トヨタ アルファード

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2020【ミニバン・ワンボックスカー部門】

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

この記事では、ミニバン・ワンボックスカーの上位10 モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介しよう。
 

 

第1位|トヨタ アルファード(現行型)

(2015年01月~生産中)
 

トヨタ アルファード▲Lクラスミニバンで圧倒的な人気のアルファード。現行型は先代よりも高級感が大幅にアップ

キング・オブ・ミニバンとして絶大な人気を誇るアルファード。

2015年1月にデビューした3代目の現行型はリアにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用して、プレミアムモデルにふさわしい乗り心地に。静粛性も先代より大幅に高められた。

助手席スーパーロングスライドシートを搭載するグレードでは、助手席を2列目席と同じシートレール上に設置することで、最大1160mmのスライドを実現。結果、助手席に座る人も足を伸ばして移動できるようになった。

パワートレインは2.5Lと3.5Lのガソリンエンジン、そして2.5L+モーターのハイブリッドをラインナップ。ハイブリッドは全グレード電気式四輪駆動のE-Fourに。

2017年12月のマイナーチェンジでは、第2世代の予防安全パッケージ“Toyota Safety Sense”を全グレード標準装備。

加えて、自転車や夜間の歩行者も検知できる「プリクラッシュセーフティ」、レーダークルーズコントロールを使っているときに車線維持をしてくれる「レーントレーシングアシスト」などが搭載された。

2021年1月現在、現行型アルファードの中古車は約2800台流通しており、中古車相場は210万~1300万円。

そのうちハイブリッドは約400台で、価格帯は250万~1300万円、後期型は250万から見つけられる。
 

▼検索条件

トヨタ アルファード(現行型)×全国
 

●第2位|ホンダ オデッセイ(3代目)

(2003年10月~2008年09月)
 

ホンダ オデッセイ▲2019年までは総合順位でもベスト10にランクインしていた3代目オデッセイ。今なお人気は高い

ミニバンは居住性を高めるために、背を高くしてスライドドアを採用するスタイルが王道だ。しかし、3代目オデッセイはある意味“逆張り”とも言える、全高を低くしたスタイルを採用した。これには大きく2つの理由がある。

1つ目は、市街地での利便性向上に向け、一般的な機械式の駐車場に入れられるようにするため。2つ目は、全高を抑えることで重心を低くし、ミニバンでもスポーティな走りを楽しめるようにするためだ。

さらに、低床プラットフォームを採用したことで、全高を低くしても室内空間は十分な広さを確保しているのも特徴的。

ベーシックなグレード以外にスポーティなセッティングを施したアブソルートも設定された。

2021年1月現在、約460台の中古車が流通していて、中古車相場は10万~120万円。20年近く前にデビューしたモデルということもあり、アブソルートとベーシックグレードの価格差はほぼなくなっている。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(3代目)×全国
 

●第3位|トヨタ ハイエースバン(現行型)

(2004年08月~生産中)
 

トヨタ ハイエースバン▲通算5代目となる現行型はこれまでに複数回のマイナーチェンジを受け、最新モデルは6型と呼ばれている

ビジネス需要から趣味のトランスポーターまで、ワンボックスタイプで圧倒的なシェアを誇るハイエース。中でもバンには複数タイプの大きさがラインナップされている。

全長は標準ボディとワイドボディが、全幅はロングとスーパーロングが、全高は標準ルーフとミドルルーフとハイルーフが用意されるといった具合だ。

2012年4月の一部改良で、盗難防止システム(イモビライザー)が全グレード標準装備に。2013年11月のマイナーチェンジでは、スマートエントリーシステムがオプション設定された。そして2017年11月には、Toyota Safety Sense Pが標準装備となった。

エンジンは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンがラインナップされている。

2021年1月現在、3800台以上の中古車が流通しており、中古車相場は50万~900万円。高価格帯はキャンピングカーとして架装されたものがほとんどだ。
 

▼検索条件

トヨタ ハイエースバン(現行型)×全国
 

●第4位|トヨタ ヴォクシー(現行型)

(2014年01月~生産中)
 

