トヨタ クラウンハイブリッド▲当時のクラウンの最上級グレードとして位置づけられたクラウンハイブリッドも、支払総額100万円以下から狙える

不人気のセダンならハイブリッドでもリーズナブルな価格で狙える

今や、ハイブリッドシステムを搭載するモデルがあるのは当たり前となった。

そのためハイブリッドの中古車も手頃なものが増えているが、それでもトヨタ ヴィッツ(3代目)やホンダ フィット(3代目)といったコンパクトハッチバックの中古車では人気が高い。

例えばヴィッツなら、ガソリン車が支払総額30万円から狙えるのに、ハイブリッドモデルは90万円程度からとなる。

一方で、これらのコンパクトカーやSUV人気に押されるように、セダンの中古車は全体的に求めやすい価格になっている。ハイブリッドモデルでも十分リーズナブル。そう、今はセダンのハイブリッド中古車はおトクなのだ。

そこで今回は、そんなセダンのハイブリッドの中でも、支払総額100万円以下の台数が多くて選びやすい3台をピックアップ。中古車台数の多い順にランキング形式で紹介しよう(台数は原稿執筆時点)。

いずれの3台も、新車時価格はヴィッツやフィットのハイブリッドモデルよりもずっと高かったが、中古車では同じ様な価格で買える。

しかも、コンパクトハッチバックには備えていない、豪華装備や機能を備えているモデルだ。

お買い得度の高いハイブリッドセダン、ぜひ検討してみてほしい。

クラウンの最上級グレードが、ヴィッツとほぼ同額で狙える!
第3位:トヨタ クラウンハイブリッド(初代) 60台

トヨタ クラウンハイブリッド▲走りに定評のあった12代目の“ゼロクラウン”のシャシーを使い、細かい部分まで改良した13代目。グリルデザインやボディカラーにハイブリッド専用品が与えられている
トヨタ クラウンハイブリッド▲写真はガソリン車。ハイブリッドはメーター部分が全面液晶(当時は世界初)になり、乗り込んでドアを閉めると液晶パネルに、クラウンのシルエットがまず映し出されたのち、メーターが現れるという凝った演出がされている

燃費良し、走りも良しと、13代目クラウンのトップグレードとして用意されたのがクラウンハイブリッド。クラウンシリーズ初のハイブリッドモデルでもある。

3.5Lエンジン+モーターは、先に同時期のレクサス GSに搭載されたFR車用ハイブリッドシステムと同じだが、クラウン用にカスタマイズされている。10・15モード燃費は15.8km/L。

モーターのみで走るEVモードも備えるほか、バッテリーに電気が十分あれば走り始めはモーターのみでスタートする。もともと高級車クラウンゆえ静粛性が高く、実にスムーズに加速していく。

しかもアクセルを踏み込めば、モーターがエンジンのターボ的な役割として働き、スポーツカー顔負けの過激な加速を得られる。

そんなクラウンのトップグレードゆえ、装備も充実。HDDナビや高音質オーディオ、ETCユニット、オートワイパー、前席電動パワーシート、後席電動リクライニングシートなどが標準で備わり、オプションで夜間走行時に歩行者も検知するナイトビューなど、当時の最新機能も用意されていた。

デビュー時の車両本体価格は595万~619万円。原稿執筆時点で、たいてい走行距離10万km超になるが、支払総額100万円以下から狙える。

10万km超といっても、当時のクラウンハイブリッドは社用車として使用されていたケースも多く、マメに整備されている個体もありそうなので、チェックしてみる価値は大いにあるはずだ。

▼検索条件

トヨタ クラウンハイブリッド(初代)×総額100万円以内×全国

レクサスブランドらしい高級感ある機能や内外装が魅力
第2位:レクサス HS(絶版) 75台

レクサス HS▲LEDヘッドライトを全車標準装備。FFレイアウトゆえ、全長があまり変わらない同時期のレクサスISと比べて特に後席が広く、かつトランクにゴルフバッグ4つを収納できる
レクサス HS▲なだらかに流れるような形状のセンターパネルの下端部分、左手がちょうど置きやすい位置に、マウスのように操ってナビなどの操作を行える「リモートタッチ」が備わる

