ジャパンタクシーみたいなレトロなカタチが好きな人に勧めたい クライスラー PTクルーザー
2020/06/26

JPN TAXIも中古車で買えるけれど……
街中を走るタクシー。かつてはセダンが主流でしたが、現在ではスライドドアタイプの背の高いハッチバックが多くなってきました。
その車の名前は、トヨタ JPN TAXI(ジャパンタクシー)。JPN TAXIは、2017年10月にデビューしたタクシー専用モデルです。
トヨタはプレスリリースで「日本の“おもてなしの心”を反映し、お子様、高齢者、車いす使用者、外国からの観光客など、様々な人に優しく快適なタクシー専用車として開発した。JPN TAXIの普及により、日本の風景を変え、バリアフリーな街づくり、観光立国への貢献を目指す」としています。

JPN TAXIは、大型のスーツケースを2個平積みにでき、またスライドドアなので大きな荷物を室内に載せやすくなっています。
さらに、車いすのまま室内に乗り込めるようになり(最新モデルは車いすの乗り込みやすさも改善されました)、隣に介助者が座れるスペースも確保。
外観はロンドンタクシーをほうふつさせるレトロなデザイン。室内高を高くし、窓を大きくしたことでお客さんが街の風景を楽しみやすくなっています。

現代の車は空力性能を高めるためにフロントガラスは大きく傾斜し、また地面からドアガラス下端までの高さも高くなっています。その分、窓は小さくなった印象をもつ人も多いでしょう。
そんな今っぽいカタチとは異なるJPN TAXIのデザインをトヨタは、「ロングライフで流行に左右されないスタイリング」と説明しています。
レトロな雰囲気に魅力を感じ、「JPN TAXIをマイカーとして使いたい」と思う人もいるかも。JPN TAXIはタクシー専用モデルとして販売されていますが、実は中古車を購入することが可能なんです。
2020年6月15日時点で、カーセンサーnetには3台の中古車が掲載されていました。
ただ、JPN TAXIは燃料がLPガス専用モデルなので、一般の人が使うには何かと不便。そこで、似たような雰囲気を醸し出すモデルを選んでみるのはいかがでしょう。
それは、アメリカのクライスラーが2000年から日本に導入していた、PTクルーザーです。
レトロ感が魅力のPTクルーザーとはどんなモデルか?

1990年代後半からいくつかのメーカーは過去のヒットモデルをオマージュしたモデルを発表しました。
例えば、フォルクスワーゲン ニュービートルやBMWによって復活したミニ、フィアット 500などのモデルです。
PTクルーザーもそんなオマージュモデルのひとつで1930年代に登場した、エアフローをモチーフにしたといわれています。

モータリゼーション黎明期の車は、直線を基調とした単調な面をしていました。
ですが、エアフローは空力という考えを取り入れたこれまでにない流線型をしたモデルでした。
そのデザインはあまりにも革新的で、残念ながら当時の保守的な人々にはなかなか受け入れられなかったそうで、1937年にはその歴史に幕を閉じました。
そんなエアフローを現代流にアレンジしたPTクルーザー。アーチを描く前後フェンダーやリアの形状などにそのエッセンスが見て取れます。

高さを抑えたフロントガラスはエアフローの雰囲気を感じさせるだけでなく、チョップドトップ(ルーフの高さを低くするカスタム)したホットロッド(アメリカで流行したカスタム文化のひとつ)をほうふつさせます。
PTクルーザーは5ドアハッチバックにカテゴリーされますが、クラシックなセダンのようにも見えますし、スポーティモデルの雰囲気も醸し出していて、発売時は唯一無二の存在でした。

2000年7月に日本導入されたPTクルーザーは2L 直列4気筒エンジンを搭載。グレードはクラシックとリミテッドの2種類が用意されました。
2004年10月には搭載エンジンを2.4Lに変更。さらに2.4Lターボを積んだGTも設定されます。

2005年11月にマイナーチェンジが施され、ライトがオーバル型から涙目型に。また、フロントのクライスラーエンブレムが大きくなるとともにグリルまわりのデザインも滑らかな雰囲気になりました。

インテリアではインパネまわりのデザインを大きく変更。前期型の無骨な雰囲気からすっきりと現代的な雰囲気になっています。
このタイミングで運転席が電動シートに変更されるなど、機能面の充実も図られました。
PTクルーザーは2010年末まで10年にわたり販売。2004年には電動機閉式ソフトトップを備えるPTクルーザーカブリオも登場しています。
相場は底値で前期型と後期型で差はほぼなし。デザインと排気量で選ぼう
PTクルーザーの中古車は全国に70台ほど流通しています。中古車を探すときにポイントとなるのは2つ。
ひとつは排気量を2Lにするか、2.4Lにするか。
もうひとつはフロントライトが楕円形デザインでクラシックな雰囲気を強調したものにするか、涙目になりクライスラーエンブレムも大きくなってモダンな雰囲気になったものにするかです。
実はエンジンは2Lと2.4Lで最高出力はそれほど変わりませんが、トルクが太くなっています。
街中での加速は2.4Lだと余裕がありますが、一方で毎年納める自動車税が若干高くなるので、少しでも維持費を抑えたい人は2004年9月までのモデルを選びたいところ。
▼検索条件
クライスラー PTクルーザー(初代) × 排気量2L▼検索条件
クライスラー PTクルーザー(初代) × 排気量2.4Lデザインはインテリアを含めてクラシックスタイルにとことんこだわるなら、迷わず2005年10月までの前期型でしょう。
ただ、元々の雰囲気がクラシック感にあふれているので、モダンな雰囲気、パワーシートなどの装備面にもこだわりたい人は2005年以降の後期型をチョイスした方が満足度は高いはずです。
流通している中古車で前期型は20台ほどと希少です。PTクルーザーはデビューからかなり年月がたっていることもあり、前期型と後期型の相場差はほぼなくなっています。
▼検索条件
クライスラー PTクルーザー(初代) × 前期型(2000年7月~2005年10月生産モデル)▼検索条件
クライスラー PTクルーザー(初代) × 後期型(2005年11月~2010年12月生産モデル)最終モデルに近い年式で走行距離が3万km前後のGTやGTターボだとは支払い総額が100万円を超えるものもありますが、多くの中古車は総額80万円以下で見つけることができます。
デザインや色の好み、搭載エンジンなどの条件を見ながらチェックしてみましょう。
▼検索条件
クライスラー PTクルーザー(初代)
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
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