ホンダ N-ONE(現行型)▲新車では納期が半年程度となっているホンダ N-ONE(現行型)だが、中古車では「オリジナル」を中心に新車より安い価格の中古車が見つかる

ようやく中古車らしいお得な物件が出始めた

2020年11月にフルモデルチェンジしたホンダ N-ONEはそのキープコンセプト路線で見事成功し、初代に引き続き高い人気を得ているモデルだ。

機械式駐車場に入るギリギリの全高1545mm(FF)とした軽セミトールワゴンにカテゴライズされるが、実用性はもちろん、どこかレトロでかわいらしい外観こそ人気の理由だろう。

軽自動車でありながら最廉価グレードでも新車価格が160万円近い、プレミアムな軽自動車でもある。

フルモデルチェンジから2年弱、新車需要はまだまだ続きそうだ。だが、昨今の半導体不足、新型コロナの影響で、注文から納車まで半年程度も待たなければならないという状況になっている。

趣味性の高い輸入車や高級国産車ならともかく、日常の移動手段として使う車で半年待ちはちょっと厳しい。それなら、中古車を狙ってみるのはどうか?
 

N-ONE ※価格の1万円未満は四捨五入

中古車市場でも昨年まではやや品薄状態だったものの、今年4月からの延べ流通台数ではコンスタントに400台を超えている。中古車平均価格も170万円前後で安定傾向だ。最も流通量の多いグレード「オリジナル」では、新車に近いコンディションで諸費用プラスアルファ分がまるまるお得になる価格の物件も珍しくない。

ここではN-ONE(現行型)の概要やグレード体系をチェックしつつ、お買い得感の高い「オリジナル」を中心にオススメの物件を紹介していきたい。
 

N-ONE ▲全高は高めにして車内空間を稼ぎながら、クーペライクな美しいフォルムを実現したN-ONE

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ホンダ N-ONE(現行型)
 

【モデル概要】ホンダ N-ONE(現行型)とは

N-ONE ▲外観だけでなくインテリアもかわいらしい。写真は「オリジナル(オプション装着車)」だが、最廉価グレードでもチープな印象は少なめだ

四角と台形、真円のシンプルな造形が特徴的なN-ONEの外観。現行型ではフロントグリルやバンパー下部がやや切り立ったデザインとなり、見た目の安定感が増している。

外観は初代と似通っているが、メカニズムは刷新。660cc 直列3気筒エンジン(自然吸気)、同ターボエンジンとも新型に改められ、燃費性能が改善された。

ボディ剛性やサスペンションなども初代から大幅にレベルアップ。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのK CARオブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、走りの実力は本物だ。

N-ONE ▲「オリジナル」では上位グレードに装備されるシートバックポケットなどが省略される

グレードは初代から引き継いだ「RS」「プレミアム」「プレミアム ツアラー」と、新設された「オリジナル」の4種類。「RS」はターボエンジンを搭載し、専用エクステリアや専用アルミホイールを装備するスポーティグレードだ。

他グレードのトランスミッションがCVTのみであるのに対して、「RS」は6速MTも選ぶことができるのが特徴。この6速MT、トルクの急激な伝達を回避してスムーズな変速を実現するピークトルクリミッターやダンパー機構などS660で培った技術が搭載されており、マニュアルでも実に乗りやすく仕上がっている。

さらに、軽自動車の6速MT車として初めてアダプディブ・クルーズ・コントロール(ACC)を採用したホンダの意欲作だ。

「プレミアム」は14インチアルミホイールやLEDフォグランプ、シートヒーターなどを装備する上級グレードで、「プレミアム ツアラー」はそのターボ版という位置付け。装備内容は両グレードともほぼ同じで、運転席&助手席シートヒーターは標準(「オリジナル」では4WDにのみ装備)、本革巻きステアリング、上質なシート表皮など内装でも高級感が感じられる仕様となっている。

ただし、パドルシフトが装備されるのは「RS」と「プレミアム ツアラー」のみだ。

エントリーグレードの「オリジナル」では14インチスチールホイールとなり、LEDフォグランプや本革巻きステアリングなどの装備も省かれるが、フルオートエアコンやスマートキーといった基本的な装備は揃っている。

また、先進予防安全装備であるHonda SENSING(ホンダセンシング)も上位グレード同様のフルスペック。安全性や走行性能、実用性において、グレードによる差はほとんどない。

N-ONEは新車価格159万9400円(「オリジナル」・FF)~202万2900円(「プレミアムツアラー」・フルタイム4WD)という軽自動車としては強気なプライスタグが付けられているが、標準装備の充実ぶりを見れば、それも納得できるだろう。

ちなみに、「RS」と「プレミアム ツアラー」に搭載されているのは同じターボエンジンであり、動力性能の差はない。自然吸気エンジンを搭載する「プレミアム」と「オリジナル」も同様。

駆動方式は「RS」のみFF専用、他はFFもしくはフルタイム4WDとなっている。

 

【中古車相場】「オリジナル」なら新車より20万円以上安い物件も

「オリジナル」は中古車市場に流通するN-ONEで最も多くの割合を占めるグレードだ。現時点の流通台数約380台のうち170台、約45%がこのグレードとなっている。

プレミアムな雰囲気漂うN-ONEだが、やはり価格の安さを求めるユーザーが多いこと、ベーシックグレードでも装備は充実していることが人気の理由だろう。

N-ONE全体の中古車平均価格は約170万円。やや高めに感じるかもしれないが、「オリジナル」なら初度登録から1年未満、走行距離10km未満の新車に近い物件でも、支払総額140万円台後半から狙うことができる。

新車価格は約160万円なので、諸経費代+10万円以上も安くなる計算。しかも流通量が豊富で、ボディカラーも十分に選択できる余地がある。これはかなり魅力的だ。
 

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ホンダ N-ONE(現行型) × 「オリジナル」
N-ONE ▲「オリジナル」にはモノトーン6色、ツートーン4色のカラーバリエーションが設定される

ちなみに、N-ONEではグレードを問わず、メーカーオプションで選べる装備がほとんどない(標準装備が充実しているため)。上位グレードでもカーナビなどは非装備であり、これらをディーラーオプションなどで装着した物件が高めの価格となっている。

より豪華な装備を求めるなら「プレミアム ツアラー」で決まり。こちらも新車に近いコンディションの物件を170万円台前半(新車価格は約189万円)から狙うことができ、お買い得感の高いグレードとなっている。ターボモデルゆえに走りも刺激的だ。

ただし、N-ONE全体の中古車流量に占める割合は約13%、台数にして50台前後にとどまっており、選択肢はやや少なめ。

希望の条件に合う物件を見つけたら早めに決断した方が良さそうだ。
 

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ホンダ N-ONE(現行型) × 「プレミアム ツアラー」
N-ONE ▲「RS」はパドルシフトやブーストメーターなど、スポーティな内外装が特徴だ

N-ONEはスポーティグレードである「RS」の人気も高く、中古車市場でも全体の30%を占めている。

しかも、その7割近くが6速MT仕様だ。MT派にとって、最近は中古車で希望の物件を見つけるのが難しくなっているが、N-ONEなら困らないだろう。

支払総額は190万円~。「オリジナル」ほどではないが、こちらも十分にお得感がある。
 

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ホンダ N-ONE(現行型) × 「RS」

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ホンダ N-ONE(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年8月4日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/ホンダ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。