【新型】マツダ MAZDA3セダン|高級感を増したのびやかで美しい新世代セダン
2019/08/22
これまでセダンとハッチバック、2種類のボディタイプをラインナップしてきたマツダ アクセラ。
世界共通のネーミングであるMAZDA3に車名が変わっても、その基本は変わらず継承されています。
先代アクセラはマツダの基本技術を見直した「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ・テクノロジー)」を全面採用し、デザインは肉食動物が獲物に向かい飛びかかる一瞬の美しさを表現した「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」という哲学に沿って作られました。
新型MAZDA3はそのコンセプトを継承しつつ、新世代のマツダが目指す新たなステージに突入しています。
そんな新型MAZDA3セダンの概要に迫ります。
【グレード】2Lガソリンとディーゼル、ディーゼルには4WDも用意
MAZDA3セダンのエンジンは、は2Lガソリンと1.8Lディーゼルターボという2種類が展開されています。
ファストバックにはMTも設定されていますが、セダンは6ATのみの展開なのでグレードのバリエーションは少なめです。
ディーゼルターボには、FF(前側エンジン前輪駆動)と4WD(四輪駆動)が用意されました。
2019年12月中旬には世界初の技術でガソリンエンジンとディーゼルエンジンのメリットを兼ね備えた、新世代スカイアクティブエンジン「SKYACTIV-X」搭載グレードが追加されることが発表されています。
SKYACTIV-X搭載グレードも、同じくFFと4WDが設定される予定です。
【エクステリア】ファストバックよりものびやかなデザインに
新型MAZDA3の開発コンセプトは「日常が鮮やかに輝くパーソナルカー」。
新型MAZDA3セダンはファストバックと同様に魂動デザインを深化させ次のステージへと引き上げる第1弾モデルで、「Car as Art(アートとしてのクルマ)」というマツダの新たなデザイン哲学が用いられています。
ファストバックがキュッとした塊感が際立っているのに対し、セダンはのびやかな雰囲気です。
全長は4660mmとトヨタ プリウスやメルセデス・ベンツ Cクラスと同程度です。
滑らかなアールを描くルーフがフロントからリアへの流れを強調し、1クラス上の車のような存在感を醸し出しています。
エクステリアは可能な限りの要素をそぎ落とした「引き算の美学」により、キャラクターラインなどの装飾はほとんど見当たりません。
一方で光の当たり方により様々な陰影がボディに浮き上がります。
これはボディのデザインはもちろん、塗装色による効果も大きいとのこと。
マツダを象徴するソウルレッドクリスタルメタリックをはじめ、光と影の表現に長けたボディカラーを多く設定することで、独特の艶やかさを放ちます。
【インテリア】セダン専用カラーも用意
エクステリアと同じく、インテリアにも「引き算の美学」が取り入れられています。
インパネはメーター部から水平に伸びるシンプルなラインが特徴的で、この広がり感が車格以上に室内が広いという印象を与えてくれます。
MAZDA3セダンは全グレード、ステアリングとシフトノブが本革巻きになっており、インパネなどに使われる内装シボは革職人と共同開発し、本物ならではの不均一さが表現されています。
あえて画一的ではないパターンを採用したことで、自然な高級感が与えられました。
インテリアカラーは、ブラックファブリックとブラックレザーの他、セダン専用色としてピュアホワイト内装が用意されています。
【運転支援システム】スマート・ブレーキ・サポートの機能が進化
マツダは危険な状態に陥ってから対処するのではなく、危険自体を回避する、「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」という考え方を取り入れています。
衝突被害軽減ブレーキ「スマート・ブレーキ・サポート」は機能が進化し、視認しにくい自転車や夜間の歩行者にも対応が可能になりました。
スマート・ブレーキ・サポートはこれまでの前進時に加えバック時にも作動し、より衝突の危険性が高い状況でもドライバーをアシストするようになりました。
また、運転中のドライバーの状態をチェックして居眠りやわき見運転を検知する「ドライバー・モニタリング」を、全グレードでオプション追加を可能にしています。
このシステムが危険と判断した場合には、ドライバーに向けアラートが作動したり、ブレーキ警告のタイミングを早めたりしてくれます。
