【新型】トヨタ スープラ|17年ぶりに復活したトヨタのピュアスポーツモデル
2019/10/03

初代スープラが誕生したのは、1978年。A40型セリカのフロントノーズを延長し、6気筒エンジンを搭載したラグジュアリークーペとして発売され、日本ではセリカXXという名称で登場しました。
1986年、セリカXXはアメリカと同じスープラ(70系)という名称に変更し、1990年には当時の自主規制いっぱいの280psを発生する2.5GTツインターボも登場。
そして1993年には80系へと進化しました。
しかしスープラをはじめ、日産 スカイラインGT-Rやマツダ RX-7など大排気量ターボモデルは当時の排ガス規制に対応できず、2002年8月に生産終了という運命をたどりました。
あれから17年。BMWとの共同開発によって、Z4とプラットフォームを共有するという形でスープラが復活! トヨタのスポーティカー開発部門「GR」ブランドから、第1弾モデルとして登場しました。
下記の動画では、GR Supraの誕生までのストーリーを描いています。
この記事では、17年の時を経てトヨタ自動車の威信をかけて、発表したGR スープラの全容を紹介します。

【グレード】性格の異なる3グレードを用意
BMW Z4とプラットフォームを共有するスープラは、全グレードが2シーターの設定です。
グレードはエンジンバリエーションの違いが中心。
トップグレードの「RZ」は3L直6ターボ、「SZ-R」と「SZ」は2L直4ターボが搭載され、直4ターボはSZ-RとSZでチューニングが変えられています。
価格は、ベースグレードのSZが490万円で、グレードが上がるごとに100万円ずつ高くなります。
▼新型スープラの価格表の価格表(消費税8%込)

【エクステリア】伝統的なスポーツカーらしいデザイン
Z4とプラットフォームを共有するスープラの全長は4380mmしかなく、イメージよりかなり小さく感じます。


ホイールベースも2470mmと同社のスポーツクーペ86より100mmも短くなっています。
そこにフロント255/35ZR19、リア275/35ZR19(以上、RZ)という大径タイヤが収まるので、サイドシルエットの迫力が際立ちます。
そして直6エンジンを縦置きするボンネットは長く、ロングノーズショートデッキというスポーツカーの伝統的なスタイルで、ドライバーの乗車位置が中央より後ろになっています。

正面から見るとワイドなスタンスとは対照的に、キャビン(乗員スペース)は中央に寄せられタイトな空間であることがわかります。
これは「タンブルホーム」と呼ばれる、スポーツカーの王道的なシルエットです。
全体的にスポーツカーの古典的なスタイルでありながら、そこに先進の空力性能や立体的な造形が与えられたことで、独特な存在感を発揮するデザインといえるでしょう。
フロントまわりやリアのシルエットには80系スープラの面影もあるので、当時を知る世代は懐かしさを感じるはずです。

【インテリア】アルカンターラと本革でラグジュアリーな雰囲気
RZのインテリアカラーは、アルカンターラと本革でスポーティさとラグジュアリーさを共存させたイグニッションレッド(RZ専用)と、シートに白いステッチが入る本革ブラックの2種類です。


SZ-Rのシートは赤いステッチが入る本革のブラック。
SZはファブリックのブラックになります。
コックピットはスポーツモデルらしいタイトなつくりです。


運転席の目の前にはデジタル式スピードメーターと、立体的に組み合わされたタコメーターが組み合わされた一眼式のTFT液晶メーターが鎮座します。

RZとSZ-Rは、センターコンソールにカーボンファイバーパネルが奢られています。

シートはスポーツ走行にも対応できる、サポート力の高いハイバック構成に。
RZとSZ-Rにはサイドサポートの幅が調整できる機能が付く他、運転席・助手席ともにシートヒーターが備わります。

