NX ▲2022年2月に受注停止となり、その後もずーーーっと注文できない状態が続いている新型レクサス NX。途方にくれている“NX難民”各位のため、「新型NXと同じぐらいの予算で、さっさとコレを買っちゃえばいいのでは?」と思えるプレミアムSUV 5モデル+1を提案いたします!

まったく買えない新型レクサス NXは「ツチノコ」的な幻の存在か?

世の中に「新型レクサス NX順番待ち難民」という言葉があるのかどうか、筆者は知らない。だが、その言葉が意味する状態にある人々が大量発生していることは事実だろう。

2021年10月に華々しく登場した2代目レクサス NXではあるが、注文の殺到と様々な世界情勢の影響を受け、2022年2月には早くも受注停止に。そして受注停止状態は2023年2月の今なお続いており、いつになったらオーダー可能となるかは、まったくもって不明で未定である(※2023年2月3日時点、公式サイトの情報です)。

……ということで、2代目レクサス NXはもはやツチノコ並みに「幻の存在」とすら言えそうな状況になっているわけだが、「そろそろ“順番待ち難民”でいることに疲れた」と感じてらっしゃる人もけっこう多いのではないかと推測する。
 

NX▲こちらが新型レクサス NX。いい車ではあるが、その新車は「買えない状態」がずっと続いている

そのように疲れた人に対し、筆者は真摯に申し上げたい。「……待ち続けるのも悪くないですが、まぁ時間の無駄っちゃ無駄ですから、似たような予算(総額600万~750万円ぐらい)で中古のプレミアムSUVを、即納にてサクッと入手しちゃいませんか?」と。

だが、問題は「新型レクサス NXと似たような価格(総額600万~750万円ぐらい)の、似たように魅力的な中古のSUVなんてあるのか?」ということだ。

結論から申し上げれば、たくさんある。

いやもちろん、それらは新型NXの個性や魅力とはけっこう異なる部分も多いわけだが、総合的に俯瞰して見るならば「まぁだいたい同程度か、もしかしたら新型NX以上にステキなSUV生活を送ることができるでしょう」と言えるのだ。

では具体的にはどんな代替案が、新型レクサス NXの納車難民各位の“亡命”に貢献できるのか? 次章以降、詳しく見てみよう。
 

NX▲プラットフォームも刷新された新型NXは素晴らしい走りを披露するが、さすがにそろそろ「いいかげん待つことに疲れた……」と思い始めた人も多いのでは?

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代替案①:新型レクサス NXの中古車を買う
→想定予算|総額650万~750万円

身も蓋もない話ではあるが、「即納プレミアム価格」を余分に支払う覚悟と意気込みさえあれば、走行数千km程度の2022年式現行型レクサス NXの中古車を、新車の「350h Fスポーツ」(2WD)を買うのとおおむね同額で、即座に手に入れることはできる。
 

NX▲2023年1月中旬現在、新型レクサス NXの中古車は51台が流通している

ただし、ここで挙げた総額650万~750万円で買える中古車のグレードは、最高出力190psの2.5Lエンジンに同182psの強力なモーターを組み合わせ、さらにはスポーティな各種意匠も組み合わせた人気グレード「350h Fスポーツ」ではない。

2.5Lのコンベンショナルな自然吸気エンジンのみを搭載する「250 バージョンL」の2WD車だ。

「250 バージョンL」(2WD)の新車価格は543万円なので、その中古車は本来なら総額500万円台半ばから後半ぐらいで買えるはず。だが圧倒的な品薄を背景に、現在は「350h Fスポーツ」の新車にオプションを付けて買うのと同程度の相場になってしまっているのだ。

ここをどう判断するかは、都市伝説のアレではないが“あなた次第”である。

「今すぐ新型NXに乗れるなら、プレミアム価格を受け入れてもいい!」という考え方もあるだろうし、「……ノーサンキューだぜ!」という人もいらっしゃろう。そのどちらが正しいということもない。繰り返しになるが、あなた次第である。
 

NX▲新型レクサス NXの運転席まわり。従来型とは大きく異なり、メーターからドアトリムまでのシームレスな形状はなかなかカッコいい。即納プレミアム分を支払ってでも手に入れる価値はある……かもしれない

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代替案2:現行型BMW X3の2022年式中古車を買う
→想定予算|総額670万~750万円

「新型レクサス NXの供給がないなら、現行型のBMW X3でいく」というのは悪くない選択であるように思える。

ブランド性においてはレクサスに遜色なしであり、というか「BMWの方が上回っている」という意見すらあるだろう。そして現行型X3の“格”のようなものも、レクサス NXとおおむね同等か、むしろ若干上回っていると言えるかもしれない。
 

