トヨタエスティマ(3代目) ▲3世代にわたり販売されたエスティマ。独特な丸形のシルエットがいまだに高い人気を誇る
 

3列シートにスライドドアを装備しながら、卵型のフォルムで四角いワンボックスカーとは一線を画すエスティマ。1990年に初代が登場し、2代目でハイブリッドが追加され、2006年に3代目となるが2019年に生産が終了。そのため、現在では中古車でしか購入することができない。

現在、3世代すべて中古車の平均価格はフタケタ万円になっており、手に入れやすいモデルと言えるだろう。

今、狙うとすれば、中古車の流通台数が多く、装備が充実している3代目が選びやすい。年式にもよるが、予算90万円ほどで走行距離5万km前後の物件が見つかる状況だ。

より低価格でエスティマを狙いたいという人は、2代目にもまだまだ選択肢は残されている。こちらは総額40万円ほどで、走行距離10万km以下の選択肢が確保できる。

初代はさすがに台数が少ないものの、エンジンを床下に置いたミッドシップレイアウトを採用した、独自性の高いモデルとしてわずかに流通している。

ここでは世代ごとに、特徴や中古車相場を紹介する。
 

 

エスティマ(初代)の特徴と中古車相場

■エスティマ(初代)DATA
生産期間:1990年5月~1999年12月
中古車流通量:20台
中古車価格帯:30万~140万円

トヨタ エスティマ ▲運転席側のドアは運転席のヒンジのみで、助手席側には後席用のスライドドアが備わる。1998年のマイナーチェンジでスポーティなエアロパーツを備えたグレード「アエラス」が設定された

■エスティマ(初代)の特徴
「天才タマゴ」というキャッチフレーズで登場した初代。タマゴ型フォルムだけでなく、エンジンレイアウトにも大きな特徴があった。2列目シートの下に2.4Lの直列4気筒エンジンをほぼ寝せるように傾けて搭載し、後輪または四輪を駆動させたのだ。大人数を乗せる車でありながら、スポーツカーのように回頭性に有利なミッドシップレイアウトだと車好きからも注目も集め、自動車評論家も賛辞を与えた。

当初は2列目シートがセパレートシートの7人乗りのみだったが、1993年にはベンチシートの8人乗りが追加された。

全幅は1800mmあって室内も広々としていたが、「これで5ナンバーサイズが欲しい」という多くの声を受け、1992年には全幅を1690mmに収めた「エスティマルシーダ/エミーナ」という兄弟車が誕生。エンジンや座席数・ドア数はエスティマと同じだ。
 

トヨタ エスティマエミーナ ▲全幅が抑えられたエミーナ。エンジンや装備はエスティマと同様

ラインナップは2WDと4WDの2グレードとシンプル。それにダブルサンルーフが備わったり、ボディ色や装備に手が加えられた特別仕様車が用意された。

1994年のマイナーチェンジの際に一部グレードを除きスーパーチャージャーを備え、最高出力は135psから160psへと向上した。トランスミッションはいずれも4速ATとなる。

■エスティマ(初代)の中古車相場
中古車流通量は約20台とく少なく、そのほとんどがスーパーチャージャー付きの後期モデルで、走行距離は10万km前後となっている。

100万円以内で狙える物件がほとんどだが、100万~140万円の価格帯ではカスタムカーも見つかる。

派生モデルのエスティマルシーダ/エミーナはさらに流通台数が少なく、合わせても10台ほどしかない。走行距離10万km以上のものであれば総額50万円で見つけることができるが、走行距離10万km未満の物件は総額80万円ほどにアップする。
 

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エスティマ(2代目)・エスティマハイブリッド(初代)の特徴と中古車相場

■エスティマ(2代目)DATA
生産期間:2000年1月~2005年12月
中古車流通量:125台
中古車価格帯:10万~100万円

■エスティマハイブリッド(初代)DATA
生産期間:2001年6月~2005年12月
中古車流通量:6台
中古車価格帯:20万~70万円
 

トヨタ エスティマ ▲両側スライドドアが採用された2代目。なお車名に「T」がつくエスティマTはトヨタ店で、「L」がつくエスティマLはカローラ店で販売されたが中身は同じ

