レクサス RX▲プレミアム・クロスオーバーSUVというジャンルを作り出したレクサス RX。現行型では3列シート仕様も登場した

中古車市場では前期型が狙い時に!

クロスオーバーSUVという言葉が存在しなかった頃から、その市場を開拓してきたレクサス RX。現行型はハリアー時代から数えて4代目、現在の名称になってから2代目となる。

その2代目RXだが、登場から4年弱を経た2019年8月に大規模なマイナーチェンジが実施された。このマイナーチェンジを境に前期型、後期型と分けられるが、デザイン以外、抜本的な変更項目はほとんどない。

何より、中古車市場では前期型が予算350万円から選べるなど圧倒的に有利。流通量も豊富だ。

そんなレクサス RX前期型の特徴と、物件選びの際のオススメ条件を紹介する。

RX ▲流麗なプロポーションだけでなく、走りの良さ、使い勝手の良さも高評価

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レクサス RX(2代目) × 前期型(2019年7月以前) × 全国
 

【前期型RXがオススメの理由】細部以外は後期型と大差ないが中古車価格はお得

RX ▲2019年8月に行われたマイナーチェンジ前の前期型デザイン
RX ▲マイナーチェンジ後の後期型デザイン

2015年10月に登場した2代目となる現行型のRX。

同車初、3列シートのロングボディ車をラインナップに加えるなど、歴代RXの中でもセンセーショナルなモデルとなった。

2019年8月のマイナーチェンジでは、エクステリアからボディ剛性、サスペンションに至るまで総合的にレベルアップしている。

見えない部分にまでこだわられた点はさすが最高峰のクオリティを求めるレクサスといったところだが、走行性能や内装の高級感などについてはもともと高いクオリティにあり、評価は高かった。

マイナーチェンジでの進化は、あくまで国産トップブランドのSUVとして、究極の性能を求めた……ということであり、マイナーチェンジ前の前期型であっても素性の良さは存分に感じられる。

また、中古車市場においては後期型の価格帯が540万~900万円なのに対し、前期型は330万~510万円台と比較的リーズナブル。流通量も圧倒的に多い。

オプションが豊富に装備され、適切なメインテナンスが施されてきた物件が多い傾向にあるのも、前期型RXにおける魅力のひとつ。

今、中古車でRXを探すなら、高級車に相応しい走行性能、装備を備えていて、しかもリーズナブルな前期型がオススメという状況なのだ。

 

【ボディサイズ・デザイン】世界市場を主眼としたビッグサイズ

もともと兄弟車だったハリアーや、弟分のNXと差別化する目的もあって、国産クロスオーバーSUVとしてはかなり大型のRX。

全長4890mm × 全幅1895mm × 全高1710mm(「200t」、「300」などのショートボディ)というボディサイズは堂々たる風格を漂わせている。

トヨタ ランドクルーザープラドより全長、全幅とも大きめのサイズ、と聞けば、その大きさが想像できるだろう。

ちなみに、2017年12月に追加された3列シートロングボディ「450hL」もホイールベースは共通(2790mm)だが、リアオーバーハング(後輪よりも後ろの部分)が伸張されている。
 

RX ▲エッジの効いたプレスラインが印象的な表情をつくり出している

エクステリアデザインでは、この代から採用されたレクサス共通の意匠であるスピンドルグリルが印象的。リアビューも中央がすぼまったスピンドル形状を意識したデザインとなっている。

フロントからボディサイドにつながる鋭利なキャラクターライン、立体的な造形もRXの特徴だ。

マイナーチェンジ以降の後期型ではフロントグリル内部やヘッドライト内部、バンパー下部の形状などが変更されたが、全体的な造形は前期型もそう大きく変わらない。

よほどRXに詳しい人でない限り、外観から前期型と後期型を見分けるのは難しいだろう。
 

RX ▲インテリアはドライバー・オリエンテッドなデザインだ。質感は欧州製高級SUVにも劣らない
 

【動力性能・走行性能】スポーティさのある加速感

RXに用意されるパワーユニットは前期型、後期型を問わず、下記の2種類。

・2L 直4ガソリンターボ【「200t」、「300」】
・ハイブリッド(3.5L V6ガソリンエンジン+モーター)【「450h」、「450hL」】

ガソリン車はターボによる過給で175kW(238ps)を発揮する刺激的なパワーユニット。

車両重量が1890kg(FF)あるため、出足の一瞬はタイムラグを感じるものの、回転が乗ってきたときの加速感は爽快そのものだ。

ちなみに、2017年12月のマイナーチェンジでグレード名称が「200t」から「300」に変わったが、内容はほぼそのままだ。

トランスミッションが6速AT。多段化が進む今となっては少ないギア数に感じるが、スムーズさに欠ける印象はなく、むしろスポーティにも感じられる。

ハイブリッド仕様はエンジン単体出力で193kW(262ps)、システム全体で230kW(313ps)にもなる強力なパワーの持ち主だ。静粛性、燃費についても申し分なく、実質的にRXにおける上位モデルと言える。