他にも高速道路での渋滞時などに、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする「クルージング&トラフィック・サポート」(プロアクティブのみメーカーオプション。他は標準装備)や、前進時にドライバーが目視できない死角の車両を検知して警告する「前側方接近車両検知」(全グレード標準装備)などを新たに搭載しています。
【価格】ディーゼル車はやや価格が下がった
新型MAZDA3では、アクセラに設定されていた1.5Lガソリンエンジンがなくなりました。
そして、ディーゼルエンジンが1.5Lと2.2Lから1.8Lになっていることや、アクセラセダンの2Lはハイブリッドだったことなど、最終型アクセラセダンと新型MAZDA3セダンの価格を単純比較するのは難しくなっています。
参考までに近いグレードを比較してみると、アクセラセダンの2.2Lプロアクティブ(FF)最終型の新車時価格が279.2万円、新型MAZDA3セダンの1.8プロアクティブ(FF)が274.0万円と同程度の価格設定になっています。
【エンジン・燃費】2Lガソリンとディーゼルという2展開
新型アクセラのWLTCモード燃費は2Lガソリンエンジンが15.8km/L、ディーゼルターボ(FF)が20.0km/L、ディーゼルターボ(4WD)が19.0km/L。
このように比べてみると、ディーゼルの燃費の良さが際立ちます。
マツダのディーゼルは1600rpmという低回転域から最大トルクを発揮するため、特に高速道路の合流や追い越し時の力強い加速感、そしてのんびりとクルージングするときに威力を発揮します。
ただ、ガソリンエンジンも2Lで十分トルクフル。
MAZDA3から採用された「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャ)」と名付けられた新世代車両構造技術。
これは歩行時の体の動きを理想的な運転姿勢と捉え、それに近い状態で運転できるようにシート、ボディ、シャシー、タイヤなどを連携させて、少ない筋負担で頭部の動きを安定させることを目指しています。
歩行中、人間の体には足から様々な衝撃が入り、意識的に認識できないものも含め体もいろいろな方向に揺れています。
でも腰や首などの関節で衝撃を吸収し、骨格が自然にバランスを取ることで頭部はあまり揺れを感じずに歩いているはず。
これと同じように、人を支えている状態を運転中のドライバーにも適用しようという発想です。
それを最も感じられるのがシート設計です。
骨盤がキュッと起きるように座るため、シート背もたれを倒し気味に運転している人は違和感を覚えるかもしれません。
しかし慣れると、余分な力を使わずに操作できるので、運転がすごく楽になるはずです。
走行中は路面からの振動も足回りとボディがしっかり吸収してくれ、また直進安定性も高いので長距離移動の機会が多い人にもオススメできます。
コーナリングではステアリングを切ると、ボディが大きく揺れることなく車が滑らかに曲がっていきます。
これはSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREにより自然にステアリング操作ができることに加え、エンジントルクやブレーキ制御を変化させて挙動を安定化させるG-ベクタリング コントロール プラスの恩恵が大きく影響しています。
CX-5のようなボディサイズの大きな車で絶大な効果を感じましたが、車高の低いセダンでも心地良さを十分に味わうことができます。
【中古車】先代ガソリン車の割安感が魅力
2019年8月20日現在、新型MAZDA3セダンの中古車はまだ流通していません。
中古車が探しやすくなるのは、新車ディーラーの展示車や試乗車が市場に出始める2019年末頃になるでしょう。
興味のある人はこまめにカーセンサーnetをチェックしてみましょう。
先代モデルとなる最終型アクセラからの乗り替えユーザーが一定数発生しそうですが、その中古車流通量は少なく2019年8月20日時点で230台ほどです。
そのうち3分の1にあたる80台弱が1.5Lガソリン車のFFで、平均の中古車価格は約155万円となっており、車両本体価格100万円以下の物件も見つけやすくなっています。
セダンのみに設定されたハイブリッドも3分の1ほどあり、こちらも車両本体価格100万円以下が見つけやすい状況にあります。
予算150万円あれば豊富な物件から選ぶことができるので、かなりお買い得!
アクセラのセダンはハッチバックに比べると、ディーゼルの流通量がかなり少なめです。
そのためディーゼルにこだわるなら、じっくり腰を据えて探すのが良いでしょう。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット500C by DIESEL
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