トヨタ ヴォクシー▲トヨタのハイトミニバン3兄弟の中で、ヴォクシーは押し出し感を強調。特別仕様車の煌(きらめき)シリーズが特に人気

「ヴォクシー・ノア・エスクァイア」という兄弟車の中で、ヴォクシーはアクの強いデザインを採用。スタイルにこだわりたいミニバンユーザーから支持されているモデルだ。

2列目がキャプテンシートになっているものと、3人がけのベンチシートになっているものが用意されている。

キャプテンシートは最大810mmのロングスライドが可能で、ゆったりした姿勢で移動したり、旅先でも車内でのんびり過ごしたい人にピッタリ。ベンチシートも580mmスライドさせることができる。

パワートレインは2Lガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドを用意。ボディサイズは全幅が1735mmになるので、全グレード3ナンバーとなる。

2021年1月現在、4000台以上の中古車が流通。中古車相場は90万~400万円。

人気の煌(きらめき)シリーズは、煌が120万~330万円、煌IIが160万~400万円、煌IIIが220万~370万円となっている。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型)×全国
 

●第5位|日産 セレナ(現行型)

(2016年08月~生産中)
 

日産 セレナ▲長くミニバン販売台数No.1を記録したセレナ

2016年8月にフルモデルチェンジした5代目セレナは、ミニバンとしての使いやすさにとことんこだわったモデル。

それを象徴するのが、バックドアのガラス部分だけを開けて狭い場所でも荷物の出し入れができるデュアルバックドアだ。

また、足をかざしてスライドドアを開けられるようにしたハンズフリーオートスライドドアもいち早く採用した。

8人乗り仕様は2列目席のセンター部分を1~2列間でスライドでき、様々なシートアレンジが可能に。また、2列目席は前後スライドだけでなく、左右スライドもできるようになっている。

パワートレインはシンプルなハイブリッドシステムを搭載したスマートシンプルハイブリッドと、エンジンが発電に徹しモーターの力で走行するe-POWERを設定。

2021年1月現在、約2700台の中古車が流通。中古車相場は100万~420万円。

e-POWER搭載車は2018年3月に登場し、中古車相場は210万~420万円となっている。
 

▼検索条件

日産 セレナ(現行型)×全国
 

●第6位|日産 セレナ(4代目)

(2010年11月~2016年07月)
 

日産 セレナ▲セレナのボディは大きめでも見切りがいいので、運転に不慣れな人も安心してステアリングを握れる

どのモデルも多くのファミリーから支持されてきたセレナだが、4代目となるC26型も長くミニバン販売台数No.1を記録した。

4代目が支持された大きな理由は室内空間の広さ。クラス最大となる3060mm室内長により、それぞれの席でゆったり座ることが可能になった。

3列目席をはねあげれば荷物もたくさん積むことができ、2列目席まで格納すれば26インチの自転車を4台積むことができるので、トランスポーターとしての需要も高かった。

1~2列目間でスライドできるスマートマルチセンターシートや、左右にスライドできる2列目席など、現行型で評価の高い機能はすでに4代目にも盛り込まれていた。

減速時のエネルギーを利用して発電した電気で、モーターによる加速の補助を行うスマートシンプルハイブリッドも設定されている。

2021年1月現在、約3200台の中古車が流通。中古車相場は20万~250万円。

人気のハイウェイスターSハイブリッドは、2013年12月以降の後期型でも予算100万円以下の中古車がたくさん流通している。
 

▼検索条件

日産 セレナ(4代目)×全国
 

●第7位|三菱 デリカD:5(現行型)

(2007年01月~生産中)
 

三菱 デリカD:5▲デビューから13年以上経過してなお進化を続けるデリカD:5。デビューして間もない頃のモデルなら予算100万円以下の中古車が豊富にある

3列シートのミニバンにクロカン並みの4WDシステムを搭載するという、他車とは一線を画する進化をしてきたデリカシリーズ。

現行型のデリカD:5はモノコックボディの剛性を高めるために、哺乳類の肋骨のような環状型骨格構造(リブボーンフレーム)を採用した。

デビュー時はどちらかというとトラディショナルなスタイルだったが、2019年2月のマイナーチェンジでは三菱のデザインコンセプトであるダイナミックシールドを採用。押し出しの強いワイルドな表情へと生まれ変わっている。

また、デビュー時はガソリンエンジンのみのラインナップだったが、2013年1月に2.2Lクリーンディーゼルが追加された。

2021年1月現在、約1600台の中古車が流通していて、中古車相場は30万~560万円。

ディーゼル車は150万円から、ダイナミックシールドを採用したモデルは310万円から探すことができる。

 

