車いすごと乗れる福祉車両の中で、軽自動車は人気が高い。ミニバンなどに比べて維持費が安く取り回しもしやすいからだ。一般的なのはスロープを使って乗降させるタイプだが、スロープの角度や車いすの人の体格によっては介助に力が必要になる。その点、スバル サンバーシリーズに用意された電動リフターなら、電動リフトに載せるだけで乗降できるので介助しやすい。

ベースであるサンバー(1999年2月~2012年3月)は、軽1BOXカーの中で唯一リアエンジン・リアドライブ(RR)を採用している。エンジンや駆動系をリアの床下に収めているため、軽自動車枠いっぱいの広い空間が自慢の軽1BOXの中でもスペース効率が高い。荷物をたくさん積みたい人などから高い人気を得た車だ。そんな広々空間を車いすの人のために活用しているのが電動リフターというわけだ。

軽自動車で車いすごと乗降させる場合はスロープを使うのが一般的だが、サンバーシリーズでは電動リフトを使用する。そもそもこの車以外だと、電動リフトは3ナンバーサイズ以上の大きなミニバンなどにある程度。したがってかなり希少な存在だ。

さらに、通常ならバックドアを開けて車の後ろからリフトを使って乗降するのだが、サンバーでは助手席側のスライドドアを開けて乗降する。車を道路に縦列駐車している場合など、歩道から乗降しやすいというメリットがある。介助する人用のリアシートも用意されていて、車いすの人を含め最大4名まで乗車可能だ。

電動リフターを備えているのは、商用車であるサンバーのほかに乗用車タイプのサンバーディアスワゴン、ファミリー向けだが登録は商用車というサンバーディアスバンの3モデル。

原稿執筆時点で見るとサンバーで4台、サンバーディアスワゴンで5台、サンバーディアスバンで2台の計11台が見つかった。ほとんどが100万円以下だが、走行距離3万km程度の物件は80万円以上する。1999年から2012年まで製造された息の長いモデルだけに、低年式&多走行なら総額50万円以内で見つけることもできる。予算に合わせて選ぼう。

乗車定員/4名
リフト能力/150kg
リフトのプラットフォーム大きさ/タテ890mm×ヨコ670mm

Text/籠島康弘

2WDと4WDがある。フロントマスクがレトロ調のサンバーディアスワゴンクラシックにも用意されていた

2WDと4WDがある。フロントマスクがレトロ調のサンバーディアスワゴンクラシックにも用意されていた

リフトの昇降と収納はリモコンで行う。車いすの人の前には乗車中に握れる補助バーが用意されている

リフトの昇降と収納はリモコンで行う。車いすの人の前には乗車中に握れる補助バーが用意されている