ボルボ XC60の中古車価格が1年で50万円安くなった! 人気の輸入SUV、今オススメの買い方は?
カテゴリー: 特選車
タグ: ボルボ / SUV / クロスオーバーSUV / 高級 / ディーゼル / プラグインハイブリッド / 4WD / XC60 / 伊達軍曹
2023/12/06
▲2代目ボルボ XC60の中古車平均価格が今、そこそこ大きく下がり始めています。これから2代目XC60を買うとしたら、どんなグレードをいくらぐらいで狙うのが正解なのか、考えてみましたお手頃相場になったことに加え、流通台数豊富で探しやすい
上質なデザインとシュアな走り、そして充実した先進安全装備などにより人気を集めている北欧スウェーデンのミドルサイズSUV、ボルボ XC60。
その現行型となる2代目の中古車平均価格は、2023年1月の時点では564万円というなかなかの高値でしたが、気がついてみれば同年10月、512万円までダウンしています。
▲ボルボ XC60(2代目)の中古車平均価格の推移まだまだお高い車であることには変わりありませんが、それでも「比較的お手頃プライスになった」ということは間違いありません。そして中古車の流通量も500台近くとかなり豊富なため、「自分の好みや予算感にパシッと合った1台」を見つけられる可能性もかなり高いと思われます。
ということで、妙に気になる存在になってきた2代目ボルボ XC60の中古車事情について、集中的に研究してみることにしましょう。
▲このシュッとしたたたずまいが比較的お安く手に入るならうれしいわけだが、果たしてどんなグレードに狙いを付ければいいのだろうか?▼検索条件
ボルボ XC60(2代目)モデル概要:新たな車台とデザインを採用したミドルサイズSUV
まずは、2代目ボルボ XC60のモデル概要をざっとご紹介しましょう。
2008年に登場した初代XC60の後を受けて、2代目XC60がデビューしたのは2017年。上級モデルであるXC90と同じ新しいプラットフォーム「SPA(スケーラブルプロダクトアーキテクチャー)」を採用することで、ボディの軽量化やパワートレインの高効率化などが実現されました。
ボディサイズは全長4690mm × 全幅1900mm × 全高1660mm。エクステリアデザインは「トールハンマー」と呼ばれるT字型のLEDデイライトを備えたヘッドライトが、最新のボルボデザインであること主張しています。
▲こちらが2代目ボルボ XC60
▲プラグインハイブリッド車ではエアサスペンションが標準装備となるが、その他のグレードは金属サスが標準で、エアサスはオプション扱いとなる
▲ステアリングホイールやATセレクターなどは、最上級モデルであるXC90と共通。センターコンソールのふたは「流木をイメージした」という木材が使用されている(※国内モデルは右ハンドル仕様)インテリアは、スウェーデンの高級ガラスメーカー「Orrefors(オレフォス)」製のクリスタルを使用したシフトレバーや、流木をモチーフにした「ドリフトウッドパネル」などがいかにも北欧的。
インフォテインメントシステムには縦長の9インチセンターディスプレイを採用。赤外線方式のタッチスクリーン方式とすることで物理スイッチを削減しており、オプションで「Bowers & Wilkins」のハイエンドなオーディオシステムが用意されたのも見逃せないポイントです。
導入当初のパワートレインは最高出力254psの2L 直4ガソリンターボの他に3種類、合わせて4種類が用意されました。このあたりはそれぞれ少々ややこしく、さらにこの後、XC60のパワーユニットは何度も変更を受けたため、パワーユニットの変遷については後ほどわかりやすく整理してお伝えします。
駆動方式はフルタイム4WDが基本ですが、「プラスB5」というグレードだけは2WDです。
先進安全装備は、運転支援機能をパッケージ化した「インテリセーフ」を全車に標準装備。衝突回避・軽減フルオートブレーキの作動速度は60km/hまで高められ、車線変更の際に後方からの車両との衝突を回避するようステアリングを自動で操作する「ステアリングアシスト付きBLIS」も新たに搭載されています。
また、140km/h以下であれば渋滞中でも車線を維持するアダプティブクルーズコントロール「パイロットアシスト」を搭載することで、レベル2水準の自動運転を実現しました。