レクサス初のハイブリッド専用モデルとして、2009年7月に登場したHS。

プリウスより排気量の大きい2.4Lエンジンとモーターが組み合わされたハイブリッドシステムは、10・15モード燃費は23.0km/L(JC08モード燃費は19.8km/L)を誇る。モーターのみで走るEVモードの他、モーターを加速時などのサポートに使うパワーモードも備えている。

欧米でも販売されるプレミアムブランドのレクサス車ゆえ、装備も充実している。前席電動パワーシートやUSB端子付きHDDナビ、高音質オーディオ、ETCユニット、オートライトシステムなどを全車に標準装備。

上級グレードのバージョンLとIには、特に夏の暑い時期にうれしいベンチレーション機能(シート送風機能、前席のみ)付きセミアニリン本革シートが標準で備わる。

さらに最上級グレードのバージョンLには、先行車追従機能付きクルーズコントロールや、完全停止はしないものの、衝突の危険を検知するとブレーキが作動するプリクラッシュセーフティ機能、ヘッドアップディスプレイが標準で装備されている。

デビュー時の車両本体価格は395万~535万円。原稿執筆時点で2013年1月のマイナーチェンジ前の前期モデルを中心に、支払総額100万円以下で狙える。走行距離5万km未満も見つかるので、好みの1台を探してみよう。

▼検索条件

レクサス HS(初代)×総額100万円以内×全国

台数が多く選びやすい高級ハイブリッドセダン
第1位:トヨタ SAI(2代目) 213台

トヨタ SAI▲グレードのGはLEDヘッドライトが標準装備される。横すべり防止など走行中の車両を安定させるS-VSCは、HS同様、全車に標準装備。Gの足元は18インチ、Sは16インチが標準
トヨタ SAI▲モーターのみで走る「EVモード」は備わるが、HSのような加速時などにモーターがサポートするパワーモードはない。オプションで本革シートがグレードのGに用意されていた

レクサス HSの約3ヵ月後となる、2009年10月に登場したSAI。

トヨタブランドではプリウスに次ぐハイブリッド専用車で、HSと兄弟車ということもあり、快適装備が多数用意されていた。2.4Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムや、10・15モード燃費23.0km/L(JC08モード燃費は19.8km/L)はHSと同じだ。

前席電動パワーシートやHDDナビ、マウスのように操ってナビなどの操作を行える「リモートタッチ」などは全車に標準装備。

上級グレードのGは、運転席に乗り込む際に自動でシートが少し後ろへスライドして、乗りやすくなる「パワーイージーアクセスシステム」や、LEDヘッドライトが標準装備される。

また、グレードのGとSそれぞれに設定された「ASパッケージ」は、先行車追従機能付きクルーズコントロールや、完全停止はしないものの、衝突の危険を検知するとブレーキが作動するプリクラッシュセーフティ機能が標準装備されるなど、HS並みの先進機能が備わる。

2013年にはエクスエリアデザインをはじめ、大幅な改良が施された。

デビュー時の車両本体価格は338万~426万円。原稿執筆時点で支払総額100万円以下でも200台以上見つかるため、選びやすい。

その多くは2013年のマイナーチェンジ前の前期型だが、走行距離3万km未満の中古車も10台以上見つかる。一方で、フロントまわりを中心にデザインが大きく変わった後期型も、走行距離10万km以上が多いものの、支払総額100万円以下から狙えるようになってきた。

▼検索条件

トヨタ SAI(初代)×総額100万円以内×全国
文/ぴえいる、写真/篠原晃一、尾形和美、トヨタ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。