NX▲こちらがBMWのミドルサイズSUVである現行型X3。写真は直近のマイナーチェンジを受けた後の世代

問題は現行型BMW X3の“古さ”だろうか。

新型のNXが2021年10月にデビューしたバリバリの新世代であるのに対し、現行型BMW X3のデビューは2017年10月。自動車のテクノロジーやデザイントレンドといったものは日進月歩の世界であるため、バリバリ新世代のレクサス NXに対しては、いささか不利であることは否めない。

とはいえ、現行型X3は2021年10月にマイナーチェンジを行い、デザインとADAS(運転支援システム)を大幅にアップデートしている。

具体的にはフロントマスクを写真上のとおりの「最新のBMWデザイン」モードへと変更し、リアもテールレンズとバンパーのデザインを変更。そしてADASも、高性能3眼カメラとレーダーを用いた「ドライビングアシストプロフェッショナル」を全車に採用。

いわゆる手放し運転が可能なハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能も搭載されているため、新型レクサス NXに対しても「ほぼ遜色なし!」と言い切って良いはずだ。

それでいて2022年式「xドライブ20d Mスポーツ」の中古車価格は、走行数千kmレベルの物件であっても総額670万~750万円ほど。「350h F SPORT」の新車を買うのと、おおむね同程度なのだ。
 

NX▲新型NXに負けず劣らずクールな世界観である現行型BMW X3のコックピット。ハンズフリー運転も可能だ

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代替案3:現行型ボルボ XC60の2022年式中古車を買う
→想定予算|総額570万~680万円

北欧のボルボも、BMWの場合と同様に「ブランド性においてはレクサスに遜色なし!」と言って構わない存在であろう。

そのため、そのアッパーミドルクラスのSUVである現行型XC60の低走行・高年式中古車であれば、新型レクサス NXの“代替品”と呼ぶには申し訳ないほどの破壊力を発揮することはほぼ間違いない。
 

NX▲スウェーデンのボルボが作る現行型XC60。ボルボは2020年8月に純内燃機関パワートレインを廃止。写真の2022年式「T5」は2L 直4ターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせている

こちらもデビューは2017年10月ということで、現行型BMW X3と同様に「若干古い」と言えるわけだが、「2022年式の中古車」であれば、古さなど微塵も感じさせないものだ。

新車で買うXC60とのデザイン上の違いはアルミホイールだけであり、2021年9月に採用されたGoogle搭載の超便利な新インフォテインメントシステムも、2022年式の中古車であれば標準装備。

そして流通の中心である「B5 AWD モメンタム」が搭載する2L 直4ターボエンジンの最高出力は250ps。ハイブリッドである「350h」のシステム最高出力243psをこの時点ですでに上回っており、さらに「B5」には13.6psのモーターによるアシストも付加されている。

さらにいえば、そういった諸々のナイスな条件を備えた2022年式「B5 AWD モメンタム」の中古車価格は、走行数十kmから数百kmぐらいの超低走行物件であっても総額570万~680万円ほど。

NXの「350h Fスポーツ」の新車をフルオプション状態で買うよりも、けっこうお安い値段でイケてしまうのだ。
 

NX▲2022年式のXC60であれば、「Google Apps and Services」と「Volvo Cars app」で構成されるボルボの新インフォテインメントシステムが採用されている

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ボルボ XC60(現行型) × 全国
 

代替案4:現行型DSオートモビル DS7クロスバックの中古車を買う
→想定予算|総額540万~610万円

BMWもボルボも、そしてレクサスもいい車であり、ブランドとしての評価も高い。だがメジャーすぎるほどメジャーなブランドであるがゆえに、そこにはほぼ必ず「ヒエラルキー闘争」みたいなものがつきまとってしまう。

「あいつの○○より俺が乗ってる××の方が上だ(または下だ)」とか、「あれはマイナーチェンジ前の下位グレードだが、自分のはマイナーチェンジ後の上級グレードだぜ!」的な、わかりやすくも不毛な戦いを、人はつい心の中で繰り広げてしまうのである。

もしもそういった不毛な闘争を回避したいのであれば、「謎のブランド」を選ぶに限る。高いんだか安いんだか、新しいんだか古いんだかがよくわからず、そもそも存在自体もあまり知られていないSUVを選ぶことで、人は戦わずして勝つことができるのだ。

そういった意味で新型NXの代替品を選ぶとしたら、フランスはDSオートモビルのDS7クロスバックしかあるまい。
 

NX▲フランスのシトロエンから分派して独立ブランドとなった「DS」のフラッグシップであるDS7クロスバック。ボディサイズは全長:4590mm × 全幅:1895mm × 全高:1635mm
 

