マツダアテンザワゴン ▲マツダのフラッグシップ「アテンザ」のワゴン。人馬一体はロードスターだけの話ではなく、フラッグシップのワゴンでも気持ちのよい走りが楽しめる
 

マツダ アテンザスポーツワゴン/アテンザワゴン/MAZDA6ワゴンの中古車は今

BMW 3シリーズやアウディA4など競合の多いクラスで、世界に通用するスポーティセダン&ワゴンとして開発されたのが、2002年に登場したアテンザのセダンとワゴンだ。

初代と2代目のワゴンモデルは「アテンザスポーツワゴン」、3代目は「アテンザワゴン」で、途中から「MAZDA6ワゴン」と名称は度々変更されたが、いずれも「アテンザ(現行型はMAZDA6)のワゴンモデル」である。

現在、各モデルの中古車流通台数・平均価格は、下記のような状況だ。

アテンザスポーツワゴン(初代)|約20台・約25万円
アテンザスポーツワゴン(2代目)|約50台・約35万円
アテンザワゴン(初代)|約350台・約140万円
MAZDA6ワゴン(現行型)|約50台・約330万円

アテンザスポーツワゴンの初代と2代目は、台数が少ないが、予算50万円で手に入れることが可能。

アテンザワゴンは流通量が豊富で、グレードやエンジンタイプなど条件に合わせて選びやすい状況だ。

MAZDA6は現行モデルということもあり流通量はまだ少ないが、予算300万円プラスαで低走行車を見つけることもできる。

ここからはアテンザスポーツワゴン(初代)、アテンザスポーツワゴン(2代目)、アテンザワゴン(初代) & MAZDA6ワゴン(初代)の3つに分け、それぞれの特徴や中古車相場について紹介する。

 

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アテンザスポーツワゴン(初代)の特徴と中古車相場

■アテンザスポーツワゴン(初代)DATA
生産期間:2002年6月~2007年12月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:20万~50万円
 

アテンザスポーツワゴン(初代) ▲流線型のボディラインが美しい初代アテンザスポーツワゴン。ラゲージ容量は505L。ラゲージ内のレバーを引くと、後席を簡単に畳むことができる
アテンザスポーツワゴン(初代) ▲オプションで、サブウーファー付きのBOSEサウンドシステムが選べた

■アテンザスポーツワゴン(初代)の特徴
世界に通用するワゴンとして開発された、初代アテンザスポーツワゴン。モデル名にあえて「スポーツ」と付けられたように、優れたハンドリングが魅力のワゴンだ。当初用意されたエンジンは、2Lと2.3Lの2種類。組み合わされるトランスミッションは4速ATで、2.3L車にはマニュアル車感覚でシフトを変えられる機能が備えられた。

2002年6月には、走行状況に応じて前後のトルク配分を自動で変えてくれる、2.3Lの4WD車が追加された。トランスミッションは、マニュアルシフト付きの5速ATだ。次いで、2002年9月には2.3Lの5速MT車が、2003年には専用チューンされた足回りを備えるトップグレード「23Z」が追加された。

2005年6月のマイナーチェンジで全車マニュアルシフト付き5速AT、または6速MTに変更となった。
 

■アテンザスポーツワゴン(初代)の中古車相場
全体の約8割が2.3L車で、中でもエアロパーツなどスポーティなグレードの「23S」や、その特別仕様車「23SS」だけでも約5割を占める。同じ走行距離や年式で比べると、価格は2L車より2.3L車の方が高めだ。といっても、いずれも総額70万円以内で狙うことができる。

ほとんどが走行距離10万km未満だが、5万km未満に絞るとわずか数台しかない。生産期間内で大きな改良がなかったこともあり、年式や走行距離よりも、実車のコンディションを見比べながら判断した方がいいだろう。
 

 

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アテンザスポーツワゴン(2代目)の特徴と中古車相場

■アテンザスポーツワゴン(2代目)DATA
生産期間:2008年1月~2012年10月
中古車流通量:約50台
中古車価格帯:20万~120万円
 

マツダ アテンザスポーツワゴン(2代目) ▲ヘッドライトが大型化され、フロントマスクは迫力ある印象に
マツダ アテンザスポーツワゴン(2代目) ▲上級グレードには本革シートが標準装備された。標準装備のオーディオはAUX外部入力端子が備わるので、対応ケーブルを購入すれば今でもスマートフォンの音楽を聴くこともできる。HDDナビならBluetooth対応となる

■アテンザスポーツワゴン(2代目)の特徴
“最高の高速ロングツアラー”を目指して開発された2代目。搭載されたエンジンは従来の2Lと、新開発の2.5L。初代の2.3Lはハイオク仕様だったが、この2.5Lはレギュラーガソリン仕様となる。

トランスミッションは5速または6速ATと、6速MTが用意された。2.5L車には走行状況や路面状況に応じて、前後輪の駆動力配分を自動で最適化してくれる4WD車も設定されている。

2010年1月のマイナーチェンジでは、2Lエンジンが低燃費と走行性能向上を両立させる新エンジンに切り替えられた。また、走行性能を高めるため、ステアリングやサスペンションなどの改良も行われている。
 

