フランス車の代表的なメーカー一覧|人気の理由や特徴、モデルを輸入中古車評論家が解説!
カテゴリー: 特選車
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2023/08/30
▲フランス車を作っているのはどんなメーカーで、メーカーそれぞれにはどんな歴史や個性があるのか? 詳しく紹介します!ちょっと謎な存在だが、なぜかちょっと気になる「フランス車」
一部の好事家には熱狂的なまでに愛好されている「フランス車」ですが、一般的には「やや謎な存在」に見えているかもしれません。
なんとなくオシャレなイメージはあるけど、具体的にどこがどうおしゃれなのかは指摘しにくい、つかみどころのないデザイン。走りがいいといううわさも聞くけれど、エンジンのスペックなどを見ても特筆できるような部分はなく、どちらかといえば凡庸。
それなのに好きな人は大好きで、自分としても、なんだかちょっとだけ気になるかも――というのが、日本におけるおおむねのフランス車像であるような気がいたします。
そんなフランス車にはどんな個性と魅力があり、そもそもフランスにはどんな自動車メーカーが存在しているのでしょうか?
次章以降、そのあたりをなるべくわかりやすく網羅してまいります。
代表的なフランス車メーカーは? 5ブランドを紹介
現在、フランスを本拠地としている主な自動車メーカーおよびブランドは下記のとおりです。
●シトロエン
●DSオートモビル
●プジョー
●ルノー
●ブガッティ
上記のうち、シトロエン、DSオートモビル、プジョーは「ステランティス」という巨大自動車メーカーに属しているブランドです。そしてルノーは日産、三菱とパートナーシップ関係を結んでいます。また、ブガッティはドイツのフォルクスワーゲングループの傘下にあります。
フランス車の特徴とは?
ひと言でフランス車といっても、メーカーやブランドにより様々な部分はあるのですが、総じていえるフランス車の特徴は「とにかくしゃれている」ということでしょう。エクステリアのデザインも色使いも、そしてインテリアの全体やディテールも、なぜかいちいちしゃれているのです。
これはもちろん「フランスの物=おしゃれ」みたいな印象(思い込み)がもたらしている部分もあるわけですが、そこを差し引いたとしても、やっぱりフランスの車は全般的に造形や色使いがしゃれています。
例えば下の写真はルノー トゥインゴという、ごく一般的なフランスのコンパクトカーなのですが、似たようなサイズの「赤い軽自動車」が放つ雰囲気とは何かが微妙に、しかし確実に異なっていることがおわかりいただけるかと思います。
▲サイズ的には日本の軽自動車に毛が生えたようなものであるが、「存在感」みたいなものは軽自動車とはまるで異なっている現行型ルノー トゥインゴ「ではなぜフランス車のデザインは自然とおしゃれな感じになるのか?」という問いに対しては、筆者は比較文化論の研究者ではないため、答えを持ち合わせていません。
しかしパリに行ってみると、「……こういった街で何百年も暮らしている民族が作るプロダクトのデザインは、自然と洗練されたものになるのだろうなぁ」ということは肌で理解できます。話としては「京都の和菓子や和食はやっぱり洗練されてる」みたいなものです。
▲数百年級のレガシー(遺産)の中に最先端の“モダン”が違和感なく溶け込んでいる街、パリ。まぁパリに限らずこういった街がたくさんある国で作られる車のデザインは、どうしたって洗練されたものになるのかもフランス車全般に当てはまる第2の特徴は「走りがいい」ということです。ここで言う「走りがいい」とは「エンジンは比較的ショボいのに、なぜかビュンビュン速く走れる」ということです。
フランス車は――あくまで一般論ですが――「ものすごく高出力なエンジン」みたいなものは搭載していません。どちらかといえば陳腐な方式のエンジンが、さほど高くはない最高出力を発生させている場合が大半です。
しかしその割に、フランス車は“速い”のです。
もちろん高くはないスペックであるため、出足はさほど速くありません。しかし高速道路などでひとたび速度が乗れば、ハイスペックなエンジンを搭載するスポーツカーと同程度か、下手をすればそれ以上のペースでガンガンに巡航できてしまうのです。
▲オートルート(フランスの高速道路)を疾走する1970年代のシトロエン DS 21。搭載エンジンは最高出力わずか109psの2.1Lエンジンだったが、高速道路では十分以上に“速い”車だこれは、おそらくですがフランス人特有の「合理性」ゆえの現象でしょう。
自動車に関する税金は、日本では「排気量」によって金額が変わるものが多いのですが、フランスの自動車登録税は「馬力」に応じて課税されます。つまり大馬力でハイパワーなエンジンだと、税金が高くなってしまうのです。
そしてフランスの人々は物事を合理的に考える傾向があり、わざわざ無駄に高い税金を払うことを良しとしません(もちろん他の地域でも同様かと思いますが)。そのためフランス車のエンジンは、カタログスペック的にはショボい場合が多いのです。
しかし、だからといってフランスの人々が「高速道路をトロトロ走りたい」と思っているわけではありません。なにせ“合理的”ですから、制限速度130km/hのオートルート(フランスの高速道路)ではきっちり130km/hまで出して、スピーディに長距離移動を済ませたいと考えます。
これらの結果として「エンジンのスペックは大したことないのに、なぜか速い」という車ができあがるわけです。
▲こちらプジョー 106も「エンジンはショボいのになぜか速い」というフランス車の代表格。日本仕様である1.6Lエンジン搭載車は言うに及ばず、筆者が海外で運転した排気量1Lのショボい(?)グレードもめっぽう速い1台だった代表的なフランス車メーカー① シトロエン
現在は巨大多国籍企業「ステランティスグループ」の一員となっている、パリに本社を置くフランスの大手自動車メーカー。今では一般的になっている「前輪駆動」という方式をいち早く採用したり、窒素ガスとオイルで制御するサスペンション機構「ハイドロニューマチック」を開発するなど、先進的なアイデアを積極的に採用し、なおかつ具現化してきた自動車メーカーです。
また、デザインの面でもきわめて先進的というか前衛的であるため、そこも、シトロエンというブランドに大ファンが多い理由のひとつです。
第一次世界大戦終結直後の1919年、資産家のアンドレ・シトロエンによって創立。ヨーロッパにおける自動車の大衆化を目指し、小型車と中型車の大量生産で急成長を果たしました。第二次世界大戦後の1948年には、機械化が遅れていたフランスの農民向けに「2CV」という独創的な小型車を開発し、世界中で大ヒット。
これらと並行して「前輪駆動」や「モノコックボディ」など、現在では一般的になっている自動車メカニズムをいち早く採用し、1955年にはハイドロニューマチックサスペンションを装備する「DS」を発表。メカニズムの面でもデザインの面でも、シトロエンの“独創性”が遺憾なく発揮された一台でした。
その後1976年にはフランスのプジョー傘下となり、プラットフォームやエンジンをプジョー車と共用化。そして現在はプジョーともどもステランティスグループの一員となりましたが、相変わらず「独創的で先進的なデザインおよびメカニズム」を採用する数々のモデルを作り続けています。
▲シトロエンが1955年から1975年まで製造した高級サルーン「DS」。まるで想像上の宇宙船のような造形だ
中古車価格帯:総額90万~280万円
▲こちらが現行型シトロエン C3歴代のシトロエン C3は1.2~1.5Lぐらいのエンジンを搭載するオーソドックスなコンパクトハッチバックでしたが、2017年7月に登場した3代目の現行型C3はクロスオーバーSUV風デザインに大変身。といっても駆動方式はFFのみなのですが、「時代の空気」には絶妙にマッチしているデザインだといえるでしょう。
ボディサイズは全長3995mm × 全幅1750mm × 全高1495mmで、搭載エンジンは最高出力110psの1.2L 直3ガソリンターボ。トランスミッションは6速ATです。
2021年1月にはマイナーチェンジを行い、フロントまわりのデザインを刷新。1.2L 直3ガソリンターボエンジンの出力などに変わりはありませんが、エンジンマネジメントソフトウエアの最適化により、燃費は約15%改善されました。
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シトロエン C3(3代目)
中古車価格帯:総額260万~450万円
▲しゃれた5人乗りMPVとして一部で大人気となっているシトロエン ベルランゴ2019年10月に、まずは「デビューエディション」が上陸した新カテゴリーMPV(マルチ・パーパス・ビークル)。
ボクシーなフォルムのボディは全長4405mm × 全幅1850mm × 全高1850mmというサイズで、シートは3列ではなく2列。3人が座れる後席はベンチタイプではなく、3座独立式です。そして5名乗車時でも597Lの荷室容量が確保され、最大では2126Lまで拡大することも可能になっています。
搭載エンジンは最高出力130ps/最大トルク300N・mの1.5L直4ディーゼルターボで、トランスミッションはアイシン・エィ・ダブリュ製の8速AT。2020年8月には通常のカタログモデルが発売され、2023年1月には3列シート・7人乗りとなるロングボディ&ロングホイールベース版「ベルランゴロング」も追加されました。
いずれのタイプも「超おしゃれだけど超実用的でもあるMPV」として、日本のユーザーからも大人気となっています。
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シトロエン ベルランゴ(3代目)▼検索条件
シトロエン ベルランゴロング(初代)代表的なフランス車メーカー② DSオートモビル
「DS」は、2009年に「シトロエンの高級サブブランド」として誕生したブランド。
当初は「シトロエンというメーカーの中にあるDSブランド」という立ち位置でDS3、DS4などのモデルを製造販売していましたが、2015年にはシトロエンとは別の「独立した単独ブランド」へと移行。
その後はシトロエン販売店内に「DS SALON」という専売スペースを設けるだけでなく、「DS STORE」という専売店舗も全国に構え、シトロエン以上に高級で先鋭的なデザインを採用するオリジナルモデル多数を販売しています。そしてシトロエンと同じく、現在はステランティスグループの一員です。
2009年にシトロエンの高級サブブランドとしての「DS」が発足。2010年に「シトロエン DS3」を発売し、続いて「シトロエン DS4」「シトロエン DS5」を発売しました。
2014年になるとPSA(プジョー・シトロエン)の社内で「DSを独立したブランドにする」との意向が持ち上がり、2015年にまずは中国市場でDSブランドが独立。同年10月には日本でも「DSオートモビル」という独立ブランドが発足し、新たにDS4クロスバックやDS5 Edition 1955などを発売。その後もラインナップを拡張し、現在に至っています。
▲写真は、DSがまだ「シトロエンのサブブランド」だった2010年に公開されたシトロエン DS3の広報用画像。「DSブランドの上級感」を訴求すべく、このようなファッション誌風の写真が多数撮影された
中古車価格帯:総額220万~460万円(※数字は「DS3クロスバック」の価格帯)
▲「DS3クロスバック」から車名を変えた現行型DS3もともとは「DS3クロスバック」という車名で2019年6月に発売されたコンパクトSUVですが、2023年5月のマイナーチェンジを機に「DS3」という車名に変更されたモデルです。
ボディサイズは全長4120mm × 全幅1790mm × 全高1550mmで、プラットフォームは最新世代の「CMP(コモンモジュラープラットフォーム)」と呼ばれるもの。エクステリアデザインとしては、大きく抑揚をつけたサイドパネルやフェンダーのラインなどで、まるで彫刻のような造形が表現されています。
パワーユニットは、当初は最高出力130psの1.2L 直3ガソリンターボエンジンが搭載されていましたが、「DS3」に車名が変わったタイミングでガソリンターボエンジンはカタログ落ち。直近のモデルでは最高出力130ps/最大トルク300・Nmの1.5L 直4ディーゼルターボエンジンに一本化されています。
トランスミッションは8速ATで、WLTCモード燃費21.0km/Lという、まずまずの経済性も持ち合わせています。
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DSオートモビル DS3(2代目) & DS3クロスバック(初代)
中古車価格帯:総額480万~530万円
▲クロスオーバー風味のCセグメント車である現行型DS42022年4月に発売されたCセグメント(つまりトヨタ カローラクロスぐらいのサイズ)のクロスオーバーモデル。
パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」で「Most Beautiful Car of the Year(今年最も美しい車)」に選ばれたエクステリアは、クーペライクな5ドアハッチバックスタイル。「DSマトリクスLEDビジョン」と呼ばれる薄型のヘッドランプも特徴的で、ボディサイズは全長4415mm × 全幅1830mm × 全高1495mmです。
プラットフォームはプジョー・シトロエンの「EMP2」というものがベースですが、全体の約70%を新規部品と専用部品で構成。そこに搭載されるパワーユニットは、最高出力130psの1.2L 直3ガソリンターボと、同130psの1.5L 直4ディーゼルターボ、そして同180psの1.6L 直4ターボエンジンに同110psの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)「E-TENSE」の3種類。
