メルセデス・ベンツ Cクラス▲2021年6月29日に発表された新型Cクラス。ハイエンドモデル、Sクラス譲りの装備が特徴のベストセラーモデルだ

新型Cクラスは随所にSクラス譲りの要素が盛り込まれた

メルセデス・ベンツ日本が、ベストセラーであるCクラス(セダンとステーションワゴン)のモデルチェンジ版を発表した。

新型Cクラスには、安全運転支援システムをはじめ、縦長の大型センターディスプレイ、生体認証によるドラポジの設定。片側130万画素のデジタルライトによる優れた夜間視界確保。後輪アクスルステアリングなど、新型Sクラス譲りの新技術が多数採用されている。

内外装デザインにも、Sクラス譲りの要素が織り込まれ、なおかつCクラスらしいスポーティさを表現。また、ISGもしくはプラグイン・ハイブリッド によって全モデルが電動化されたのもポイントだ。
 

メルセデス・ベンツ EQA

設定されているグレードと税込み価格は以下のとおりとなる。

【セダン】
・C200 アバンギャルド 654万円
・C200 4MATICアバンギャルド 684万円
・C220d アバンギャルド 682万円
・C350e アバンギャルド 未定

【ステーションワゴン】
・C200 アバンギャルド 680万円
・C220d アバンギャルド 708万円

7月下旬からC200とC220dの先行予約受付が始まり、セダンはC200とC220dが秋頃から、C200 4MATICが2022年の第1四半期から、C350eが2022年中頃から、ステーションワゴンのC200とC220dは、2022年の第1四半期からそれぞれ配車が始まる。

Cクラスは、1982年に190クラスとして登場し、動力性能や快適性、安全性などが絶えずセグメントのベンチマークにされてきた。

2014年に発売された先代Cクラスは、セダンとステーションワゴンを合わせて国内で累計約10万台が売れ、2015年から2019年まで輸入Dセグメント車で年間販売台数ナンバー1を記録した。

外観は、短いフロントオーバーハングと長いホイールベースによって、ダイナミックなプロポーションを実現。パワードームが備わるボンネットフードも、前進感を表現する要素として見逃せない。
 

メルセデス・ベンツ EQA▲フロントウインドウとキャビンは後方に配されてスポーティなプロポーションが作り出されている。中でも、サイドウインドウ下端のショルダー部に設けられたキャットウオークラインは、フロントからリアまでを貫き、車高を低くスマートに見せる効果を発揮している

ちなみに、ボディサイズは先代と比べて全長が65mm長く、全幅は10mm広がった。Cd値はセダンが0.24、ステーションワゴンが0.27。

フロントマスクには、先代より上下幅が薄くなったヘッドランプと多角形のラジエターグリルが置かれ、グリル中央にはお馴染みのスリーポインテッドスターが備わる。

AMGライン選択時には、下部が広がった台形グリルが与えられ、マットクローム仕上げのスリーポインテッドスターが無数にちりばめられる。
 

メルセデス・ベンツ EQA▲130万個の微小な鏡によって光を屈折させ、照射方向を定めるデジタルライトはキメ細かい配光が可能。その結果、対向車に光が当たらないように制御するハイビームアシストの精度が従来よりも上がった
メルセデス・ベンツ EQA▲リアには、Sクラス似の三角形で横長のコンビランプが配され、ワイドでシャープなデザインを実現。ランプ内部の構造にもこだわりが見られ、細部まで高品質な作り込みが行われていることがわかる
メルセデス・ベンツ EQA▲インパネでは、航空機エンジンのナセルを思わせる丸みを帯びた空調ダクトがスポーティさを演出。インパネ下半分にはトリムが大胆に配され、センターコンソールへと途切れることなく続いている
メルセデス・ベンツ EQA▲ドライバー中心のスポーティな雰囲気を強調すべく、縦型11.9インチのディスプレイ画面はドライバー側に6度、傾けられている

運転席前方には、浮かんでいるかのように見える12.3インチの大型メーターパネルを装備。ディスプレイとメーターパネルはジェントル、スポーティ、クラシックの3つのスタイルと、ナビゲーション、アシスタンス、サービスの3つのモードに切り替えられる。

