XC90 ▲北欧スウェーデンのプレミアムSUV、ボルボ XC90(2代目)の中古車価格が大きくダウンしています。そんな状況下でXC90の中古車を狙うとしたら、具体的にはどのグレードがオススメとなるのか? 詳しく紹介します

決して「格安」ではないが「買いやすくなった」のは間違いなし!

日本では2016年1月に発売された2代目となる現行型のボルボ XC90は、きわめて上質な内外装デザインとシュアな走り、そしてボルボならではの充実した各種安全装備が魅力となる、ボルボのフラッグシップSUV。

フラッグシップだけあって、上陸当初の上級グレードは900万円を超える新車価格に設定されていたのですが、その中古車平均価格はここ1年で120万円ほどダウンしています。
 

XC90▲XC90(2代目)の中古車平均価格の推移

もちろんまだまだ「格安」といえる価格ではありませんが、比較的買いやすい平均価格になってきた2代目ボルボ XC90を狙うとしたら、何年式のどんなグレードをいくらぐらいの予算で狙うのが適切なのでしょうか?

以下、モデル概要などを整理しながら考えてみることにしましょう。
 

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モデル概要:新世代プラットフォームとデザインを採用したフラッグシップSUV

2003年に登場した初代ボルボ XC90は、ボルボが初めて作った専用ボディの3列シートSUVでした。その初代XC90が好評を博しながら販売され続けたのち、2016年1月に上陸したのが2代目のボルボ XC90です。

それまでのボルボ各車の基本設計は、フォード傘下だった時代までさかのぼるやや古いものだったのに対し、2代目XC90は完全自社設計の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」という新世代プラットフォームを採用。

ボディサイズは全長4950mm×全幅1960mm×全高1775mmという堂々たるもので、北欧神話に登場するトール神(雷神)のハンマーをモチーフにしたT字型のポジションライトを配したLEDヘッドライトや、清潔感を感じるフロントグリルが特徴的なエクステリアデザインは、モダンでありながら落ち着きも感じさせる秀逸なもの。

インテリアも上質で温かみを感じさせるスカンジナビアンデザインでまとめられています。シートはごく一部のグレードを除き、2-3-2の3列7座式です。
 

XC90▲こちらが2代目ボルボ XC90の前期型
XC90▲全長、ホイールベースともに従来型より拡大されたことで、居住性が向上しているだけでなく、フォルムとしてのまとまりの良さも感じられる結果に
XC90▲インテリアはおおむねこのような感じ。操作スイッチの機能をタッチパネル式のセンターディスプレイに集約することで、物理的なスイッチ類は大幅に削減されている
XC90▲XC90は従来型同様、3列シートの7人乗り。3列目も、成人がそれなりに座れる空間となっている
 

パワーユニット:2Lガソリンエンジンをベースに多彩なラインナップ

当初のパワーユニットは「T5」と「T6」「T8ツインエンジン」と呼ばれた3種類で、それぞれの内容は下記のとおりでした。

●T5:2L 直4ガソリンターボ|最高出力254ps
●T6:2L 直4ガソリンターボ+スーパーチャージャー|最高出力320ps
●T8ツインエンジン:T6のツインチャージャーエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド|システム最高出力407ps

トランスミッションは全車8速ATで、駆動方式はいずれも4WDです。

2019年3月には最高出力235ps/最大トルク480N・mの2L 直4ディーゼルターボエンジンを搭載する「D5」が追加され、2019年8月にマイナーチェンジを実施。このとき、内外装デザインが小変更を受けるとともに先進安全装備の内容が強化されています。
 

XC90▲フロントグリルと前後バンパーが新デザインになった2019年8月以降の後期型

そして2020年4月には「T5」に代わって、改良された2L 直4ガソリンターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「B5」が登場。

さらに同年8月にはパワートレインを一新し、純内燃機関エンジンである直4ガソリンターボ+スーパーチャージャーの「T6」と直4ディーゼルターボの「D5」を廃止。それに代わって48Vマイルドハイブリッドの「B5」と、電動スーパーチャージャーを採用した「B6」、そしてT8ツインエンジンから改名された「リチャージプラグインハイブリッドT8」の3本立てに変更されました。
 

XC90▲2020年8月、ボルボ XC90は全モデルが電動パワーユニットに置き換わった

その後も何度かの小変更と改良を重ね、2022年7月にはグレードを標準の「プラス」と上級の「アルティメット」という2種類に整理。そしてモデル末期となった現在も新車としての販売が続いている――というのが、2代目ボルボ XC90の大まかなヒストリーです。

それでは次章以降、「で、具体的にはどれを選ぶべきなの?」という部分について検討してみましょう。
 

 

選び方① なるべくお安く2代目のXC90を手に入れたいなら?
総額300万円台のT5 AWD モメンタムまたは、T6 AWD インスクリプション

2代目ボルボ XC90の価格としては安価といえる「総額300万円台」の予算で考えるとしたら、狙うべきは自動的にこの2グレード、つまり2L 直4ガソリンターボのT5 AWD モメンタムか、そこにスーパーチャージャーも追加されたT6 AWD インスクリプションのいずれかになります。

