X5 ▲数々の装備をプラスして登場したBMW X5の特別仕様車「ファイナルエディション」。かなり魅力的な選択肢ではあるが、総額1400万円以上となる新車価格はさすがにちょっと……ということで、その半分の予算で狙える素敵な選択肢を探してみたい

欲しいけど、新車価格は1398万円……

本国では通算5代目となる新型が発表されたBMW X5だが、日本では2026年6月、4代目G05型のファイナルモデルとなる特別仕様車、その名も「X5ファイナルエディション」が発売された。

既存モデルである「X5 xドライブ 40d Mスポーツ」のスポーティさとスタイリッシュさをさらに強調したファイナルエディションのたたずまいと装備内容に、かなりシビれている人も多いかと推測する。だが問題は、その価格だ。
 

X5▲BMW X5のスポーツ性を強調するエクステリア系のアイテムやパノラマサンルーフ、カーボンファイバーインテリアトリムなどを惜しみなく取り入れたファイナルエディションは、確かに魅力的ではあるが……(※写真はxドライブ 35d エディション X)

「X5ファイナルエディション」の車両本体価格は実に1398万円。支払総額は軽く1400万円を超え、バリューローン(BMWの残価設定ローン)を利用したとて、月々の支払額は12万円以上となってしまうはず。

「さすがそこまでの予算は……」と絶望するのが、一般的な心情にはなるだろう。だが中古車市場に着目してみれば、X5ファイナルエディションに近い魅力または凌駕する魅力を備えたプレミアムSUVが、X5ファイナルエディションの半分の予算で見つかるケースもあるはず。

この記事では、X5ファイナルエディションのおよそ半分の予算となる総額700万円前後で、いや、いっそのこと総額500万円台ぐらいでも狙える、素敵なプレミアムSUVを探してみることにしよう。
 

 

候補①:X5と同様の「ドイツ車のスポーティでイケてるSUV」
→ポルシェ マカン(初代)

年式的にはBMW X5ファイナルエディションより若干古くはなる。だが「ポルシェである!」というブランド力と、「その走りはほぼ911である!」という運動性能においてX5ファイナルエディションを凌駕する可能性も高いのが、ご存じ初代ポルシェ マカンだ。
 

マカン▲こちらが初代ポルシェ マカン。写真は強力なエンジンを搭載するスポーティグレード「GTS」の中期型

日本では2014年に発売された初代ポルシェ マカンは、ポルシェとしては初のコンパクトSUV。とはいえこれを「コンパクトSUV」としているのはポルシェ社の基準でしかなく、中期型の場合で全長4695mm×全幅1925mm×全高1624mmとなるボディサイズは「ミドルSUV」と呼ぶにふさわしいものだろう。

パワーユニットは最高出力237psの2L直4ターボから同440psの2.9L V6ツインターボまで多種多様で、その力感自体はユニットごとに異なる。だがいずれのパワーユニットを搭載していたとしても、その走行フィールは「ほぼポルシェ 911!」といえるもの。BMW X5を含む他社製のプレミアムSUVでは決して味わえない類の、きわめて精緻なフィーリングだ。
 

マカン▲GTSのインテリア。GTSの場合、シート中央部とセンターコンソールアームレストなどにアルカンターラが採用され、GTS専用のスポーツシートも標準装備となる

総額500万円付近の予算感で狙いたい場合は、中期型のベースグレード(2018年12月以降の2L直4ターボ搭載グレード)がメインターゲット。

そしてBMW X5ファイナルエディションのおおむね半分の予算である総額700万円前後まで拠出できるのであれば、後期型ベースグレード(最終形のデザインとなった2021年7月以降の2L直4ターボ搭載グレード)か、中期型GTS(最高出力380psの2.9L V6ツインターボを搭載するスポーティグレード)を狙いたい。
 

▼検索条件

ポルシェ マカン(初代) ×総額799万円以下
 

候補②:X5と同様にスポーティだけど「ドイツ車以外」のイケてるSUV
→マセラティ グレカーレ(初代)

「猫もしゃくしもドイツ車」的な状況があまりお好みでないならば、イタリアのマセラティが作っている「グレカーレ」が、あなたにとってのベストになるかもしれない。
 

グレカーレ▲「トナーレ」に続くマセラティ第2のSUVとして2022年に登場した「マセラティ グレカーレ」

マセラティ グレカーレは、日本では2022年5月に発売されたミドルSUV。ボディサイズはBMW X5ファイナルエディションと比べれば若干小ぶりではあるものの、存在感は十分以上といえる全長4873mm×全幅1947mm×全高1687mm。