その後も2代目ボルボ XC60は運転支援システムの向上やパワーユニットの変更(電動化)、インフォテインメントシステムの刷新などを重ねつつ、現在も新車の販売が続いています。
▲上の図版は、車線変更の際に後方からの車両との衝突を回避するようステアリングを自動で操作する「ステアリングアシスト付きBLIS」の説明図。先進安全装備は最初期から充実しており、モデルライフ途中でのアップデートもひんぱんに行われているパワーユニット:完全電動化に向かってめまぐるしく変遷
デビュー時から現在に至るまで、ちょっとややこしい変遷の2代目XC60のパワーユニットですが、時系列で整理すると以下のとおりになります。
2017年10月の登場時から2020年3月までの初期のパワーユニットは、プラグインハイブリッド車の他はすべて純ガソリンエンジンまたは純ディーゼルエンジンでした。それぞれのグレードが搭載したパワーユニットは下記のとおりです。
【T5】2L 直4ガソリンターボ。最高出力254ps
【T6】2L 直4ガソリンターボ+スーパーチャージャー。最高出力320ps
【D4】2L 直4ディーゼルターボ。最高出力190ps
【T8】2L 直4ガソリンターボ+スーパーチャージャー+モーターのプラグインハイブリッド。システム最高出力405ps
▲写真は初期型XC60の中心的なパワーユニットである2L 直4ガソリンターボエンジン
それまでのT5に代わって、48Vハイブリッドシステムを採用する「B5」というパワートレインを採用するグレードが登場しました。
【B5】2L 直4ガソリンターボ+モーター。エンジン最高出力250ps、モーター最高出力13.6ps
2L 直4ディーゼルターボの「D4」と、2L 直4ターボ+スーパーチャージャー「T6」を廃止。すでに導入済みの「B5」に加え、T6の代わりとして電動スーパーチャージャー搭載の「B6」をラインナップ。また既存の「ツインエンジンT8」は「リチャージプラグインハイブリッドT8」というグレード名に変更されました。
【B5】前同
【B6】2L 直4ガソリンターボ+電動スーパーチャージャー+モーター。エンジン最高出力300ps、モーター最高出力13.6ps
【リチャージプラグインハイブリッドT8】2L 直4ガソリンターボ+スーパーチャージャー+モーターのプラグインハイブリッド。システム最高出力405ps
▲2020年8月に純ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを廃止し、すべてのXC60は電動パワーユニットを搭載するに至った。写真はプラグインハイブリッド車である「リチャージプラグインハイブリッドT8」
プラグインハイブリッド車の駆動用バッテリーの容量を増大させ、2L 直4エンジンのスーパーチャージャーを外して「ターボチャージャーのみ」に変更。その他、モーター関係やエンジン本体も改良し、「T6」という、やや出力を抑えたプラグインハイブリッドシステムがXC60に搭載されました。
【リチャージプラグインハイブリッドT6】2L 直4ガソリンターボ+モーターのプラグインハイブリッド。システム最高出力350ps
中古車のオススメ1|なるべくお安く狙うなら2Lガソリンターボの「T5」
2代目XC60をなるべくお安く、しかしなるべくいいモノを買いたい――と考えるのであれば、狙うべきは2017年から2020年途中まで販売されていた「T5」。
つまり、最高出力254psの2L 直4ターボエンジンを搭載する純エンジン車です。
▲必要十分な走行パフォーマンスを体感できる2L 直4ガソリンターボ搭載グレード「T5」同時期に販売された高出力な「T6」も気になるところですが、普通に乗る分にはT5の動力性能でも十分以上であり、安全装備なども十分。そして、そもそもT6は中古車の流通量がかなり少なく、買うにしても総額400万円近くになります。
しかしT5であれば、比較的豊富な流通台数の中から総額320万~380万円ぐらいの予算感でもって“選ぶ”ことが可能なのです。
標準グレードの(といっても装備は十分以上に充実している)T5 AWD モメンタムと、上級グレードであるT5 AWD インスクリプションは、どちらを選んでも良いとは思いますが、両者の価格差はさほど大きくはなく、モメンタムの方は流通台数がやや希少です。
そのため、ここは素直に上級グレードのT5 AWD インスクリプションを中心に探してみるのが得策でしょう。