各種操作が手元で行えるステアリングホイールは、接触と入力トルクでの判定に代えてリムの静電容量式パッドでドライバーが握っていることを検知する。これによって、ディスタンスアシスト・ディストロニック(後述)の使い勝手が向上。

対話型インフォテイメント・システムの「MBUX」は、「ハイ、メルセデス」の呼びかけで起動する。目的地入力や電話通話、音楽選択、メッセージの入力と読み上げなどに加え、空調や各種ヒーター、照明の調整も行える。

ナビゲーションには、国内で販売されているDセグメント乗用車で初めてAR(拡張現実)タイプを採用。地図画面上に進路が表示されるだけでなく、前方に広がる景色が映し出されて進むべき進路が矢印で表示される。これによって、直感的に進むべき道が把握できる。

キャビンを彩るアンビエント照明は、64色から選択可能になり、色を連続して変化させることもできる。また、空調の温度設定に連動して赤や青に変わる。

シートやステアリングコラム、ドアミラーのポジション、メーターパネルの表示スタイル、ナビゲーションのお気に入り設定などは、ドライバーの指紋または声による生体認証でメモリーを呼び出すことができる。
 

メルセデス・ベンツ EQA▲居住性では、ホイールベースが25mm延長されたことで後席レッグルームが21mm広がった。併せて後席ヘッドクリアランスも13mm拡大された。

安全運転支援システムも、もちろんSクラスに採用されたものを搭載

ドライバーの負担軽減を狙って、新型Sクラスから採用されている安全運転支援システムは新型Cクラスにも採用された。

その構成要素は、フロント長距離レーダー(最大検知角90度)、フロントマルチモードレーダー(最大検知角130度)、リアコーナーレーダー(最大検知角130度)、ステレオカメラ(最大検知角70度)、360度カメラ4個(最大検知角180度)、超音波センサー12個(最大検知角120度)。

新しい機能として加わったものは、下記のとおりだ。

【アクティブステアリングアシスト】
車線のカーブと先行車を、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識してステアリング操作をアシストしてくれる。ステレオカメラに加え、360度カメラも活用することで従来以上に精密に車線中央維持支援が可能になった。

【アクティブエマージェンシーストップアシスト】
ドライバーの反応がないときに、警告を発して徐々に減速、そして停車までサポートする機能。停止後にパーキングブレーキが自動的に作動して後突による二次災害を防止。今回のモデルチェンジでは、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックとアクティブステアリングアシストが使われていないときも作動するようになった。

【アクティブブレーキアシスト】
先行車や前を横切る車両、歩行者、路上の物体などとの衝突の危険を感知すると表示や音でドライバーに警告。必要に応じて強い制動力が発揮できるようブレーキ圧が高まる。ドライバーの反応がない場合には自動緊急ブレーキが作動する。

直線走行時の飛び出し検知の上限車速は、今回のモデルチェンジで70km/hから120km/hに引き上げられた。また、右左折の際の対向、飛び出し、巻き込みなどで車両や自転車、歩行者と衝突する危険がある場合にも警告と自動ブレーキが作動する制御に変わった。

前方を横断中の歩行者と衝突しそうな場合に、ステアリング操作をアシストする緊急回避補助システムは自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者および自転車も検知するようになった。

【アクティブレーンキーピングアシスト】
前輪が走行車線から逸脱した場合に、ステアリングが断続的に震えてドライバーに警告。ドライバーの反応がない場合には自動補正ブレーキで車線内に戻るチカラが生じる。芝など路肩にも反応する制御に変わり、その感度は3段階に切り替え可能だ。

【アクティブブラインドスポットアシスト】
リアバンパー左右のレーザーセンサーが、死角エリアにいる車両や自転車を検知。30km/h以上で走行時に接触する危険があるときには、ブレーキの自動制御によって危険回避をサポート。停車中に後方から他車や自転車が近づいているときに、ドアを開けようとする際にも警告を発するようになった。