なお、両仕様とも動力性能については2019年8月のマイナーチェンジでも変更されなかった。

RX ▲高いボディ剛性としなやかな乗り味がRXの魅力。サーキットで鍛えられた足回りをもつ「Fスポーツ」も設定されている

乗り味についても評価が高い。剛性感は高いが決して硬すぎず、日本の道路事情にマッチする洗練されたドライブフィールとなっている。

「バージョンL」「Fスポーツ」には路面状況やドライバーの操作に応じて乗り心地を最適化する「NAVI・AI-AVS」を装備。

優れた骨格と先進技術で紡がれた上質な乗り味は、RX最大の美点と言ってもいいだろう。

 

【安全性能・装備】先進装備も安全装備もトップレベル

RXには直感的に操作できるリモートタッチなど、便利で未来感のある装備が多数採用されている。リモートタッチは画面に手を伸ばすことなく、ナビの操作を行うことができるものだ。

ただ、使用感に賛否両論あったこともあり、後期型ではタッチパネル方式との併用となった。

安全装備については前期型でも「プリクラッシュセーフティシステム」「レーンキーピングアシスト」「オートマチックハイビーム」「レーダークルーズコントロール」をパッケージした「Lexus Safety System+」を全車標準装備する十分な内容。

さらに、道路や他車と情報をやりとりして安全性を高める「ITS Connect」も装備されている。

RX ▲ナビ画面の操作や走行モードの変更も、コンソールでスマートにこなせる
 

【中古車相場でのオススメ】ガソリン、ハイブリッドともにバージョンLがオススメ

前期型の中古車流通量は500台以上。その中でもオススメのひとつはガソリンモデルの「300 バージョンL」だ。

乗り味は「Fスポーツ」ほどスパルタンでなく、しっとりしたもの。本木目+本革ステアリング&本革シフトノブなどの高級装備、前述の「NAVI・AI‐AVS」も装備されたハイグレードな仕様だ。

全体における割合はさほど多くないが、走行距離5万km以下の物件でも320万円台から狙える。

前述のように2017年11月まではグレード名称が「200t バージョンL」だったが、走行性能、機能面に大きな違いはない。コンディションの良い「200t バージョンL」を見つけられれば、そちらでもOKだろう。

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レクサス RX(2代目) × 前期型(2019年7月以前) × 「300 バージョンL」 &「200t バージョンL」 × 全国

ハイブリッドの「450h」も魅力的なモデルのひとつ。

現在、中古車市場で流通しているRXの半数以上が実はハイブリッドであり、選択肢は豊富だ。

中でもオススメのグレードは、こちらもガソリンモデルの「バージョンL」同様に装備が充実している「450h バージョンL」。

新車価格ではガソリン車とハイブリッドで100万円以上の価格差があるRXだが、中古車市場ではその差がやや縮まっている様子。

「450h バージョンL」の購入予算目安は、走行距離少なめの物件で400万円前後から、となる。

RX ▲ハイブリッド車の人気が高いのもRXの特徴。ガソリン車と違い、トランスミッションにはCVTが採用される

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レクサス RX(2代目) × 前期型(2019年7月以前) × 「450h バージョンL」 × 全国
 

【結論】流通量が多く、リーズナブルな前期型

RX前期型と後期型で大きく変わった点は、ほぼエクステリアに集約されている。

確かに走りの質感は向上しているが、乗り比べなければハッキリと違いを体感できないレベルといっていい。一般的には前期型でも十分に満足できる走行性能だ。

装備内容についても、タッチパネルの採用以外では大差なし。

現行デザイン以外は受け入れられない、すでに前期型に乗っていて、より進化した走りを体感してみたい、という人以外、後期型にこだわる必然性は少ないだろう。

高級感や優れたパッケージ、上品な走りの質感といったRX本来の魅力は前期型でも十分に堪能できるのだ。

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レクサス RX(2代目) × 前期型(2019年7月以前) × 全国

※記事内の情報は2022年4月13日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/レクサス
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。