■アテンザスポーツワゴン(2代目)の中古車相場
流通する約50台のうち、2Lと2.5Lの割合は同程度。同程度の年式と走行距離で比較すると、2L車の方が安くなっている。走行距離5万km未満は数台見つかり、2L車も存在する。手頃な価格でにコンディションのよいワゴンを狙いたいのであれば、2L車がオススメだ。予算の目安は、70万円前後になる。

一方、2L車より走りに余裕のある2.5L車は、走行距離5万km超の物件が大半。走行距離8万~10万kmで、総額50万円くらいが相場だ。最上級グレードの「25Z」を除けば総額100万円以内で見つけることができる。
 

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アテンザワゴン(初代)/MAZDA6ワゴン(現行型)の特徴と中古車相場

■アテンザワゴン(初代)/MAZDA6ワゴン(現行型)DATA
生産期間:2012年11月~
中古車流通量:約400台
中古車価格帯:60万~370万円
 

マツダ アテンザワゴン ▲全長4800mm×全幅1840mm×全長1480mmと、欧州のライバル車を意識して特に全幅が拡大された
マツダ アテンザワゴン ▲ダッシュボードの触感など、質感の向上がインテリアのテーマのひとつ。ステアリングに使用されている革も厳選されたものだ。AT車にはパドルシフトが備わる
マツダ アテンザワゴン(初代) ▲ラゲージ容量は506Lで、先代と同程度。ラゲージ内のレバーで後席を倒す機能や、バックドアを開けるとトノカバーも開く機能も2代目から継承

■アテンザワゴン(初代)/MAZDA6ワゴン(現行型)の特徴
現在のすべてのマツダ車(軽自動車を除く)に投入されている、新世代技術である「スカイアクティブ」を採用したアテンザ。マツダのフラッグシップワゴンに相応しい新機能や快適機能が、余すところなく注ぎ込まれている。

この世代から、名称が「アテンザワゴン」に変更された。衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全技術「アイ・アクティブセンス」も用意され、2013年11月には、衝突被害軽減ブレーキが全車標準装備となった。

エンジンはいずれも新世代の2Lガソリンと2.5Lガソリン、2.2Lクリーンディーゼルのターボエンジンが搭載されている。トランスミッションは6速ATと、ディーゼル車には6速MTもある。デビュー時は2WDのみの設定だった。

2013年11月にマイナーチェンジが行われ、「アイ・アクティブセンス」にハイ/ロービーム自動切替や車線維持機能、アダプティブクルーズコントロール機能が追加された。ただし、グレードにより「アイ・アクティブセンス」に備わる機能が若干異なるので購入時に確認が必要だ。

同時に新世代4WDシステムを搭載した4WD車が追加され、クリーンディーゼル車のグレードが拡充された。

2016年8月にはコーナリング時の姿勢を制御し、スムーズな加速と安定感を生む「Gベクタリングコントロール」技術が全車に採用された他、クリーンディーゼルエンジンの音を低減された。「アイ・アクティブセンス」の作動速度域も拡大している。

2018年6月には再びマイナーチェンジが行われ、サスペンション構造を一新。同時に、3種類のエンジンもすべてが改良されて燃費が向上している。また、アダプティブクルーズが改良され、停車状態からでも追従走行が可能になった。

2019年7月に、アテンザの海外名「MAZDA6」が日本市場でも採用されることになり、ワゴンは「MAZAD6ワゴン」と名称が変わった。同時に2.5Lガソリンターボ(2WD・6速AT)が追加されている。このように近年のマツダ車は、度々改良が施されるので、「この機能は外せない」という人は、年式による違いを事前に確認しておいた方がいいだろう。
 

■アテンザワゴン(初代)/MAZDA6ワゴン(現行型)の中古車相場
アテンザワゴンの約8割、MAZDA6ワゴンの約7割がディーゼル車だ。アテンザワゴンは、総額100万円以内から見つけることができるが、走行距離10万km超の多走行車がほとんどとなる。

また、MAZDA6ワゴンは走行距離1万km未満の物件がほとんどで、予算の目安は300万円からとなる。新車並みのコンディションを少しでも安く手に入れたいなら、このような低走行車を要チェックだ。

ディーゼルエンジン搭載車は、トルクが大きくてロングドライブに適しているゆえ、今後、走行距離の伸びた物件が多くなると思われるので、走行距離よりもキズやへこみなどのコンディションを実車でチェックして購入を判断した方がいい。走行距離5万km未満で探すのであれば、予算を150万円あたりまで上げた方が、探しやすくなるだろう。

装備の充実した物件を選びたいのであれば、先行車に追従して加減速してくれる「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」や前席電動パワーシート、本革シートなどを備えた「Lパッケージ」を狙うといい。2.5Lガソリン車と2.2Lディーゼル車に設定されていて、アテンザワゴンの約5割にあたる約140台が見つかった。走行距離10万km超なら支払総額100万円以下から狙える。

衝突被害軽減ブレーキは、まだ新しい技術のため、進化の度合いが高い。そのため、精緻な制御を求めるのであればなるべく高年式を狙うことをオススメする。
 

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※記事内の情報は2021年6月18日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/マツダ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。