T5の場合は総額340万~380万円のゾーンで、T6であれば総額360万~390万円ほどのゾーンにて、走行距離5万km以下の物件を見つけることができるでしょう。
 

XC90▲2L 直4ガソリンターボエンジンを搭載するT5 AWD モメンタム

パワフルに走れるのは当然ながらツインチャージャーであるT6の方ですが、T5でも普通に使う分には十分以上の力感ですので、動力性能については「どちらを選んでもOK」と言うことができます。

そして装備内容もT6 AWD インスクリプションの方がより充実しているのは確かですが、XC90はそもそもフラッグシップSUVですので、ベーシックなT5 AWD モメンタムでも快適装備の類は十分以上。シート表皮もリアルレザーが標準です。まぁT6 AWD インスクリプションだとパンチ加工されたパーフォレーテッドレザーにはなるので、より上級感はありますが、普通のレザーでも特に不満は感じないはずです。
 

XC90▲パーフォレーテッドレザー(細かな穴がパンチングされたレザー)ではなくとも、T5のレザーシートはプレミアムSUVとしての風格に十分見合っている

それよりも、問題は「総額300万円台で狙える“走行距離5万km以下”のT5/T6は数が少ない」ということです。この条件ですと実際には総額400万円台が中心になりますので、総額300万円台の予算で狙いたい人は、比較的限られた物件のなかから程度の良いモノを素早く選び、素早く問い合わせや契約まで進む必要があるでしょう。

もしくは、走行距離の条件を「8万km以下」ぐらいまでゆるめ、その中から、メンテナンス履歴がなるべく良好な1台を探し出す――というやり方もアリです。
 

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選択肢② ディーゼルターボの2代目ボルボ XC90を手に入れたいなら?
総額500万円台のD5 AWDインスクリプションまたはモメンタム

力強く、なおかつ経済的でもあるディーゼルターボエンジンを搭載する2代目ボルボ XC90を狙いたい場合は、D5 AWDの標準グレードである「モメンタム」か、上級の「インスクリプション」、あるいはスポーティな「Rデザイン」の3グレードから選ぶことになります。

が、D5のRデザインは超希少で、モメンタムの流通量もかなり少ないため、実際にはD5 AWD インスクリプションのほぼ一択になります。これのマイナーチェンジ前の世代(2019年3月~同年7月)であれば総額510万~610万円、マイナーチェンジ後の世代(2019年8月~2020年7月)は総額560万~650万円のゾーンで、コンディションの良い物件を見つけることができるでしょう。
 

XC90▲2L 直4ディーゼルターボエンジンを搭載するD5 AWD インスクリプション。写真はマイナーチェンジ前の英国仕様

中古車価格との兼ね合いも考えなければなりませんが、基本的には、デザインがアップデートされると同時に先進安全装備の内容も強化されたマイナーチェンジ後の世代がオススメです。これの走行距離3万kmぐらいの物件を、総額550万円前後で狙うというのがモデルケースです。

しかしながらD5系の2代目XC90は「そもそも中古車の流通量が少なめである」というのが難点です。そのためこちらについても、もしも本当に欲しいのであれば「比較的限られた物件の中から程度の良いモノを素早く選び、素早く問い合わせや契約まで進む」というスピリットが重要になります。
 

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選択肢③ プラグインハイブリッドの2代目XC90を手に入れたいなら?
比較的お手頃なのはT8ツインエンジン AWD インスクリプションだが

プラグインハイブリッドのパワートレインを採用する2代目XC90を狙いたい場合は、「プラグインハイブリッド車に何を求めるか?」によってオススメが変わってきます。

もしも「EV走行距離は短くても構わないので、とにかく自宅で充電できるXC90を比較的お安く買い求めたい」というのであれば、狙うべき対象のひとつは、2020年の途中まで存在した「T8ツインエンジン AWD インスクリプション」です。これの走行距離5万km前後の物件であれば、総額450万~500万円ぐらいで見つけることは十分に可能です。
 

XC90▲システム最高出力407ps のプラグインハイブリッド車「T8ツインエンジン AWD インスクリプション」

また、マイナーチェンジ後の世代であることにこだわりたい場合は、2020年8月にT8ツインエンジン AWD インスクリプションから車名が変更された「リチャージプラグインハイブリッドT8 AWD インスクリプション」の2021年式までが検討対象になります。こちらは前期型よりも少々お高い「総額650万円前後」が予算の目安です。
 

XC90▲こちらは2020年8月に改名された「リチャージプラグインハイブリッドT8 AWD インスクリプション」

ただしこれらはモーターだけで走れる距離が35.4km(カタログ値)と短めですので、これらが向いているのは「比較的近場まで、比較的ひんぱんにXC90に乗って行くつもりである人」でしょう。

もしも「より長い距離をモーターだけで走りたい」というのであれば、プラグインハイブリッドシステムが改良され、EV航続距離が73km(カタログ値)に延びた2022年式以降がオススメです。ただしこちらを選びたい場合は、おしなべて総額800万円以上の予算が必要なのですが……。
 

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ボルボ XC90(現行型) × プラグインハイブリッド × 全国
文/伊達軍曹 写真/阿部昌也、ボルボ
※記事内の情報は2024年2月5日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。