日産 GT-R
[スペック]
・全長×全幅×全高:4655×1895×1370mm ・トランスミッション:6AT ・駆動方式:4WD ・車両重量:1740kg ・エンジン種類:V6DOHC ・総排気量:3799cc ・最高出力:353(480)/kW(ps)・6400rpm ・最大トルク:588(60.0)N・m(kg-m)・3200-5200rpm

新型GT-R、待ちに待った正式発表!

GT-Rがついに復活、10月24日の東京モーターショーで正式発表された。
これまで日産社員でさえも新型GT-Rについての情報が制限されていた。その一方で、イギリスのイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」ではタバレス副社長が乗ったGT-Rが急遽乱入したり、日本「東京ゲームショウ」の会場となった幕張メッセの周辺を、2台のGT-Rを積載したコンテナが走り回ったりした…。
いわゆるこれら一連のティザーキャンペーンでは、もちろんフロントやリアは偽装用の覆面。また2005年の東京モーターショー時に披露されたGT-Rプロトではフロントライト下は、隈取りのようなカーボンブラックだった。
しかし本日の正式発表を見ると、バンパー全体はそのままボディ同色に。開発者が明かすところでは、パパラッチがスクープに明け暮れたドイツ・ニュルブルクリンクやアメリカ・ラグナセカでのテスト時も、また、先述の一連のティザーキャンペーンにおいても、偽装の下はすでにこの形状だったそうである。

国産モデル新時代を予感させるハイスペック

3世代目となるこの新型は、これまでのスカイラインの名を捨て、日産GT-Rとして世界進出を果たす。
3.8L・V6ツインターボのVR38DETTエンジンを積み、最高出力480ps/6400rpm、最大トルク60kgm/3200-5200rpmという、国産車としては前代未聞の領域に踏み込んだ。
もちろん先代R34 GT-Rも、ニスモの手によるZ-tuneなどは500ps/55kgm以上を誇り、GT-Rというベースの潜在能力を大いに感じさせていたが、今回はなにより市販時の状態で、チューニングという行為なしに世界のスーパースポーツとわたり合えるだけのスペックを得たということが重大なのだ。
新型にはシャシー機能と一体化した「独立型トランスアクスル4WD」なる駆動方式が与えられ、それによりエンジンはフロントミッドシップ化が可能となった。ミッションは新開発のGR6型デュアルクラッチトランスミッションを採用、パドルシフトによってF1並みの変速を楽しめるという。
またトランスミッション、ショックアブソーバー、VDCシステムを、走行中でも変更できるスイッチを備え、ドライバーはさまざまな路面状況や走行シーンに即座に対応することができる。

順調に世界のブランドとなり得るか?

価格はベースグレードが777万円。その上にブラックエディション(792万7500円)、プレミアムエディション(834万7500円)があるが、走りにかかわる主要諸元の数値は同一で、タイヤの銘柄とホイール色を除けば、内装の差異やオーディオがメインである。
GT-Rのライバルとなる世界のスーパースポーツ・ブランドにおいては、1000万円を超えるプライスタグは当たり前である。フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ911ターボ…、これらと比べて、GT-Rの価格は明らかに安い。
だがしかし、これら高額なスーパースポーツを求める人にとっては、この程度の価格差よりも絶対性能が欲しいはずだ。そして、その上で価格やスペックでは語れない味や魅力、つまり確固たるブランド力を持ち合わせることが必須であろう。いよいよ12月6日よりデリバリーが始まる。
日産GT-Rは果たして、どう評価され、いかに愛されるのだろうか。
日産 GT-R リアスタイル
↑4本出しのエキゾーストパイプ。それを取り囲むようにデザインされたバンパー下部は、フロア下面の空気を最適に整流して排出する

日産 GT-R インパネ
↑インスト中央に備えられたセットアップスイッチ。変更できるのは、よりレーシーなRモード、ノーマルモード、雪道など限られた条件で使用するモードだ

日産 GT-R ブレーキエアダクト
↑タイヤまわりとボディサイドの空気の整流が考えられた、フロントのエアロブレードフェンダー。リアにもダウンフォースを助けるフェンダーバックスクープが備わる

日産 GT-R ホイール
↑タイヤサイズはフロント255/40ZRF20、リア285/35ZRF20。専用開発のランフラットタイヤであり、交換にかかる費用は100万円以上

日産 GT-R フロントスタイル
↑屈折したCピラー、大きな口のようなシングルパワーインテーク、エアインテーク付きフード…とGT-Rらしさが随所にちりばめられた