大きなミニバンは家族みんなで出かけられるのが魅力。そんなミニバンに足腰が弱った方でもラクに乗れる電動シートを装備したのが、今回ご紹介するホンダ エリシオン(現行型)の助手席またはサイドリフトアップシート車だ。

ベースであるエリシオンは同社の最上級ミニバンとして2004年5月に登場。独自の低床プラットフォーム技術により、ゆとりの室内空間と、低重心化による楽しい走りを両立させている。また高い室内高を生かして、後列にいくに従いシートが高くなるシアターレイアウトを採用しているので、2列・3列目シートでも前方視界が良い。このエリシオンをベースに、回転&昇降する助手席を備えたのが助手席リフトアップシート車、同様のシートを2列目の助手席側に備えたのがサイドリフトアップシート車だ。

どちらも、車の敷居(サイドシル)をまたいで乗るのに苦労する足腰が弱った方にとって、乗り降りが格段にしやすくなる。乗ってしまえば普通の車のシートと同じだから乗り心地も他の席と変わらないし、長時間のドライブでも快適だ。足腰が弱ると外に出るのがおっくうになりがちだが、これなら楽に車で出かけられるので外出も楽しくなるだろう。

助手席か2列目に回転&昇降するシートが備わるため、できないシートアレンジも一部あるが、ほとんどベース車と変わらない。また助手席側の後部スライドドアは電動なので乗り降りしやすい。乗車定員は助手席リフトアップシート車が8人、サイドリフトアップシート車が7人となる。

原稿執筆時点で見ると、サイドリフトアップシート車がわずかに3台あるのみ。いずれも総額150万円以下で、中には純正のHDDナビを装備しているものもあった。台数が少ないので、希望する装備類を見比べながらじっくりと探したい。

乗車定員/8名(助手席リフトアップシート車)、7名(サイドリフトアップシート車)
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/400mm(2WD)
シートの車外飛び出し量/880mm(助手席リフトアップシート車)、835mm(サイドリフトアップシート車)
助手席ドア開口角度/72度
回転時足元スペース/310mm
シートスライド量/100mm(サイドのみ。助手席はスライドできない)

Text/籠島康弘

助手席リフトアップシート車。乗り降りしやすいようシートの足元にはフットプレートがついている

助手席リフトアップシート車。乗り降りしやすいようシートの足元にはフットプレートがついている

サイドリフトアップシート車。シートの下部側面に回転・乗降スイッチとシートスライドスイッチがついている

サイドリフトアップシート車。シートの下部側面に回転・乗降スイッチとシートスライドスイッチがついている