クラウンマジェスタ(6代目)▲新型トヨタ クラウン(16代目)が、SUVスタイルのクラウン・クロスオーバーをはじめ4モデルで登場するという衝撃のニュースが流れたばかりだが、「クラウンなんたら」といえば、やはりクラウンマジェスタを忘れちゃいけない

クラウンより高級なセダンが2022年に入ってガクンと値落ちしている

1991年10月に9代目クラウンとともに初めて登場したのが初代クラウンマジェスタ。当時のセルシオとクラウンの間に位置する高級セダンとして設定された。

その6代目、2013年9月から2018年6月まで販売されていたマジェスタ最後のモデルが、今お買い得になっているのだ。2022年に入って急に値落ちが進み、1年間で中古車の平均価格が約30万円も落ちている。

それまでは年間で約10万円の値落ちがやっとだった最後のクラウンマジェスタが、なぜ値落ちしているのか? 今は買いのタイミング? モデル概要を振り返りつつ見ていこう。
 

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クラウンマジェスタ(6代目)×全国
 

中古車の平均価格は新車時の半額以下、原稿執筆時点で250万円台

本家クラウンも販売台数に苦しむ中、ついに2018年6月に約30年の歴史を閉じることになったクラウンマジェスタ。中古車人気は高く価格は安定傾向で、2020~2021年5月頃までは、平均価格280万円前後でほぼ横ばいだった。やはりクラウンより上質&快適な装備を備えながら、この価格で手に入るということに魅力を感じる人が多いということだろう。

だが、2021年6月頃から平均価格が下落し始めた。しばらくはゆるやかだったものの、2022年3月からガクっと落ち込んでいる。
 

クラウンマジェスタ

2021年5月の平均価格は282.7万円だったが、直近の2022年6月は253.8万円と、1年間で約30万円も下落したのだ。

中古車台数は昨年より多い傾向にある。本来は中古車台数が増えれば中古車価格は下がるので、ここで中古車価格が下がり、現在はそのまま推移していると考えられる。

今後台数が減れば再び中古車価格が上がることも考えられる。中古車の平均走行距離も約7万2000kmまで延びてきた。クラウンマジェスタを検討しているなら、今のうちに狙うのが良さそうだ。
 

 

モデル概要
クラウンより広い後席が与えられた343psを発揮するハイブリッド専用車

クラウンマジェスタ(6代目)▲ヨコ方向のクラウンに対し、マジェスタ伝統のタテ方向のバーが備わるフロントグリル。LEDヘッドライトは、先行車や対向車にハイビームが当たらないよう遮光範囲を自動調整してくれるアダプティブハイビームが標準装備された

では、クラウンマジェスタのどのモデルを狙うべきか。モデル変遷を確認しておこう。

2013年9月にデビューした6代目クラウンマジェスタ。同時期のクラウンと見た目は同じに見えるが、クラウンに対して75mm長いホイールベースが与えられ、後席重視の車であることが強調されている。

また、パワートレインがハイブリッドのみとなったのも6代目の特徴の一つだ。搭載されたハイブリッドシステムは、前年に登場したレクサス GS 450hと同じ3.5L V6エンジン+モーターの2段変速式リダクション機構付きで、システム全体の最高出力はGS 450hの348psに対し若干抑えられているが、それでも343ps。V8エンジンなみの加速性能ながら、JC08モード燃費は18.2km/Lだ。