▼検索条件

三菱 デリカD:5(現行型)×全国
 

●第8位|トヨタ シエンタ(現行型)

(2015年07月~生産中)
 

トヨタ シエンタ▲ミニバンの中でもしゃれた雰囲気が特徴的なシエンタ

愛らしい雰囲気だった初代から一転し、現行型シエンタはフレンチ風味を取り入れたおしゃれなイメージのコンパクトミニバンに生まれ変わった。

低床&フラットフロアにより、コンパクトでも広々とした室内を実現。乗り込み口に段差がないので、靴を引っ掛けるような心配もない。

初代は3列目に大人が座るのはきつかったが、現行型ではその点が改善されている。

パワートレインは1.5Lガソリンエンジンと、1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドを用意。ハイブリッド車は、ミニバントップレベルの低燃費(WLTCモード22.8km/L)を実現した。

2021年1月現在、約3000台の中古車が流通していて、中古車相場はガソリンモデルが80万~250万円、ハイブリッドが90万~270万円となっている。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型)×全国
 

●第9位|トヨタ プリウスα(現行型)

(2011年05月~生産中)
 

トヨタ プリウスα▲2021年3月末での生産終了がアナウンスされているプリウスα。終了後は高年式車を中心に一時的に相場が上がる可能性も。狙っている人は早めの決断を!

3代目プリウスをベースに、全高を高くして居住性と積載性を高めたプリウスα。2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りが用意されている。

後部座席のドアは一般的なヒンジ式になるので、ステーションワゴン的に使える3列シート車と考えるといいだろう。

3列シート車はリチウムイオン電池を採用することで、2列シート車よりバッテリーを小型化。これにより3列目席のスペースを犠牲にせず、身長170cmの人でも座れるようになった。また、3列目席を格納すれば2列シート車と同等のラゲースペースが出現する。

2014年12月にはGスポーツ、2017年12月にはGRスポーツを設定するとともに、カタログモデルを一部改良して衝突回避支援パッケージ“Toyota Safety Sense P”を全グレード標準装備とした。

2021年1月現在、約2800台の中古車が流通していて、このうち3列シート車は500台弱。3列シート車の中古車相場は60万~290万円となっている。
 

▼検索条件

トヨタ プリウスα(現行型)×全国
 

●第10位|トヨタ エスティマ(3代目)

(2006年01月~2019年10月)
 

トヨタ エスティマ▲最終型は13年にわたり生産。アルファードなどのLクラスミニバン、ヴォクシーをはじめとする2Lハイトミニバンとは違う、独自の世界観を提案した

1990年以来、ミニバンの中でも独自のパッケージングを貫き、「これじゃないとダメ!」というファンを多く獲得してきたエスティマ。

2019年10月に生産が終了したが、中古車市場では現在も人気が高いモデルだ。

最終型は、2006年1月~2012年4月と2012年5月~2016年5月、そして2016年6月~2019年10月でフロントマスクのデザインが大きく異なる。中古車を探すときは価格や走行距離だけでなく、どのデザインが好きかに注目してほしい。

デビュー時、パワートレインは2.4L直4と3.5L V6を用意。ハイブリッドは2006年6月にフルモデルチェンジした。3.5L車は2016年6月のマイナーチェンジで廃止されている。

2021年1月現在、ガソリン車は約2000台、ハイブリッド車は500台弱の中古車が流通。価格帯はガソリン車が20万~350万円、ハイブリッド車が30万~470万円となっている。
 

▼検索条件

トヨタ エスティマ(3代目)×全国

総括

近年、ファミリーで使う車やレジャー用途の車の需要がSUVへとシフトしている。2020年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーでも、総合ベスト10にランクインしたモデルの多くがSUVだった。

しかし、ミニバンは多人数乗車が可能なことやスライドドアの利便性により、今でも多くの支持を得ている。中には一度SUVに乗ったけれど、荷物がたくさん積めるからミニバンに戻るという人もいる。

ミニバンはスモールサイズからLクラスまで多種多様なラインナップがあるので、選ぶ際はまず3列目席をどのくらいの頻度で使うかを考えてサイズを決めるといいだろう。

便利なミニバンは、これからも子育て世代やアウトドアを楽しむ人などから支持され続けるはずだ。
 

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/トヨタ、ホンダ、日産、三菱

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL