▲BMWはエンジン屋といわれるほど、エンジンにはこだわりがある。オープンにすることで、そのエンジンサウンドも楽しむことができる ▲BMWはエンジン屋といわれるほど、エンジンにはこだわりがある。オープンにすることで、そのエンジンサウンドも楽しむことができる

4シーターオープンのバリエーションが豊富で選びやすい

レクサス ISコンバーチブルを最後に、国産メーカーが4シーターオープンカーを作らなくなって久しい日本において、輸入車メーカーだけが今も日本市場に4人が乗れるオープンカーを投入してくれている。

中でもBMWとメルセデス・ベンツは現在も3車種ずつ、BMWはMモデルを入れれば4車種をラインアップしている。

BMWといえば「駆け抜ける歓び」を掲げるほど走りにこだわるメーカーだ。しかし本来オープン化すればボディ剛性が落ちるし、それを補おうとすれば重量が増える。

つまり走りに影響が出やすいのだが、それでもBMWはボディ剛性を損なわず、走りの性能を落とさないよう改良を加えて、以前から積極的にオープンモデルを作り続けている。

現行モデルだけで見ても4人乗りの2シリーズ、4シリーズ、8シリーズ、M4、2人乗りのZ4やi8ロードスターもある。

M4カブリオレを例に取れば、クーペのM4の上級グレード、コンペティションと同じ最高出力450psのエンジンを搭載する。

モータースポーツからのフィードバック技術であるアダプティブMサスペンションやMドライブも奢られるのも同様で、そのうえM4クーペ コンペティションにはない、屋根のない爽快感が加わる。

サーキットも楽しいが、木々の緑が青空に映えるようなワインディングにも「駆け抜ける歓び」がある、それがBMWのオープンカーというわけだ。

M4カブリオレコンペティションは昨年から販売されたばかりのため、まだ中古車は見つからないが、先述したようにBMWの4人乗りオープンカーは以前から投入され続けてきた。

そんな「駆け抜ける歓び+爽快感」のあるBMWの4人乗りオープンカー。その中でも10年落ち未満といった良程度で、新車時本体価格の約半額ほどで購入できるというお買い得な3車種を紹介する。

クラス唯一のFR、しかも4シーターオープンと希少価値たっぷり
2シリーズカブリオレ

▲デビュー翌年の2016年には新世代エンジンに変わったが最高出力や最大トルク、JC08モード燃費は変わらない。2017年にはマイナーチェンジで内外装デザインの変更や装備のアップデートが行われた▲デビュー翌年の2016年には新世代エンジンに変わったが最高出力や最大トルク、JC08モード燃費は変わらない。2017年にはマイナーチェンジで内外装デザインの変更や装備のアップデートが行われた
▲先代にあたる1シリーズカブリオレと比べて室内騒音を半減させるソフトトップや、ボタンひとつでフロントシートが自動でスライドして後席への乗り込みをしやすくする機能などを装備。もちろん衝突被害軽減ブレーキも標準で備わっている▲先代にあたる1シリーズカブリオレと比べて室内騒音を半減させるソフトトップや、ボタンひとつでフロントシートが自動でスライドして後席への乗り込みをしやすくする機能などを装備。もちろん衝突被害軽減ブレーキも標準で備わっている

フォルクスワーゲンのゴルフやメルセデス・ベンツ クラスなどが競合車となるBMW 1シリーズ。

このクーペ版が今回紹介する2シリーズで、1シリーズ同様FR車だ。ややこしいけれど車名に「ツアラー」がつく2シリーズはFF車で、これとは別物。

で、FRの1シリーズと2シリーズは、このクラス唯一のFR車。またフォルクスワーゲン ゴルフカブリオやプジョー 308CCがいなくなった現在、カブリオレはクラス唯一のオープンカーでもあるのだ。

そんな希少な2シリーズカブリオレがデビューしたのは2015年4月。2L直4ツインパワーターボエンジンに8速ATが組み合わされ、前後重量配分約50:50というバランスの取れた同社最小クラスのボディを小気味よく操ることができる。

先述したように希少価値のある4シーターオープンカーのためか、中古車の値落ちはじっくり安定型。原稿執筆時点で台数は38台だが、そのうち約4割が走行距離1万km未満と良程度の個体が目立つ。