ちなみに、同時期のクラウン(14代目)にこのハイブリッドシステムは搭載されていない。

車両姿勢統合システムのVDIMや、ナビゲーションと電子制御アブソーバーを活用するなどして、クラウンマジェスタとしてのフラットな車両姿勢、乗り心地を実現した。

衝突被害軽減ブレーキとレーダークルーズコントロール機能も、最上級グレードの「Fバージョン」に標準装備、ノーマルグレードにはオプションで用意された。

新車時の車両本体価格はベース車が610万円、Fバージョンが670万円。
 

クラウンマジェスタ(6代目)▲ホイールベースの延長分はすべて後席スペースの拡充に充てられた。全長4970mm×全幅1800mmと大柄なボディだが、最小回転半径は5.3mに抑えられている
クラウンマジェスタ(6代目)▲HDDナビゲーションやETC車載器、ブルートゥース対応オーディオは標準装備。ノーマルグレードは左右独立エアコン、Fバージョンは3席独立エアコンが備わる
クラウンマジェスタ(6代目)▲シート表皮は、Fバージョンは2種類の本革から選べ、ノーマルグレードは上質なファブリックが用意された。前席が電動パワーシートになる他、Fバージョンは後席にも備わる
クラウンマジェスタ(6代目)▲ハイブリッドシステムはトランク前方に配置されたので、トランクルームはゴルフバッグ4つを収納できるスペースが確保された
クラウンマジェスタ(6代目)▲トランク床下にはスポーツバッグなどが収納できるほどの広さがあるラゲージボックスが備えられた

結局一度もマイナーチェンジは行われず、下記の追加と、一部改良が行われたのみで、2018年6月に約30年間の幕を閉じることになった。安全機能にこだわる人は2016年9月のトヨタセーフティセンスPの標準装備化以降のモデルがオススメだが、そうでなければ年式よりも装備やボディカラー、コンディションにこだわって選ぶといいだろう。

2014年7月/2.5L+モーターのハイブリッドシステムと、フルタイム4WDを組みあわせたグレード「Four」が追加された。車両本体価格は648万円。

2015年10月/ボディ剛性の強化やサスペンションの最適化が図られた。

2016年9月/衝突被害軽減ブレーキを含むトヨタセーフティセンスPが全車に標準装備された。
 

 

狙い方その1|手頃に狙いたいなら10万km超でマメに点検整備されていた中古車

ショーファーカーとして毎日のように走っていたのだろう、走行距離が10万km超の中古車が多い。また、最上級グレードのFバージョンが全体の8割近くを占めることからも、企業の重役クラスを乗せていたことがうかがえる。

そこで、手頃な価格でクラウンマジェスタを狙うなら、10万km超を支払総額200万円以下から探す方法がある。この価格帯はベースグレードとFバージョンの新車時の価格差60万円はほぼ解消されているので、グレードにこだわらず、ボディカラーやコンディション次第で選ぶといい。

10万km超といっても法人1オーナーなんて中古車も見つかる。法人なら恐らくディーラーで定期的な点検を受けているはずだからコンディションに期待できる。法人1オーナーでなくても、車両点検記録簿からマメに点検整備を受けている中古車なら狙い目だ。

ショーファー仕様のクラウンマジェスタなら定期的にメンテナンスを受けていた、良コンディションの中古車を手頃な価格で見つけやすいはずだ。
 

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クラウンマジェスタ(6代目)×走行距離10万km以上×全国
 

狙い方その2|高機能・快適装備を求めるなら2016年8月以降のFバージョン

トヨタブランドの最高峰らしい高機能と快適装備を求めるなら、2016年8月以降のFバージョンがオススメだ。トヨタセーフティセンスPが標準装備されたことで、安全性能はもちろん、高速道路で車間距離を保って先行車に追従してくれるレーダークルーズコントロールが備わるため、運転が楽になる。

販売期間が2016年8月~2018年6月のわずか約2年間のため、台数は20台程度と少ないが、原稿執筆時点で支払総額約240万円から狙うことができる。

高年式車ゆえ、走行距離が比較的短いかと思いきや、そこはやはりクラウンマジェスタ。5万km未満まで絞るとほとんど台数がなく、支払総額400万円以上になる。予算に余裕があればこうした中古車も魅力的だが、上記で述べたように、マメに点検整備された中古車もあるから、車両点検記録簿を確認して5万km~10万kmの中古車を狙ってはどうだろう。

5万km超なら、支払総額約210万円から狙うことができる。
 

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クラウンマジェスタ(6代目)×2016年8月以降モデル×Fバージョン×全国

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クラウンマジェスタ(6代目)×全国
文/ぴえいる、写真/トヨタ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。