いずれもトランスミッションは8速ATで、駆動方式はFFのみとなっています。
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DSオートモビル DS4(2代目)代表的なフランス車メーカー③ プジョー
フランスを代表する自動車メーカーのひとつで、ドイツのメルセデス・ベンツとおおむね並ぶ「世界最古の量産自動車メーカー」でもあります。
ド派手で超ハイスペックなスポーツカーなどを作るブランドではなく、コンパクトからミドルサイズの実用乗用車作りにおいて定評のあるブランドですが、プジョー車全般のデザインや走行フィールは、常に「ちょっとスポーティ」であるのが特徴といえます。現在は参戦していませんが、1980年代から2000年代にかけてはWRC(世界ラリー選手権)でも大活躍しました。
フランス東部で1810年頃からペッパーミルなどを作っていたエミール・プジョーの金属部品製造業が、プジョーの源流です。その後1880年代に息子のアルマン・プジョーがドイツのゴットリープ・ダイムラーらと出会い、1889年に蒸気エンジンを搭載した3輪の自動車を製造。そして1895年までには約140台のガソリンエンジン搭載自動車を製造し、メルセデス・ベンツとほぼ同時期に誕生した「世界最古の量産車メーカー」になりました。
そこから自動車メーカーとして発展していったプジョーは数々の大衆実用車をヒットさせ、1974年には経営不振に陥っていたシトロエンを吸収合併してフランス最大の自動車メーカーに。そして2021年にはフィアット・クライスラーとの対等合併を行い、巨大多国籍自動車メーカーである「ステランティス」を創立。現在、プジョーはそのステランティスグループを代表するブランドのひとつ――という立ち位置になっています。
▲1980年代後半から1990年代初めてにかけて一世を風靡したプジョー 205GTI
中古車価格帯:総額340万~440万円
▲「セイバー」と呼ばれる牙のようなライトが印象的な現行型プジョー 308308の初代モデルは、2008年に発売されたCセグメントの5ドアハッチバック。通算3代目となる現行型は、日本では2022年4月に発売されました。
プラットフォームはPSA(プジョー・シトロエン)の最新作である「EMP2」というもので、ボディタイプは従来どおりハッチバックとステーションワゴンの2バリエーションをラインナップ。ボディサイズは従来型よりもひとまわり大きくなり、ハッチバックの場合で全長4420mm × 全幅1850mm × 全高1475mmとなっています。
パワーユニットは、最高出力180psの1.6L 直4ガソリンターボに同110psのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)の他、同130psの1.2L 直3ガソリンターボと、同130ps/最大トルク300N・mの1.5L 直4ディーゼルターボの3種類を用意。
トランスミッションはいずれも8速ATです。
このクラス(Cセグメントのハッチバック)というとドイツのフォルクスワーゲン ゴルフが実力的には図抜けているというイメージがありますが、現行型プジョー 308は、現行型のゴルフに勝るとも劣らぬ走行性能と走行フィールを有している大注目の1台です。
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プジョー 308(3代目)
中古車価格帯:総額250万~430万円
▲「シトロエン ベルランゴ」の兄弟車であるプジョー リフター。ベルランゴと比べると“オフロード風味”がやや強めの仕上がりになっている2019年10月に「デビューエディション」が登場し、2020年11月にカタログモデルの販売が始まった、ボディ両サイドにスライドドアを備えるトールワゴンタイプのMPV。
ボディサイズは全長4450mm × 全幅1840mm × 全高1630mmで、2列シートの5人乗りが基本。収納スペースは豊富かつ使い勝手良好で、荷室長は5人乗車時で1m、6:4の分割可倒式リアシートの背もたれを倒せば1.88mを確保。さらに助手席の背もたれも倒せば2.7mにまで拡大可能です。
パワートレインは最高出力130psの1.5L 直4ディーゼルターボエンジン+8速ATで、路面状況に応じてパワートレインやブレーキを統合制御して走破性を高める「アドバンスドグリップコントロール」も装備されています。
なお、2023年1月には3列シート・7人乗りのロングボディバージョンである「リフターロング」も追加されました。