パワーユニットは最高出力300psまたは330psの2L直4ターボ+ハイブリッドと、同530psの3L V6ツインターボで、トランスミッションは8速AT。駆動方式はいずれのグレードも4WDだ。
 

グレカーレ▲本革とカーボンパネルで仕上げられた「グレカーレ モデナ」の運転席まわり。車両設定やエアコン、インフォテインメントシステムなどのほとんどの操作はセンターディスプレイを介して行える

マセラティのミッドシップスーパースポーツである「MC20」の3L V6ツインターボをデチューンして搭載した「トロフェオ」の中古車価格はさすがに総額800万円を超えるが、2L直4ターボ+マイルドハイブリッドの「GT」であれば総額500万円台後半から、まずまず走行の少なめな物件を検討可能。そして同エンジンの330ps版である「モデナ」でも、総額600万円台半ばから走行が少ない物件が見つかる。

GTとモデナの4気筒ユニットは、かなりの高回転域まで回すとさすがに「4気筒感」もあるが、SUVでそこまでぶん回す人はほとんどいないはず。BMW X5ファイナルエディションのディーゼルターボユニットと同様の低~中回転域で程よく回している限りではきわめてスポーティなニュアンスであり、それでいて乗り心地も良好だ。

いかにもイタリア物らしい妖艶な内外装デザインと合わせ、BMW X5ファイナルエディションのオルタナティブ(もうひとつの選択肢)として、ぜひ注目しておきたい1台である。
 

▼検索条件

マセラティ グレカーレ(初代) ×総額799万円以下
 

候補③:X5と同様の「ドイツ車」で、なおかつ「スタイリッシュ」なSUV
→アウディ Q5(3代目)

走行性能もさることながら、それと同時に「デザイン性」「スタイリッシュ」「イケてる」というような要素にも重きを置きたい場合は、3代目のアウディ Q5に注目したい。
 

Q5▲2025年7月に登場した3代目アウディ Q5

通算3代目となる2025年7月発売のアウディ Q5は、PPC(プレミアムプラットフォームコンバッション)という新開発のプラットフォームを採用した、全長4715mm×全幅1900mm×全高1655mmのミドルサイズSUV。

パワーユニットは最高出力204psの2L直4ガソリンターボ+マイルドハイブリッドと、同じく204psを発生する2L直4ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドの2種類。駆動方式はアウディ得意のクワトロシステムで、トランスミッションは7速ATを採用している。

そんな3代目アウディ Q5は走行性能の部分においても、PPCという新たな“体幹”がもたらす粘り腰的なフィーリングとなめらかさには素晴らしいものがあるわけだが、ここで注目したいのは「きわめてスタイリッシュなデザイン」についてだ。
 

Q5▲物理スイッチは極力排されている3代目アウディ Q5のコックピット。写真はオプションの10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイ装着車

2代目までのアウディ Q5は「比較的プレーンでシンプルな造形」がその美点だったが、3代目は抑揚を強調した肉感的フォルムに変わり、特に、グリルやヘッドランプを従来型よりも高い位置に配することでSUVらしい厚みを表現したフロントマスクは出色の出来。「存在感は十分以上だが、決して下品ではない」というギリギリの線を見事に表現しているのだ。

そしてインテリアも、曲面OLED(有機EL)テクノロジーを備えた11.9インチのアウディバーチャルコックピットと、14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成されるインストルメントパネルがひたすらおしゃれ。助手席専用の10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイがオプションとして装着されている物件であれば、そのおしゃれ感はさらに強まるだろう。

2025年7月にデビューしたばかりのプレミアム輸入SUVゆえ、さすがに総額500万円前後で狙うのは不可能だが、BMW X5ファイナルエディションのおよそ半分の予算にあたる「総額700万円ぐらい」のゾーンであれば、走行数千kmレベルの物件を見つけることができる。
 

▼検索条件

アウディ Q5(3代目) ×総額799万円以下
 

候補④:X5と同様の「装備充実なインテリアが自慢のSUV」
→メルセデス・ベンツ GLE(2代目)

BMW X5とおおむね同格となるプレミアムSUVの中から「車内の装備がなるべく充実しているSUV」を、X5ファイナルエディションの半分の予算で求めるならば、2代目メルセデス・ベンツ GLEが適任となりそうだ。
 