【運転支援システム】全グレードに先進の予防安全技術が標準装備
新型スープラは全グレードに先進の予防安全技術が標準装備されています。
衝突被害軽減ブレーキはミリ波レーダー+単眼カメラ方式で、車両などの障害物の他、昼間の歩行者や自転車の運転者も検知。
走行中はブラインドスポットモニターで、隣車線の死角を走る車両の存在をドライバーに伝えてくれます。
そして全車速で前方を走る車両を追従しながら走行する、レーダークルーズコントロールも搭載。
走りを楽しみたいときとは別に、日常使いでは周囲の安全に気を配り、ドライバーの負担軽減を支援してくれます。
また、全グレードでスープラ専用のコネクティッドサービス「Toyota Supra Connect」が利用可能。
専用のスマホアプリで、車両の遠隔操作や確認などが行えます。
【価格】グレードごとに100万円の価格差
ベースグレードとなるSZ(490万円)は2Lターボで、スポーツモードはエンジン・ステアリング・トランスミッションを制御するタイプ。
シートはファブリックになり、インパネにヘッドアップディスプレイは備わりません。また、スピーカーは通常の4スピーカーです。
SZ-R(590万円)は、2Lターボエンジンが専用チューニングで出力・トルクともにアップ、スポーツモードはAVS・アクティブディファレンシャルの制御が加わります。ホイールは鍛造アルミに。
シートはアルカンターラ+本革になり、ヘッドアップディスプレイを搭載。さらにスピーカーがJBLプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)になります。
最上級グレードのRZ(690万円)は、SZ-Rと同様の装備に加え、フロントブレーキがブレンボ製になり、テールパイプも専用の直径100mmタイプに。
シートには専用色のイグニッションレッドが奢られ、ブレーキペダルも専用のスポーツタイプが装着されます。
グレードが上がるごとに価格差は100万円。乗り味も違うため、単純に上級グレードがベストとはいえません。

【エンジン・燃費】性格が異なる3モデル。走りを楽しむならSZ-R
新型スープラのWLTC燃費はRZが12.2km/L、SZ-Rが12.7km/L、SZが13.1km/L。すべてハイオク仕様になります。

SZ-RとSZは2L直4エンジンターボですが、チューニングが異なります。
SZ-Rのスペックは最高出力190kW(258ps)/5000rpm、最大トルク400N・m(40.8kg-m)/1550~4400rpm。SZは最高出力145kW(197ps)/4500rpm、最大トルク320N・m(32.7kg-m)/1450~4200rpmとなっています。
直6 3Lターボを積むRZは最高出力250kW(340ps)/5000rpm、最大トルク500N・m(51.0kg-m)/1600~4500rpmを発生。
エンジンはすべてBMW製です。
このように新型スープラは、ラインナップされている3グレードで性格が大きく異なります。
官能的な6気筒エンジンを積むトップグレードのRZは、余裕あるパワーを武器にワインディングから高速道路までそつなくこなします。図太いエンジンサウンドも魅力的。
フロントには重いエンジンを積んでいますが、コーナリング中でもそれをストレスに感じることはありません。
GTカーとしてのスープラを楽しみたいなら、RZがオススメといえるでしょう。

スープラの歴史の中で初となる4気筒エンジンを搭載したSZ-Rの、魅力は軽快さ。
RZは6気筒を積んでもフロントのヘビーさを感じないとお伝えしましたが、こちらは明らかに「軽やかさ」が伝わってきます。
6気筒に比べてパワー不足を感じる場面もほとんどないので、走りをとことん楽しみたい人にオススメです。

【中古車】新型を中古車で手に入れられるのはしばらく先か
新型スープラはBMW Z4と同じく、オーストリアのマグナ・シュタイヤー グラーツ工場で製造され、日本に輸入されます。
2019年9月12日時点で、新型スープラの公式サイトに記載されている工場出荷時期めどは2020年3月以降。しばらくは欲しくても手に入らない状態が続きそうです。
そのため、仮に中古車市場に新型スープラが出てきてもプレミア相場になる可能性が大。2019年9月12日時点でカーセンサーnetには2台だけ新型スープラが掲載されていました。
新車の納車が落ち着き、愛車を早めに手放す人が出てくるのは数年後になるでしょう。そのときも流通台数が少ないので、中古車相場は高めで推移するはずです。
先代の80系スープラの中古車事情はどのようになっているのでしょう。
生産終了から17年経過していることもあり、流通台数は約50台とかなり少なくなっています。
価格帯は約120万円~約630万円。ターボモデルのRZは安くても300万円以上する状態に。
この年式のスポーツモデルは走行距離よりも車両状態により価格が大きく変わってきます。
状態を確認せず、安易に車両本体価格が安いものを選ぶと購入後にかなり費用がかかってしまう可能性もあるので、まずは信頼できる専門店を見つけて、どのように乗りたいか、どのくらい予算をかけられるかなどを腹を割って話したうえで買う車を選びたいところです。

自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット500C by DIESEL
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