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プジョー リフター(初代)▼検索条件
プジョー リフターロング(初代)代表的なフランス車メーカー④ ルノー
シトロエンほど前衛的ではなく、プジョーほどスポーティではない、どちらかといえば「やや地味だけど出来の良い実用車」を作ることを、基本的には得意としているフランスの大手自動車メーカーです。
とはいえ「ルノー・スポール」という冠が付くスポーティなモデルは、ドイツのニュルブルクリンクというサーキットでFF市販車の世界最速ラップを記録していたり、過去にはWRC(世界ラリー選手権)やF1グランプリでも大活躍したメーカーですので、決して実用一辺倒ではない「一筋縄ではいかないブランド」というのが正しいルノー評なのかもしれません。
2006年には日産の親会社となり、現在は持ち株比率を下げたため「日産の親会社」ではなくなっていますが、依然として日産との提携は続いています。
1898年、フランス人エンジニアのルイ・ルノーとその兄弟が「ルノー・フレール社(ルノー兄弟社)」を設立。1899年から小型自動車の市販を開始して商業的な成功を収め、1900年代には先行して創業されたプジョーを追い抜いて「フランス最大の自動車メーカー」になりました。
しかし、第二次世界大戦で生産施設が徹底的に破壊されてしまったため、戦後の1945年には国営化されて「ルノー公団」に。以降は小型車の製造を中心にヨーロッパおよび世界で着実にビジネスを拡大したものの、1980年代半ばのアメリカ進出が失敗に終わったことで経営が悪化し、1990年には再び民営化されました。
民営化以降は経営基盤も再び健全となり、1999年には深刻な経営危機にあった日産自動車を傘下に収め、2016年にはルノー・日産・三菱のアライアンス体制も確立。現在は日産への出資比率を下げてはいるものの世界中で確実にビジネスを展開し、ルノー・日産・三菱連合の2022年における「グループ別世界販売台数」はトヨタとフォルクスワーゲン、現代自動車に次ぐ世界第4位となっています。
▲写真はルノー傘下のスポーツカーメーカーだったアルピーヌが手がけた「5アルピーヌ」の1976年モデル
中古車価格帯:総額80万~250万円
▲RRレイアウトを採用するAセグメントのハッチバック、現行型ルノー トゥインゴルノー トゥインゴは、1995年から脈々と作り続けられているルノーのミニマムなコンパクトカー。通算3代目となる現行モデルは2016年9月に日本に上陸しました。
それまでの歴代トゥインゴはフロントにエンジンを搭載して前輪を駆動する一般的なFFレイアウトでしたが、現行型は「リアにエンジンを積んで後輪を駆動する」というRRレイアウトに刷新。これにより独特なフォルムを獲得するとともに、レイアウトの関係で「かなり小回りが利く車」へと生まれ変わりました。
リアに搭載されるエンジンは最高出力90psの0.9L 直3ガソリンターボ。トランスミッションは6速のデュアルクラッチ式ATの他、グレードによっては5速MTも選択可能です。2019年8月にはマイナーチェンジが行われて内外装デザインを変更するとともに、インフォテインメントシステムの改良などが行われました。
なお、長らく愛されてきた現行型ルノー トゥインゴですが、残念ながら2023年いっぱいで日本向けモデルの生産終了が発表されています。
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ルノー トゥインゴ(3代目)
中古車価格帯:総額400万~430万円
▲ややマッチョなデザインとなった3代目のルノー カングーカングーは、ルノーが1997年から製造している2列シート・5人乗りのMPV(マルチ・パーパス・ビークル)。
初代カングーはコンパクトなサイズと俊敏性の高さ、それでいて居住性や積載性も抜群であることから大人気となりましたが、2023年3月に発売された現行型(通算3代目)は全長4490mm × 全幅1860mm × 全高1810mmという、なかなか立派なサイズに“成長”。
しかし、その分だけ居住性や積載性には格段の余裕が生まれ、荷室容量は通常時でも775L、後席を折りたたむと2800Lまで拡大させることが可能になりました。
日本仕様のパワーユニットはガソリンターボとディーゼルターボの2本立て。ガソリンエンジンは、ルノー・日産・三菱アライアンスとダイムラーにより共同開発された最高出力131psの1.3L 直4直噴ターボ。ディーゼルエンジンは、最高出力116ps/最大トルク270N・mの1.5L 直4直噴ディーゼルターボとなっています。