新車価格は525万~636万円(本体価格)だが、今は総額約330万円から見つけられる。

▼検索条件

BMW 2シリーズカブリオレ(初代)×全国

現行モデルながら新車時価格の半額以下で狙える中古車も見つかる
4シリーズカブリオレ

▲2016年4月には馬力が240kW、トルクは450N・mを発生するより強力な新生代3L直6ツインパワーターボエンジンに変わった。それに伴い車名も435iから440iに変更。2017年には内外装デザインを中心としたマイナーチェンジが行われた▲2016年4月には馬力が240kW、トルクは450N・mを発生するより強力な新生代3L直6ツインパワーターボエンジンに変わった。それに伴い車名も435iから440iに変更。2017年には内外装デザインを中心としたマイナーチェンジが行われた
▲オープン時にはハードルーフがトランクに収まっているが、車から降りた状態でもボタンひとつで収納されているルーフを持ち上げられるので、荷物の出し入れがしやすい▲オープン時にはハードルーフがトランクに収まっているが、車から降りた状態でもボタンひとつで収納されているルーフを持ち上げられるので、荷物の出し入れがしやすい

3シリーズのクーペは第6世代からクーペやカブリオレが4シリーズと呼ばれるようになった。

1980年代の第2世代からカブリオレが用意されていて、第5と第6世代では、閉じればクーペになるハードルーフが採用された。

すでにセダンの3シリーズは第7世代に移行したが、現時点での4シリーズの現行型は第6世代だ。

日本デビューは2014年2月。第6世代で最強の3L直6ツインパワーターボを搭載。これに8速ATが組み合わされる。最高出力306ps・最大トルク400N・mという心臓部に対応して足回りも専用のセッティングが施されている。

ターボ化されたとはいえ、同社のストレート6特有の気持ちいい回転フィールはやはり格別だ。

また、導入モデル時から衝突被害軽減ブレーキは標準装備だが、約半年後の11月からアクティブクルーズコントロールも追加された。

新車時の車両本体価格は826万~947万円だが、デビューから5年が経ち、その半額以下の中古車も見つかるようになってきている。総額450万円ほどで、2015年式・走行距離3万kmといった中古車が選べる。

▼検索条件

BMW 4シリーズカブリオレ(初代)×全国

他のスポーツカーをカモれる!? Mモデルのオープンカー
BMW M6カブリオレ

▲BMW M6カブリオレ/2013年には衝突被害軽減ブレーキが標準装備に。2015年には内外装デザインの変更などマイナーチェンジが行われ、2016年には600psのスペシャルモデル「コンペティション」が13台限定で発売された▲BMW M6カブリオレ/2013年には衝突被害軽減ブレーキが標準装備に。2015年には内外装デザインの変更などマイナーチェンジが行われ、2016年には600psのスペシャルモデル「コンペティション」が13台限定で発売された
▲高級な本革を使用したシートや12スピーカー+USB対応の高級オーディオシステムなど、インテリアは長距離ドライブを楽しむためのラグジュアリーな装備が奢られている▲高級な本革を使用したシートや12スピーカー+USB対応の高級オーディオシステムなど、インテリアは長距離ドライブを楽しむためのラグジュアリーな装備が奢られている

主にモータースポーツ関連を担っていたBMW Mが、サーキット走行を前提にチューニングしたのがMモデル。このM6カブリオレも、オープンながらサーキット走行を楽しむための1台だ。

ベースは6シリーズカブリオレだが、サスペンション形式は同じでも取り付け方や素材が異なるなど、かなり変更されている。

BMW Mが手を加えた4.4L V8ツインパワーターボエンジンは最高出力560ps・最大トルク680N・mを発生。ミッションもBMW Mのダブルクラッチの7速M DCTドライブロジックだ。

左右のリアホイール間で自在に配分することで、路面状況に応じて常に最適なトラクションを確保するアクティブMディファレンシャルをはじめ、レースからのフィードバック技術もたっぷり投入されている。

新車時の車両本体価格は1695万円からとお値段もスペシャルだったが、中古車の平均価格は約750万円と半額以下に。しかも総額約900万円で1.1万kmが選べるなど、走行距離の短い中古車が目立つ。

Mモデルの「屋根開き」というレアなポジションのため、原稿執筆時点の台数はわずか6台しかないが、レアということはそれだけ貴重なモデルということだ。

オープンカー乗りにとっては、新緑からの木漏れ日が楽しめる季節になった。そんな景色の中、「駆け抜ける歓び」を全身に感じながら走ってみてはどうだろうか。

▼検索条件

BMW M6カブリオレ(3代目)×全国
文/ぴえいる、写真/BMW

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。