次に、従来から採用されている安全デバイスは次のとおりだ。

【アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック】
高速道路などで走行時に先行車を認識し、速度に応じて車間距離を制御。減速が必要な場合にはブレーキが自動調整され、先行車が停止した場合には自車も停止。

また、自動再発進機能も備わっていて停止後30秒以内に先行車が発進した場合にはアクセルペダルを踏まなくても自動で再発進してくれる。停止時間が30秒を超えた場合はアクセルペダルを踏むかステアリングスイッチを操作すれば再発進できる。

【渋滞時緊急ブレーキ機能】
先行車と左右の車線を監視し、渋滞の最後尾が現れたときに前走者との衝突の危険を検知する。左右に回避スペースがない場合は即座に自動ブレーキが作動、回避スペースがある場合はドライバーの回避操作が優先される。ただし、ドライバーが反応しない、もしくは回避操作が遅れてしまったときには自動ブレーキが作動する。

【アクティブレーンチェンジングアシスト】
高速道路走行中にドライバーがウインカーを作動させると、3秒後にセンサーが他の車両などと接触する危険がないことを確認。安全が確認されると自動で車線変更が行われる。

トラフィックサインアシストは一般道や高速道路を走行中、制限速度などの標識を読み取ってディスプレイに表示する機能だ。制限速度を超えた際に警告音でドライバーに注意を促す機能も含まれている。

【ドライブアウェイアシスト】
前後1m以内に障害物があるときに、アクセルペダルを強く踏み込んでも車速が2km/hに抑えられる。

【アテンションアシスト】
ドライバーが眠気を感じたり注意力が散漫になっているときに現れる兆候を検知して、休憩のメッセージを表示する機能だ。

【後輪アクスルステアリング】
約60km/h以下では、後輪が前輪とは逆方向に最大2.5度、操舵されて最小回転半径の縮小に貢献する。車速が約60km/hを超えると、前輪と同位相に操舵されて走行安定性アップに寄与する。
 

メルセデス・ベンツ EQA

すべてのモデルを電動化。安心と安全のサービスも充実

全モデルが電動化されたパワートレインは、以下のとおりで、全車に9速ATが採用される。

C200とC200 4MATICには、204ps/300N・mを発するM254型1.5L直4ガソリンターボを採用。C220dには、200ps/440N・mを発揮するOM654M型2L直4クリーンディーゼルターボを起用。

どちらのエンジンにもISG(スターター兼ジェネレーター)が組み合わされ、短時間ではあるが、最大20ps/200N・mのブーストがかかる。ちなみにC220dは、メルセデス・ベンツ初のクリーンディーゼルとISG併用車である。

従来モデルに採用されていたBSGと違って、ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置されているため、いっそう強力かつ効率的でありながら瞬間的なブーストを可能にしている。エンジン再始動時の振動低減においてもメリットを発揮する。

C350eには、C200と同じ1.5L直4ガソリンターボが用いられ、129ps/440N・mの電気モーターが組み合わされてプラグインハイブリッドに仕立てられる。25.4kWhのリチウムイオン電池が採用され、電気のみで100km走ることができる。

最長10年まで無償で提供される「安心安全サービス」には、SOSボタンを押すことで消防に連絡が行く24時間緊急通報サービスと、meボタンを押すとサポートセンターにつながる24時間故障通報サービスが含まれる。

3年間無償提供される「快適サービス」には、スマホでウインドウやサンルーフ、ドアロックが開閉できる機能や車両の走行距離、燃料計、駐車位置が確認できる機能、ナビの目的地を遠隔操作できる機能が含まれる。

なお、新型Cクラスには購入からの3年間、一般保証修理、定期メンテナンス(点検整備の作業工賃と交換部品)、24時間ツーリングサポート、地図データ更新が無料で提供される保証プログラム「メルセデス・ケア」が付帯される。

また、期間中に好きなモデルを3回無料で利用できる週末貸出サービス「シェアカー・プラス」も含まれる。さらに、プログラム終了後も引き続き2年間、利用できる有償のサービスプログラム「メンテナンス&保証プラス」も用意。
 

文/マガジンX編集部、写真/メルセデス・ベンツ