▼検索条件
ボルボ XC60(2代目) × T5系グレード中古車のオススメ2|ディーゼルエンジン狙いなら2020年途中までの「D4」
ディーゼルターボエンジンを搭載する2代目XC60を狙いたい場合は必然的に、最初期から2020年途中まで存在した唯一のディーゼルパワートレイン「D4」を選ぶことになります。
▲トルクフルで、経済的でもある2L 直4ディーゼルターボ搭載グレード「D4」2L 直4ディーゼルターボエンジンの最高出力は190psとほどほどですが、最大トルクは4L自然吸気エンジン並みといえる400N・m。JC08モードではありますが燃費も16.1km/Lと、このクラスのSUVとしてはなかなかのものです。
走行距離5万km以下の物件に絞った場合の中古車価格は総額340万~450万円といったところ。そのうち最も流通量豊富なのは、上級グレードであるD4 AWD インスクリプション。これの走行距離5万km以下の物件が、モデル全体の平均価格以下である総額400万~450万円付近で狙えるでしょう。
もう少しお安くD4を買いたい場合は、標準グレードであるD4 AWD モメンタムに狙いを変えれば、総額340万円付近から探すことも可能です。D4 AWD モメンタムの標準シート表皮は「T-Tec/テキスタイル・コンビネーション」ですが、大半の中古車はメーカーオプションの本革シートを装着しています。
なお、スポーティなイメージのD4 AWD Rデザインもおおむね同予算で狙えますが、こちらは中古車の流通量がかなり希少です。
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ボルボ XC60(2代目) × ディーゼル車中古車のオススメ3:プラグインハイブリッド車の狙い目はご予算次第……
2代目XC60のプラグインハイブリッド車を買いたい場合、選択肢は大きく分けて3つ。初期の「T8 ツインエンジン AWD インスクリプション」にするか、それが改名された「リチャージプラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション」を選ぶか、はたまた2021年12月以降のT6系プラグインハイブリッドシステムに変わった世代を狙うか――です。
▲写真上は2022年7月に登場したリチャージ アルティメットT6 AWD プラグインハイブリッドその中からどれを選ぶべきかは、ぶっちゃけご予算次第ではあるのですが、総額600万~800万円ぐらいのご予算をかけられるのであれば、EV航続距離が従来型の約2倍になった「T6世代」を選ぶに越したことはないでしょう。
初期型であるT8系よりシステム最高出力は劣りますが、T8系がすごすぎるだけで、実際にはT6系のシステム出力でも普通に十分です。
総額600万円以上はさすがにちょっと高い――と感じる場合は、初期のT8系システムを搭載した世代を狙うことになります。最初期のプラグインハイブリッド車であるT8 ツインエンジン AWD インスクリプションは総額450万~500万円が予算の目安となり、改名後のリチャージプラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプションは総額530万~590万円が目安。
両者のEV航続距離は約40kmと短めですが、普段づかいにおいてそこがさほど問題にならないのであれば、悪くない選択でしょう。
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ボルボ XC60(2代目) × プラグインハイブリッド車▼検索条件
ボルボ XC60(2代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
この記事で紹介している物件
ボルボ
XC60 D4 AWD インスクリプション ディーゼルターボ 4WD 2019モデル インテリセーフテン 黒革 ナビ DTV 全方位カメラ スマキー ハーマンカードン Pアシストパイロット ヘッドアップD 前後ドライブレコーダー LED 禁煙車 ワンオーナー 整備記録簿
本体価格255.8万円
支払総額269.8万円
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