VW ゴルフR▲フォルクスワーゲン ゴルフ R登場から20周年を記念しに登場した、ゴルフ R 20Years。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする

ゴルフ Rの20周年を記念して登場したスーパーモデル

フォクルクスワーゲン ゴルフには、熱狂的なファンが多い。昨今ではゴルフの立ち位置が難しくなっている部分もあるが、特にGTIとRはその濃いキャラクター性と希少性から、さらにコアなファンが存在するのは確かだ。

GTIはFFという伝統ある駆動方式でありながら、専用に煮詰めたセッティングで軽快で、ミディアムクラスのスポーツハッチでありながら大きさを感じさせない動きが特徴的だ。

一方のゴルフRは、四輪駆動を採用するより一層ハイパフォーマンスなモデルであるが、今回はさらにステージを上げた「20周年記念モデル」の“ゴルフ R 20 Years”に試乗する機会を得た。

ゴルフ Rの前身でもあるゴルフ R32を初めて試乗してから、もう20年も経過したのだと驚かされる。
 

VW ゴルフ R32▲第5世代のゴルフに設定されていたハイパフォーマンスモデルの「R32」

少し歴史的な話をすると、日本に初めてR32が登場したときはMTのみの設定であった。

挟角のV型6気筒ユニットのレスポンスとトルクフルな特性から、フォルクスワーゲンの内燃機関の作り方にただ圧巻したものだ。

しかも独自の制御を誇る“4MOTION”という四輪駆動システムと専用のサスペンションチューニングは路面とのコンタクトは抜群で、おそらく今試乗しても20年前の技術とは思えないスタビリティを確保しているモデルだ。

その後、日本に輸入されたゴルフ Rにも“DSG”と呼ばれる3軸を使ったツインクラッチによるMAT仕様が追加された。現在フォルクスワーゲンの主力ATの元祖が、Rシリーズで初めて搭載されたのであった。

余談だが当時、本国仕様のDSGのR32に試乗したことがあるが、最新のモデルに乗るたびにスムーズなフィーリングと高揚感あるシフトフィールを感じ、著しく進化していることがわかる。

歴代のゴルフRすべてに試乗してきたが、改めて考えるとどのモデルでも高度な操安性が約束されていた。

専用のシートはヒップをしっかりとホールドし、ドライバーの目線を迷わせない。ステアリングは正確無比で、とっさの操作でも決して急激な動きをすることなく、ただ速さを狙ったセッティングではないことが理解できたのだ。

エンジン出力もトルキーなNAユニットから2リッターターボへ変わっていったが、出力の不満は皆無だった。
 

VW ゴルフ R▲先代のゴルフ Rにももちろん試乗したが、とても高度な操安性が確保されていた

もはやプレミアムスポーツハッチバックとなったゴルフ R 20 Years

さて前置きが非常に長くなってしまったが、ゴルフ Rはそれだけ思い出深いモデルなのである。

今回はゴルフ Rとしては20年目となる、まさに集大成モデルへの試乗だ。
 

VW ゴルフ R
VW ゴルフ R
VW ゴルフ R

エンジン出力は改良に改良を重ねたEA888型の究極のパワーアップ版を搭載。このユニットは現在まで4世代のゴルフ Rを支えてきた名機中の名機だが、20Yearsでは333psまでパワーアップが図られている。

また、専用品が多数盛り込まれていることがわかる。真っ先に目に入ったのは“アクラポビッチ”製のマフラーだ。
 

VW ゴルフ R▲搭載されるEA888型ユニットは極限までパワーアップされている
VW ゴルフ R▲二輪、四輪の高性能マフラーなどを製造するアクラポビッチ

エンジン始動と同時に乾いた素晴らしいサウンドが鼓膜を打つ。Dレンジに入れて発進だ。

ステアリングは重めだが安心感がある。確実にステップアップ&ダウンを繰り返すDSGはきめ細かく、連続的な制御でエンジンのファンタスティックな部分を教えてくれる。ダイレクト感があり、動力を確実に路面に伝えるため、どっしりとした雰囲気さえうかがえる。

スロットルを浅く深く開けることを繰り返しながら、ゆっくりと最高のワインディングへ向かう。

NAのようなトルク感は4Lオーバーの雰囲気だ。踏み込んでいくと低音だった音がハーモニックな高音域へと移る。エンジンの軽さが際立つマフラーだ。

タイトなコーナーでも安心したコンタクトで、不安定な挙動はない。乗り心地も多少ソリッド感はあるが、サスペンションが細かなアンジュレーションとロールを抑え、極力ドライバーや同乗者に不快な思いをさせないようにセッティングされている。

これはホットハッチというか、もはやプレミアムスポーツハッチバックである。極めて速いスポーツカーと言っても語弊はない。
 

VW ゴルフ R

後輪のトルクベクタリングも、以前に試乗したゴルフ Rの通常モデルよりもアクティブで、ダイレクト感がある動きだ。

瞬時にトルクを変動してナチュラルなスタビリティへと誘う。毎日乗る楽しさもあるかもしれないが、休日などに日常ではあり得ない秘められたパフォーマンスを瞬間味わうと、現実のエクスタシーを秒単位で味わえるはずだ。

そもそも標準のゴルフ Rでも十分すぎる性能を誇るため、史上最高のゴルフ R 20Yearsのパフォーマンスは、様々な車を乗り継いだ人でなければわからない領域であろう。

価格はおよそ800万円。通常モデルが約678万円だから、およそ120万円ほどの差がある。この差は、今フォルクスワーゲンがもてる力をすべて与えられたかどうかということだろうか。

エンジニアリング的にこれ以上の力をもつハッチバックはない。踏み込んで100m走ればその価値を知ることができる。それがフォルクスワーゲン ゴルフ R 20Yearsである。

VW ゴルフ R

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)×R 20Years× 全国 

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)×R× 全国 
文/松本英雄、写真/尾形和美、フォルクスワーゲンジャパン

【試乗車 諸元・スペック表】
●R 20Years 4WD

型式 7BA-CDDNFF 最小回転半径 -m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.3m×1.79m×1.46m
ドア数 5 ホイールベース 2.62m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.52m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1540kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、ラピスブルーメタリック

オプション色

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掲載コメント

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型式 7BA-CDDNFF
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、ラピスブルーメタリック
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 -m
全長×全幅×
全高
4.3m×1.79m×1.46m
ホイール
ベース
2.62m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.52m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1540kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 DNF 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 56リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1984cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 333ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
420(42.8)/5500
エンジン型式 DNF
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1984cc
最高出力 333ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
420(42.8)/5500
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 56リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。