▲「この車は今でも病院で物珍しそうに見られる」とNさん。まだまだ回転&昇降シート車の認知度は高くない。Nさんの奥さんも「車いす仕様車より乗り心地がいいし、隣り(運転席)に誰かしらいるから寂しくない。こういう車なら、みんな外出する気になると思いますよ」と語る ▲「この車は今でも病院で物珍しそうに見られる」とNさん。まだまだ回転&昇降シート車の認知度は高くない。Nさんの奥さんも「車いす仕様車より乗り心地がいいし、隣り(運転席)に誰かしらいるから寂しくない。こういう車なら、みんな外出する気になると思いますよ」と語る

義母の回転&昇降シート車を奥さんのためにも使うことに

「夫婦ともども車が好き」という大阪府のNさん。こだわりの日産デイズルークスで、車いすで生活する奥さんの通院だけでなく、夫婦で富士山までドライブを楽しんでいる。Nさんが福祉車両を選ぶ基準とはなにか?

約4年前、Nさんの奥さんが不慮の事故で障がいを負った。近所に住むNさんの義理の父が膝の悪い義母を乗せるためにダイハツムーヴの回転&昇降シート車を持っており、Nさんの奥さんが「車いす仕様車は後ろに1人で座るから寂しくて嫌で……」と言うこともあって、このムーヴを奥さんの通院にも使うことにした。

回転&昇降シート車は乗降時に助手席側を大きく開ける必要があるが、病院の駐車場が狭く、軽自動車でギリギリ。その意味でもムーヴは合っていた。しかし、Nさんご夫婦2人とも車が好きだったため、ターボのない軽自動車の走りに不満があったという。

「一度、妻の両親と4人で車いすも載せて出かけたのですが、まぁ走らない(笑)。それでターボ付きの軽自動車で、回転&昇降シート車を探し始めたんです」。

走りのいいターボ車の回転&昇降シート車を探した

ところが、軽自動車のターボ付きで回転&昇降シート車は、当時は1台もなかった。ダイハツのお客様相談センターに「改造してターボを付けられないか」と電話をしたことさえあったという。しかしないものはなく、あきらめかけていたところ、たまたま出かけた福祉機器の総合展示イベントで日産 デイズルークスを見つけた。

もちろんターボ車ではなかったが、身長の高い奥さんが首を曲げなくても乗降できる。これはいいなと思い、ダメもとでそばにいたスタッフに「ターボ車はないよね?」と尋ねたところ「間もなく発売されます」と言ったのだ。「もう、次の日には近所の販売店に予約を入れました」。その約3ヵ月後、ようやく現在の愛車を手に入れることになった。

▲愛車はデイズルークス ハイウェイスターターボ 助手席スライドアップシート。「カッコいいのも良かった」とNさん。車好きのNさんの奥さんも「14インチだったら替えようと思ったけど、希望の15インチが標準でよかった(笑)」 ▲愛車はデイズルークス ハイウェイスターターボ 助手席スライドアップシート。「カッコいいのも良かった」とNさん。車好きのNさんの奥さんも「14インチだったら替えようと思ったけど、希望の15インチが標準でよかった(笑)」
▲回転&昇降シート車の多くはシート下に回転&昇降スイッチがあるが、この車は助手席ドアのアームレストにあるため「しゃがまなくていいし、リモコンを探さなくてもいい」 ▲回転&昇降シート車の多くはシート下に回転&昇降スイッチがあるが、この車は助手席ドアのアームレストにあるため「しゃがまなくていいし、リモコンを探さなくてもいい」

走りに不満がないからドライブが楽しめる

もともと車に乗ることが大好きな2人。週2回の通院とリハビリの他、「ターボ車は高速道路での合流も簡単だし、坂道もラク」なので、夫婦で旅行に出かけるのが楽しくなったという。

今年の春は富士山を見に行った2人。「休み休み行ったので大阪から6時間くらいかかったかな。ちょっと時期が早すぎて雪がまだ残っていたから5合目まで行けなかったんですが」とNさん。奥さんは「隣りに座ってあちこちへ出かけるのは楽しいです」と笑顔でうなずいた。

▲「カーナビとETC程度は付けましたが、両側オートスライドドアなど標準装備が充実していて便利。空調がタッチパネルのため、指先に力の入りにくい妻もこれなら操作しやすいです」とNさん ▲「カーナビとETC程度は付けましたが、両側オートスライドドアなど標準装備が充実していて便利。空調がタッチパネルのため、指先に力の入りにくい妻もこれなら操作しやすいです」とNさん
text/ぴえいる