■エスティマ(2代目)・エスティマハイブリッド(初代)の特徴
2代目はタマゴ型フォルムを継承しつつも、エンジンの搭載位置をフロントに変更し、前輪または四輪を駆動する方式に改められた。

それにより搭載できるようになった3LのV型6気筒エンジンモデルと、改良された2.4Lの直列4気筒エンジンモデルをラインナップ。

さらに、2001年6月には2.4Lエンジンにモーターを組み合わせた、世界初のハイブリッドミニバン「エスティマハイブリッド」が加えられた。エスティマハイブリッドは、前輪をエンジンとフロントモーターで、後輪をリアモーターで駆動させる4WDシステム「E-FOUR」を搭載する4WD車のみとなる。

この「E-FOUR」は車両安定制御システムとも連携し、当時「どうやっても車を滑らすことができない」といわれたほど、安定感が抜群だった。また、AC100Vコンセント(最大1500W)も備えており、キャンプなどで鉄板プレートやドライヤーを使用することができる。

ガソリンモデルのトランスミッションは4速AT、ハイブリッドモデルはCVT。2003年のマイナーチェンジで、ガソリン車にスポーティなグレード「アエラス」が追加され、ハイブリッドモデルの燃費も向上している。

シートは8人乗りが基本で、「G」グレードにのみ、オットマン機能を備えた2列目シートを備える7人乗りが用意された。3列目シートは825mmのスライドが可能になっている。
 

トヨタ エスティマハイブリッド ▲別モデルとしてラインナップに加わった、エスティマハイブリッド

■エスティマ(2代目)・エスティマハイブリッド(初代)の中古車相場
ガソリン車のエスティマの流通量は、約120台。その大半が車両価格50万円以下で、総額でも70万円以下の物件がほとんどだ。

エンジンタイプ別に見ると、2.4Lが7割超で3Lは少数派。走りに力強さを求めないのであれば、流通量が多い2.4Lから探し始めるのがいいだろう。

走行距離はバラツキがあり、中には2万kmほどのものもある。10万km以下の物件は全体の6割を占めるが、全物件が15年以上前の年式のため走行距離にとらわれず、実車の程度を見て選んだ方がよさそうだ。

一方、エスティマハイブリッドの流通量は10台以下だが、いずれも100万円以下で狙える。こちらも走行距離は5万kmから20万km超と大きくばらつきがあるため、実車の程度優先で選ぶことをオススメしたい。
 

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エスティマ(3代目)・エスティマハイブリッド(2代目)の特徴と中古車相場

■エスティマ(3代目)DATA
生産期間:2006年1月~2019年10月
中古車流通量:2090台
中古車価格帯:10万~360万円

エスティマハイブリッド(2代目)DATA
生産期間:2006年6月~2019年10月
中古車流通量:480台
中古車価格帯:30万~470万円
 

トヨタ エスティマ ▲車両前方の死角部分を190度見渡せるフロントワイドビューモニターと、サイドモニターがHDDカーナビとセットオプションで用意された。2016年6月のマイナーチェンジでエクステリアが大きく変更された

■エスティマ(3代目)・エスティマハイブリッド(2代目)の特徴
ガソリンモデルとして3代目になる最終型は、2WDと4WD、7人乗りと8人乗りが選べ、両側スライドドアを備えるのは2代目と同じ仕様。

しかし、排気量は2代目より大きく3.5LのV型6気筒エンジンと、出力がアップした2.4Lの直列4気筒モデルが搭載された。トランスミッションは3.5L車が6速AT、2.4L車はCVTが組み合わされている。

その後、ハイブリッドモデルの2代目エスティマハイブリッドも追加された。こちらは先代と同じ2.4Lエンジン+2モーターだが、小型・高回転型モーターが採用され、トランスミッションがいわば電気式無段階変速機となる次世代型システムに一新されている。

これにより、燃費は先代の18.6km/Lから20.0km/Lに向上(いずれも10・15モード)。また、バッテリーの搭載位置が前方へ移動したことで、ガソリン車同様に「3列目シートの床下収納」が可能になった。
 