GLE▲こちらが2代目メルセデス・ベンツ GLE。写真は小変更を受ける前の初期モデル

2019年6月に発売された2代目メルセデス・ベンツ GLEは、BMW X5ファイナルエディションとおおむね同寸となる全長4930mm×全幅1950mm×全高1770mmの3列シートSUV。この「3列シート」というのが、根本的な部分における2代目GLEの必殺装備であり、同じく3列・7人乗りであるBMW X5ファイナルエディションに匹敵する部分でもある。

そしてそのうえで、さすがはメルセデスのミドルサイズSUV(日本人の感覚からするとラージサイズSUV)だけあって、快適装備および先進安全装備における「あったらいいな」と思える装備は、最初からほぼほぼすべて標準装備。エントリーグレードである「300 d 4マチック」だけは少々寂しい部分もあるが、GLE 300 d 4マチックの中古車はほぼ流通していないに等しいため、実質的には何ら問題ない。
 

GLE▲エアコンとアンビエントライト、音楽、香りなどを総合的に制御する「エナジャイジングパッケージ」は、エントリーグレード以外は全車標準装備

エクステリアデザインが微妙に変更されると同時に、パワーユニットにマイルドハイブリッド機構が付加された2023年9月以降の世代は総額870万円以上が中心だが、それ以前の世代であれば、中古車価格はなかなか現実的。具体的には総額600万円前後から、「300 d 4マチック スポーツ」という売れ筋グレードの好条件な1台が見つかるだろう。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ GLE(2代目) ×総額799万円以下
 

候補⑤:X5とは趣向が異なるが、そんなことより「デザイン」がイケてるSUV
→メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目・W463型)

プレミアムSUVに求めたい要素は様々あるだろうが、とにかく「デザイン」「たたずまい」「存在感」といった部分こそを重視したいのであれば、2018年5月まで販売された2代目の「メルセデス・ベンツ Gクラス」がオススメの1台となる。
 

Gクラス▲こちらが2代目メルセデス・ベンツ Gクラスの末期モデル。写真は「G350d ヘリテージ エディション」

ご承知のとおり「ゲレンデヴァーゲン」と呼ばれることも多い2代目Gクラスは、「ほぼ四角四面」といえるスクエアきわまりないボディ形状が特徴ゆえ、いわゆるデザイン的にスタイリッシュであるうんぬんとは無関係なSUVと思われるかもしれない。

だが、SUVを含むほとんどの乗用車が「凝った曲面」や「丸みを帯びたディテール」を採用している今の時代だからこそ、あまりにもスクエアな2代目Gクラスのデザインが光るのだ。プロ向けの仕様として超スクエアな造形にしたところ、街のアマチュアたちに大ウケしてしまったスズキ ジムニーの例を見るまでもなく、今や「凝った曲面」よりも「四角四面」の方が――その希少性ゆえに――おしゃれと感じられるのだろう。

現在新車として販売されているW463A型Gクラスもスクエアといえばスクエアな形状なのだが、ところどころが時代に迎合する形で(?)丸みを帯びてしまっているため、こと「おしゃれ感」については2代目Gクラスの方が圧倒的に上であると考えていい。
 

Gクラス▲妙に華美ではないシンプルなインテリアデザインも、2代目Gクラスという車のおしゃれポイントだ

とはいえ、そんな2代目メルセデス・ベンツ Gクラスは販売終了となった後も大人気であったため、モデル末期の人気グレードは中古車となっても総額1000万円を軽く超える場合が多く、購入にあたってはそこがネックだった。

だが世間一般のニーズが3代目へと向ききったからか、近頃はその中古車価格もまずまず順調にダウン。具体的には総額500万~650万円付近の予算感にて、モデル末期の大人気グレードだった「G350d ロング」が狙える状況になっている。

小手先のデザイン処理によるものではなく「本質」の部分でイケてるデザインのSUVを、BMW X5ファイナルエディションの半分の予算で入手したいのであれば、2代目メルセデス・ベンツ Gクラス以上の選択肢はそうそうないはずだ。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目・W463型) ×総額799万円以下
文/伊達軍曹 写真/BMW、ポルシェ、ステランティス、アウディ、メルセデス・ベンツ
※記事内の情報は2026年8月24日時点のものです。
※記事中の車両に関する数値表記は、新車時のメーカー発表カタログ値です
※使用画像の一部は海外仕様のため、日本仕様とは異なります
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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