フェラーリ カリフォルニアT ハンドリング・スペチアーレはその名のとおり特別なハンドリングマシンだ
カテゴリー: フェラーリの試乗レポート
タグ: フェラーリ / オープンカー / FR / カリフォルニアT / EDGEが効いている
2016/06/03
▲街乗りメインならノーマルのTでいい、とはならない。ハンドリング・スペチアーレでも十分、乗り心地は担保されている。むしろ、この先に12気筒のFRスポーツに乗る覚悟を決めておくためにも、コチラがオススメ。リセールバリューもいいだろうしその名に偽りなし、絶妙なハンドリングマシン
まずは一般道の感想から。コンフォートモードでの走りにも一定のゴツゴツとした感触はあって、硬いといえば硬い。けれども、決して嫌みなレベルではない。弾性をぎりぎりまで削ぎ落とし、常にシャープな瞬発力を感じさせる、とてもソリッドなテイストで、ちょっと前までのフェラーリはみんなそうだった。
次にリグーリア海岸沿いのワインディングを攻め込む。シフトのアップダウンがベラボーに速い。特に、ダウンシフト。たとえば4速から2速へ、一足(速? )飛びに落としたいときの変速スピードが恐ろしく速い。バシバシ、キマる。アップ時のダイレクト感も素晴らしい。
風を感じながらの加速は、強烈のひと言。エグゾーストノートがすべての領域でラウドになったため、加速フィールになおさら迫力が増した。低い回転域からしっかりとした音圧を伴い、ボリュームのあるサウンドを奏でる。
その名のとおり、真骨頂は、タイトベントでも思いのまま、乗り手の好きなように向きがキマる、特別なハンドリング性能がイチバンの魅力。
内を向く速度はノーマルTより明らかに俊敏だ。ステアリングの切れ角が少ない段階からノーズが自然かつ素早く動きだし、リアもシャープに追従する。車の回転を非常にコンパクトに感じることができるから、腰を中心に回転するような一体感を存分に楽しめた。
もう少し具体的に説明すると、姿勢の変化が素早いにも関わらず、好みの角度を保持しやすく、さらに旋回中の安定感も抜群で、脱出時のトラクションのかかり方はといえばまるで腰をダイレクトに後輪へとつなげたかのよう。アクセルレスポンスも十分に鋭く、かつ予測可能な範囲に収まっているから、右足を使いこなしてのハンドリングも思いのままだった。
曲がることが楽しい。これは、ミニF12だ。
▲よりスポーティな走りを楽しめるオプション、ハンドリング・スペチアーレ(HS)が最新バージョンに
▲Sportモードでより俊敏なギアチェンジ。スプリングも硬め、SCM3磁性流体式ダンパーの効率と応答速度を高めている
▲新型フロントグリルやマットブラックのリアディフューザーとテールパイプなど、よりスポーティな外観に仕立てられた【SPECIFICATIONS】
■グレード:California T ■乗車定員:4名
■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:3855cc
■最高出力:560/7500[ps/rpm]
■最大トルク:755/4750[n・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4570×1910×1322(mm) ■ホイールベース:2670mm
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