スバルBRZ

スバル唯一のFRスポーツクーペの流通量が増加中!

スバルといえば水平対向エンジンとシンメトリカルAWDが知られるところで、コアなファンを多く抱えるメーカーとしても知られていますが、そんなスバルの車種ラインナップの中で唯一となるFRレイアウトをもつスポーツクーペがBRZです。

このBRZはトヨタとの共同開発で生まれたもので、スバルの水平対向エンジンにトヨタの直噴とポート噴射の2つを同時採用し、状況に応じて使い分ける「D-4S」が組み合わされるなど、両社の技術を併せもった1台となっており、トヨタ86/GR86とは兄弟車関係となっているのです。

そんなBRZは2012年に初代モデルが登場し、現在は2021年に登場した2代目が現行型として販売中ですが、登場から3年以上が経過して中古車の流通量が増加中で、1年前の2023年11月と比べると2倍近い354台となっており、選びやすい状況となっているのです。

スバルBRZ

これは登場から3年以上が経過乗り替えたユーザーが増えてきたことや、昨年9月に一部改良がなされ、MT車にも運転支援システムである「アイサイト」が装着されたことで、改良モデルに乗り替えたユーザーも存在したことが考えられます。

この記事では改めて現行型BRZのモデル概要を再確認するとともに、今の狙い目物件を考えて見たいと思います。

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スバル BRZ(2代目・現行型)×全国

1.【モデル概要】排気量が2.4Lにアップし動力性能はより高く

スバルBRZ
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2021年7月に登場した2代目BRZは、初代の良かった点はそのままにエンジンを2.0Lから2.4Lへと排気量を拡大し、最高出力173kW(235ps)最大トルク250N・m(25.5kg・m)へと出力を向上。組み合わされるトランスミッションは初代と同じく6速のMTもしくはATが用意されました。

スバルBRZ

さらに運転支援システムの「アイサイト」をデビュー時はAT車に、2023年9月の一部改良以降はMT車にも搭載し、安全性や快適性をより高めている点もポイントとなっています。

また、スタイルもよりシャープでスポーツカーらしいものに進化しているのに加え、メーターがアナログメーターから液晶メーターになったことで走行モードによってメーター表示を変化させるなど、よりスポーツカーらしさがアップしているのも魅力と言えるでしょう。

スバルBRZ
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ちなみに兄弟車であるGR86との違いは内外装の意匠の違いの他、フロントナックルの材質の違いやリアスタビライザーの取り付け位置の違い、足回りとスロットルマッピングの味付けの違いが主となっています。

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グレードはエントリーグレードの「R」と、上級グレードの「S」の2グレードでスタート。走行性能に関わる部分はRが17インチ、Sが18インチタイヤホイールを装着する点のみで、あとはスピーカーの数やインテリアの加飾やシート表皮など、装備が充実する違いとなっていました。

2022年2月にはワンメイクレース用のベース車である「カップカーベーシック」が追加。こちらはモータースポーツベース車となっており、ロールケージや6点式シートベルト、エンジンオイルクーラーなどが専用装備される一方で、加飾や交換前提のアルミホイールは装備されない(スチールホイール仕様)スパルタンなものとなっています。

そして2023年9月の一部改良のタイミングで、初代BRZに設定されていた「STI Sport」が復活。こちらはSTIチューニングの日立Astemo製SFRDフロントダンパーを装備した他、ブレンボ製ブレーキをメーカーオプションとして設定。

またインテリアにはボルドー/ブラックのウルトラスエードと本革のコンビシートが備わるなど、大人の上質なスポーツカーに仕上がっています。

スバルBRZ

ではこのように複数ある仕様の中から、中古車として狙うのであればどんな物件があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

2. 【オススメ1】安くいいのが欲しいなら「修理歴のない走行距離10万km以下」

現行型のBRZをとにかく安く買いたい、という人にとっては、最低どのくらいの予算が必要なのかは気になるところ。

スバルBRZ

BRZの新車のスタート価格はデビュー時で300万円ちょっと、現在ではアイサイトが標準装備となったことで330万円ほどとなっています。そこにナビやETC、フロアマットなど最低限のオプションをプラスすると、諸費用も入れると400万円に迫る価格となってしまいます。

一方、中古車となると支払総額で260万~270万円台の予算があれば最も安い部類の物件は射程圏内となります。その中でもオススメなのは修理歴のない個体。かつ、走行距離10万km未満の個体であれば、購入後も安心してその走りを楽しむことができるでしょう。ぜひ、安い順に絞り込んでみてください。

最安値の部類の物件であっても、登場から3年ほどしか経過していないため、極端な過走行車などは少なく、AT車では2万km前後、人気のMT車でも5万km前後の修復歴なし車が中心なので、それぞれ買い得感は高いと言えるでしょう。

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スバル BRZ(2代目・現行型)× 修理歴なし × 走行距離10万km以内 × 全国

3. 【オススメ2】やっぱりMT車が欲しいならエントリーグレードの「R」

スポーツカーの醍醐味のひとつといえばやはりマニュアルトランスミッション。いくら最近の2ペダル車が速いといっても、自分でクラッチペダルを踏み込み、ギアを選択して走りたいと思っている人は多いことでしょう。

スバルBRZ

そんなユーザーが多いスポーツカーであるBRZでは、中古車として掲載されている物件の半数以上となる約67%がMT車となっており、ユーザーの趣向が色濃く反映されていると言えます。

その中でも中心となっているのはこの価格帯で販売されている物件の多くはエントリーグレードの「R」。底値は現在総額270万円台といったところですが、このあたりの価格帯の車両は走行距離5万km前後が中心と、年式からするとやや過走行気味。ただ、中にはディーラー系中古車店の物件もあるため、そういった車両であれば安心感は高いと言えるでしょう。

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スバル BRZ(2代目・現行型)×MT×R×全国

逆にもう少し低走行車がいいという人は、予算を300万円程度までアップできれば走行距離1万~2万km台の物件も射程圏内で、上級グレードのSもチラホラ見つけることができるようになります。

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スバル BRZ(2代目・現行型)×MT×S×全国

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スバル BRZ(2代目・現行型)×MT×全国

4. 憧れのSTI Sportはいくらくらいなの?

スバル好きであれば琴線に触れまくること間違いなしの「STI Sport」は、2023年9月に登場したばかりのモデルということもあり、まだ1年ちょっとしか経過していないグレードで、新車価格も約380万円となかなかに高額な仕様となっています。

スバルBRZ

ただ、中古車としては執筆時点で25台の掲載があり、中には総額で370万円台の物件も存在します。またディーラー系中古車店からは展示車・試乗車上がりの車両も複数掲載されており、価格は総額で400万~420万円台とそれなりですが、ナビやオプションのブレンボブレーキ装着車などもあり、当然ながら即納が可能であるため、STIに憧れがあるのであれば検討してみてもいいかもしれません。

今回は掲載台数が増加傾向にある現行型スバル BRZをご紹介しましたが、ピュアエンジンでFRレイアウト、そしてMTも選べるという車両は今後減っていくことが予想されているため、買えるうちに買っておき楽しみたいところ。

もし気になっている人がいるのであれば、状態の良い物件が選べる今のタイミングで購入を検討することをオススメします。

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スバル BRZ(2代目・現行型)×STI Sport×全国

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スバル BRZ(2代目・現行型)×全国

※記事内の情報は2024年12月23日時点のものです

文/小鮒康一、写真/SUBARU、篠原晃一
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。

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