。それでいて、4000回転からの伸びやかさも併せ持つ。振動騒音の低減は明らかな成果として感じられ、力強くも、荒ぶらないのが今日的。ただし、バルブタイミングが連続可変なので、自然である。しかし官能度では、むしろ4WDに組み合わせられる従来からの3S-FEエンジンのほうが、絶対的な速さでは劣ってもシャープさがあったりする。

乗り味を一言でいうなら、“やさしい”。乗り心地が優しく、扱いもやさしい。(簡便性)フットワーク的には腰高傾向なので、ゆったりクルージングに快適性が発揮される。
こんな人にオススメ
従来のイプサムオーナーも含め、5ナンバーでの取り回しを大切にする人には納得の仕上がりだ。何より高い経済性が良い。ライバル、ストリームは乗り心地がスポーティだが、ガイアではあえてエアロを選ばない。それよりもベーシックに街に溶け込む日常重視という基本を実践したい人向き。
SPECIFICATIONS
グレード 2.0 エアロパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4620 x 1695 x 1640
ホイールベース(mm) 2735
車両重量(kg) 1420
乗車定員 7人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 112kW(152ps)/6000rpm
最大トルク 200N・m(20.4kg-m)/4000rpm
車両本体価格 220万円
写真:渡邉英昭 文:根本 純