▲デビュー時にはぶっ飛んでいたとしても、時が経つと妙に味が出てくるモデルたち。それらを今味わえるのも中古車の楽しみです。ちなみに、画像はいすゞ ビークロス ▲デビュー時にはぶっ飛んでいたとしても、時が経つと妙に味が出てくるモデルたち。それらを今味わえるのも中古車の楽しみです。ちなみに、画像はいすゞ ビークロス

懐かしさと斬新さがミックスされたモデルが熱い!

新車の販売台数ランキングの上位に入るモデルは、中古車流通量も多く、カーセンサーでも多くの人が選んでいます。でも売れている分、街中でもたくさん見かけるため“新鮮味”に欠ける部分もあるもの。中には買ったときは盛り上がっていたのに、同じ車としょっちゅうすれ違ううちにだんだん盛り下がってしまったという人もいるかも……。

「せっかく車を買うのだから街中で思い切り目立ちたい!」
「注目を集めたい!」
そんな人に注目してほしいのが、1代限りで生産終了してもらった中でも、個性が際立つ激レアモデルです。個性的すぎるがゆえに注目度は高かったものの、新車を買う勇気を出すまでにはいたらなかった希少車に乗れば目立つこと間違いなし! そんな車で思い切り目立ってみませんか!?

いすゞ ビークロス~元祖・コンセプトカーが街に飛び出したSUV

▲日産 ジュークやトヨタ C-HRなど、コンセプトモデルがほぼそのままの形で市販化されたSUVが人気。その元祖ともいえるのがこのビークロスです! ▲日産 ジュークやトヨタ C-HRなど、コンセプトモデルがほぼそのままの形で市販化されたSUVが人気。その元祖ともいえるのがこのビークロスです!


1993年に開催された東京モーターショーのいすゞブースでひときわ注目を集めたのが、コンセプトモデルの“ヴィークロス”です。未来感溢れるこの車のチーフデザイナーは現日産自動車の専務執行役員、CCOの中村史郎氏。

そしてヴィークロスは1997年4月にビークロスと名前を変え、コンセプトカーほぼそのままの姿で発売されました。釣り上がったヘッドライトやフロントからリアへと続く流れるようなライン、スペアタイヤカバーと一体化されたリアゲートなど、デビューから20年経った今でも新鮮味がまったく失われていません。

ビークロスのベースとなったのはタフさで定評があったビッグホーン。そこにオンロード走行を意識したサスペンションを取り付けたのも、時代を先取りしていたと言っていいでしょう。間違いなく目立ちますよ!

トヨタ ヴェロッサ~大人の色気を出しまくったスポーツセダン

▲シャツのボタンを開けて胸元を見せるキザな男の雰囲気を演出したようなヴェロッサ。2.5Lモデルは今となっては希少な直6エンジンになります ▲シャツのボタンを開けて胸元を見せるキザな男の雰囲気を演出したようなヴェロッサ。2.5Lモデルは今となっては希少な直6エンジンになります


どちらかというと保守的なデザインのモデルが多かったトヨタのセダンラインナップに、突如官能的なイタリアンデザインに身を包んだヴェロッサが加わったのは2001年。

位置付けはマークⅡ3兄弟と呼ばれたチェイサー/クレスタの後継モデルでしたが、斬新すぎるスタイルに保守的なおじさんたちは度肝を抜かれ、乗り替える人はかなり少なかったのも事実。そのため街で見かけることはほとんどありませんでした。

だからこそデビューから15年経った現在でもデザイン的な古さ、見飽きた感がほとんどありません。むしろクラウンアスリート、プリウス、C-HRなど攻めたデザインの現行モデルとも違う雰囲気が、今の時代にあっていると思いますよ!

トヨタ WiLL VS~異業種合同プロジェクトが生んだ戦闘機スタイル

▲フロント、リアともに攻めています。スポーティグレードとなる1.8VVTL-iのエンジンは最高出力190psを発生 ▲フロント、リアともに攻めています。スポーティグレードとなる1.8VVTL-iのエンジンは最高出力190psを発生


1990年代後半、自分らしさにこだわりを持つ人たちをターゲットに、企業の垣根を越えて同一のコンセプトで商品開発を行う“WiLL”(ウィル)というプロジェクトが動き出しました。そこに参加していたトヨタがWiLLブランドから発売したモデルの一つが、このVSです。

第1弾モデルとなったViがカボチャの馬車をモチーフにしたファンシーなデザインだったのに対し、VSはステルス戦闘機をイメージさせる攻撃的なデザインを採用。とくにインテリアはレーダーを意識したメーター類や飛行機のスロットルレバーをイメージさせるシフトノブがそそります。

エクステリアは、フロントはやや大人しいですが、ボリューム感のあるリアスタイルはかなりセクシー。どことなくアルファブレラと似たシルエットは今見ても新鮮です。

日産 マイクラCプラスC~ヨーロッパで超人気だったマーチのオープンモデル

▲先代マーチのエンジンは1L~1.5Lでしたが、マイクラCプラスCは1.6L。そこがまたマニアックなツボになります ▲先代マーチのエンジンは1L~1.5Lでしたが、マイクラCプラスCは1.6L。そこがまたマニアックなツボになります


日産のベーシックモデルとして長い歴史のあるマーチ。実はマーチはヨーロッパで“マイクラ”という名前で販売されており、とくに先代マーチはその愛らしいルックスから大ヒット。そんなマイクラにはクーペカブリオレも設定されていたのです。2007年にマイクラCプラスCが1500台限定で日本でも発売されました。

ルーフは電動開閉式のグラストップで、約22秒で開閉できます。定員は4人ですが、後席はかなり狭いので荷物置きと割り切った方がいいでしょう。お子さんのいないご夫婦やカップルで楽しむには最高にオシャレな1台です。

日本のマーチしか知らない人が街で見かけたら、顔はマーチなのにオープンということでビックリするはず。

日産 スカイラインGT-Rセダン~4ドアに仕立てられたシックなGT-R

▲リアスポイラーが付いていないため、もしかしたら車に詳しくない人はGT-Rとわからないかも ▲リアスポイラーが付いていないため、もしかしたら車に詳しくない人はGT-Rとわからないかも


スカイラインGT-R伝説の始まりとなったハコスカGT-Rは、最初は4ドアセダンでした。その後のスカイラインGT-Rといえば2ドアクーペですが、R33GT-Rには4ドアモデルが存在したのです。

正式車名はスカイラインGT-Rオーテックバージョン 40th ANNIVERSARY。スカイラインの生誕40周年記念モデルで、2ドアのR33GT-Rを4ドアに作り直したもの。生産台数は422台。

中古車で見つけるのも困難な激レアモデルですが、どうしても乗りたい人は根気よく探してみてください。スポーツカー好きから注目を集めるのは間違いありません。

個性が際立つレアモデル、いかがでしたでしょうか。どれも流通量は少ないものなので、気に入った個体があった際は早めにチェックしてくださいね。

text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/いすゞ、トヨタ、日産