DS7クロスバックは、2018年7月に上陸したDSブランドのフラッグシップSUV。開発のテーマは「オートクチュールを連想させるような、細部にわたるパリらしいこだわりのあつらえと、最新テクノロジーの融合」。

……この時点ですでに何を言っているのかよくわからないが、フロントの立体的な「DSウインググリル」や、リアコンビネーションランプの斜め格子模様に3Dエフェクトを与えた造形も、おしゃれすぎるほどおしゃれだ。

2023年1月中旬現在、テレビではお笑いコンビのサンドウィッチマンによる「ウマすぎて、よくわかんねえ!」という宅配ピザのCMが放映されているが、もしもサンドウィッチマンがDS7クロスバックのCMに起用されたら「おしゃれすぎて、よくわかんねえ!」と叫ぶだろうことはほぼ間違いない。

そんなDS7クロスバックの中古車は、走行数十kmからせいぜい数千kmレベルの2Lディーゼルターボエンジン搭載グレードであっても、この種のSUVとしてはかなりお安い総額540万~610万円程度。

しかし、すべてが「おしゃれすぎて、よくわかんねえ!」であるため、その価格を正しく推定できる者などほとんどいないだろう。
 

NX▲「オペラ」「リヴォリ」「バスティーユ」という3種のインテリアはどれも超絶おフランステイストで、超絶おしゃれ。おしゃれすぎて、もはやちょっとよくわからない(←ホメてます)
NX▲リアコンビネーションランプの「斜めの格子模様に3Dエフェクトを加えた造形」とは、写真で説明するとこういうことになる。とはいえ、おしゃれすぎてよくわかんねえ!(←ホメてます)

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DSオートモビル DS7クロスバック(現行型) × 全国
 

代替案5:SUV+スポーツカーの「2台持ち」になる
→想定予算|総額700万~750万円

新型NX新車の人気グレードを買う場合の総額を仮に600万~750万円とするならば、その600万~750万円を“1台のSUV”に投下しなければならないという決まりはない。

例えば、「500万円ぐらいでまずまずの車格のSUVを買い、残る100万~200万円ぐらいで機動性の高い趣味グルマを買う」という“分散投資”をしたって構わないわけだ。

そういった分散投資をする場合の選択肢(組み合わせ)は無限に考えられるが、例えばとして推奨できるのが「メルセデス・ベンツ GLBとマツダ ロードスター」というコンビネーションだろう。
 

NX▲メルセデスとしては比較的コンパクトな3列・7人乗りのSUVであるGLB
NX▲GLBの運転席まわりはおおむねこのようなデザイン。ラグジュアリー感と“ギアっぽさ”が同居している
NX▲そしてこちらは言わずと知れた現行型マツダ ロードスター

メルセデス・ベンツ GLBはご存じのとおり2020年6月に上陸した、手頃なサイズで3列・7人乗りを実現した、ほどほどにプレミアムなSUV。

「手頃なサイズ」といっても全長:4650mm × 全幅:1835mm × 全高:1700mmなので、スリーサイズは新型NXとおおむね同等である(GLBの方が30mm狭く、40mm背が高いが)。

パワーユニットは何種類か存在するが、中古車市場でメインとなっているのは2L 直4ディーゼルターボ。新しいモデルゆえ、当然ながらADAS(運転支援システム)も普通に充実している。

で、まずはこのGLBの低走行物件をまずは総額550万~600万円ほどで入手することで、「流行りの最新SUVである」「ベンツ!である」という“印籠”と日々の実用性を、とりあえずは確保する。

だが、メルセデス・ベンツ GLBはプレミアムなSUVとはいえ「ほどほどプレミアム」にすぎないといえばすぎないため、そこにはどこか“小市民感”のようなものがつきまとう(すみません)。

だが、もしもそこに余った予算で購入した「2人乗りのオープンスポーツ」も加わったとしたら?

……小市民っぽさはたちまち雲散霧消し、「ただ者ではない空気感」が即座に立ち上がるのだ。そして実際、マジメなSUVに加えて「オープンスポーツもある」という生活とは、大変に素晴らしいものでもある。
 

NX▲「プレミアムSUVがある生活」はもちろんステキだが、それに加えて「乗りたくなったときに乗れる2座式オープンカーもある生活」は、さらに超絶ステキであるといえるはず!

マツダ ロードスターは初代から4代目(現行型)があり、そのうちのどれを選んでも素敵だとは思うが、まぁオススメはやはりNDと呼ばれる現行型だろう。

痛快だが信頼性も高い、素晴らしい趣味グルマである。中古車であれば総額150万円ほどから探せるはずだ。
 

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文/伊達軍曹 写真/レクサス、BMW、ボルボ、DSオートモビル、メルセデス・ベンツ、マツダ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。