トヨタ エスティマ ▲2列目シートは7人/8人乗りとも回転機能は省かれた。代わりに7人乗りの2列目シートは、800mmのロングスライド機能とオットマン機構、横にスライドする機能が備わる。3列目シートを床下に収納してフラットで広いラゲージを作り出せる

デビュー時のグレード構成は、新車時の車両価格が高い順に下記のようになる。
・2.4L車
G>アエラスSパッケージ>アエラス>X

・3.5L車
G>アエラスGパッケージ>アエラスSパッケージ>アエラス

・ハイブリッド
G>X
 

トヨタ エスティマ ▲初期型の上位グレードとなる「G」

2008年12月のマイナーチェンジではクルーズコントロールと後席確認ミラー、オーディオコントロール用ステアリングスイッチが全車に標準装備された他、快適温熱シートが用意された。

グレード名に変更があり、車両本体価格の高い順に下記のように変わった。
・2.4L車
G>アエラスレザーパッケージ>アエラス>X

・3.5L車
G>アエラスレザーパッケージ>アエラス

・ハイブリッド(変更なし)
G>X

2012年5月のマイナーチェンジでは、「アエラス」全グレードに両側電動スライドドアが、また従来から両側電動スライドドアだった「G」グレードは電動バックドアが標準で備わるようになった。

さらに2013年5月の一部改良では、自車を俯瞰で見られるパノラミックビューモニターがオプション設定され、続く2014年9月の一部改良では車両安定制御システムのS-VSCや、バック時に自動的に下を映すドアミラーが標準装備された。
 

トヨタ エスティマ ▲後退時などに周囲の障害物を把握しやすくなるパノラミックビューモニター

2016年6月に最後となるマイナーチェンジが行われ、グレードは「アエラス」に一本化、ガソリン車は2.4Lエンジンのみとなった。機能面では衝突被害軽減ブレーキやハイ/ロービーム自動切替機能などを含む「トヨタセーフティセンスC」や、マルチインフォメーションディスプレイが全車標準で備えられた他、足回りのチューニングも最適化が施されている。

加えて前後左右すべてのウインドウガラスにUVカットガラスが、ミニバンとして初めてツートーン仕様(ブラックルーフとボディ色の組みあわせ)が採用された。塗装も小さな擦り傷なら自己修復してくれる「セルフリストアリングコート」が施されている。

グレード構成は新車時の車両価格が高い順に下記のとおり。
・2.4L車、ハイブリッド共通
アエラスプレミアムG>アエラススマート>アエラスプレミアム>アエラス

 

トヨタ エスティマ ▲ルーフ部分とボディカラーがツートーンになっているのは2016年6月以降のモデルのみ

■エスティマ(3代目)・エスティマハイブリッド(2代目)の中古車相場
ガソリンモデルの流通量は2000台以上あり、総額30万円以下でも選択肢は豊富。予算を重視するなら、2016年のビックマイナーチェンジ前の2.4L車が狙い目だ。

コンディション重視なら予算70万~100万円程度までアップすると、同じく2016年マイナーチェンジ前のモデルながら、走行距離5万km以下の物件を見つけることができる。

3.5Lエンジン搭載車は、年式を問わず物件が少ない。大人数での移動や荷物を載せる機会が多い人には向くが選択肢が限られるため、好条件の物件が出てきたら早めにアクションをした方がいいだろう。

装備重視、もしくはツートーンカラーが条件なら、2016年のマイナーチェンジ後のモデルが選択肢となるが、こちらは全体の1割弱ほどしかない。200万~250万円が最安値帯で、総額250万円以上なら走行距離4万km以下の物件も見つけることができる。

ハイブリッドモデルのエスティマハイブリッド(2代目)も約500台弱流通しており、支払総額50万円以下からでも十分選べる。こちらも2016年のビックマイナーチェンジ前のモデルが中心で、マイナーチェンジ後のモデルは総額250万円以上となる。
 

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※記事内の情報は2021年1月5日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/トヨタ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。