いずれもトランスミッションは7速のデュアルクラッチ式ATで、WLTCモード燃費はガソリン車が15.3km/L、ディーゼル車が17.3km/Lです。
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ルノー カングー(3代目)代表的なフランス車メーカー⑤ ブガッティ
現在のブガッティは、エットーレ・ブガッティが1909年に創設した伝説のスポーツカーメーカーの商標権などを1998年にフォルクスワーゲングループが買い取り、2000年に復活させたスーパーカーメーカーです。
新生ブガッティの第1号車となった「ヴェイロン」は2005年に最高速度402km/hを達成し、2010年には431.072km/hというギネス世界新記録を樹立。そしてブガッティ・オトモビル社は現在も、ヴェイロンをも超えるクオリティのハイパーカーを少量生産しています。
イタリアの芸術家一家に生まれたエットーレ・ブガッティが1909年に、当時はドイツ領だったフランス・アルザス地方で自らの自動車会社を設立。高性能スポーツカーやレーシングカーなどを製造し、モナコグランプリで3年連続優勝するなどの大活躍を見せましたが、第二次世界大戦で工場施設は破壊され、戦後すぐにエットーレ・ブガッティも他界してしまいました。
1987年にイタリアの実業家ロマーノ・アルティオーリがブガッティの商標を手に入れ、「ブガッティ・アウトモビリS.p.A.」を設立。1989年には3.5L V12エンジンに4基のターボチャージャーを装着する「ブガッティ EB110GT」を発表しました。このとき、ブガッティブランドの復活とともに「最高速度350km/h」をマークするEB110GTが世界的な注目を集めましたが、その後は諸事情により経営が悪化し、1995年に倒産。
しかし、前述のとおり1998年にフォルクスワーゲンがブガッティ・アウトモビリS.p.A.からブガッティの商標権を買い上げ、2000年にブガッティ・オトモビル社を設立。その本社をフランスのアルザスに置き、「ヴェイロン」や「シロン」などの最高速度400km/hを超えるレベルのハイパーカーを、世界中に散らばる超富裕層のために製造しています。
▲「史上最も美しいレーシングマシン」といわれたブガッティ 59の1934年モデル
中古車価格帯:――
▲1500psの8L W16 4ターボエンジンを搭載するブガッティ シロンブガッティ シロンは2016年11月に上陸した、最高出力1500psの8L W型16気筒4ターボエンジンを搭載するハイパーカー。
メーカーによれば0-100km/h加速は2.5秒未満で、最高速は420km/h(リミッター作動)であるとのこと。2019年9月には、ドイツ北部にあるフォルクスワーゲンのテストコース「エーラ・レッシェン」で490.48km/hをマークし、量産ロードカーによる世界最速記録を塗り替えています。
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ブガッティ シロン(初代)
中古車価格帯:――
▲こちらがブガッティ ヴェイロン。正式な車名は「ブガッティ ヴェイロン16.4」で、16という数字は「16気筒」、4は「4基のターボチャージャー」を表しているシロンの先代にあたるのが「ヴェイロン」であり、2000年に船出した新生ブガッティの第1号モデルでもあります。
2005年から2015年にかけて生産されたヴェイロンの搭載エンジンは最高出力1001psの8L W型16気筒で、4基のターボチャージャーによって加給されます。駆動方式は当然ながら4WDで、トランスミッションは7速のデュアルクラッチ式ATです。
新車時のブガッティ ヴェイロンは「上限300台」という予定の限定生産車でしたが、結局は特別仕様車も含めて450台を完売。ちなみに初期の車両本体価格は1億6300万円で、2023年8月現在のカーセンサーnetでは1台のみが「価格応談」にて売りに出されています。
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ブガッティ ヴェイロン(初代)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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シトロエン
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プジョー
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