フロントサスペンションが変更され、直進安定性が向上

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コンセプト

注目度抜群のカブリオクーぺは直進安定性を改善

街を自在に動き回るならビッグサイズは不要。2人乗り、マイクロコンパクトなスマート。もちろんダイムラークライスラーが手がけるからには2.5mの全長でも最大限の安全性を確保している。エンジンは600cc+ターボ。全長、全高ともに日本の軽自動車規格に当てはまるが、わずかに全幅が広いためナンバーは普通乗用車になる。

今回、クーペは早くもマイナーチェンジが行われ、直進安定性を考慮してフロントサスペンションがマクファーソンストラットに変更された。そしてカブリオの追加である。布製の屋根は電動でキャンバストップのように開けられるほか、ルーフフレームを取り外してテールゲート内の専用スペースに収納すれば可愛いフルオープンに早変わり。愛嬌たっぷり、注目度抜群だ。
室内&荷室空間

居住空間に窮屈感はない。荷物も1泊分なら大丈夫

運転席の居住空間は一般的なものと同じ。助手席のほうは足元にパンク修理キットが収納されているため出っ張っているが、その分、 スライドレールごとわずかに後ろにずらしてあるため窮屈感はない。また、この助手席は背もたれを前に90度倒せば、運転席用の机(?)&ドリンクホルダーにも早変わりする。

クーペの荷室はリアウインドウを上に、テールゲートを手前に開ける仕組み。荷室の下にエンジンがあるため深さはないが、2人で1泊するくらいの荷物なら十分に積める。カブリオは幌を畳むと荷室として使えるのはテールゲートの間口分のみ。奥行きはそこそこあるので、ちょっとした荷物なら積めるけれど、というレベル。しかし、キュートなコンパクトカーゆえに多くを要求するのは野暮というものだ。
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ドライブフィール

マニュアルモードは軽快!ATは発進時に慣れが必要

ATはパワーロスをなくすためトルクコンバーターのないタイプを採用している。クリーピングがないので、坂道発進では後退するためブレーキと同時操作が必要。平坦な道でも発進時のアクセルの踏み加減に若干の慣れがいる。また、そのままアクセルを踏んでいくと、1速、2速とシフトチェンジするときに息継ぎをするため、これまた慣れが必要。しかし、これをマニュアルモードに切り替えるとこれが軽快である。6速あるためエンジンを高回転にキープしながらトルクのおいしい部分を使って走れる。かなりハマリそうな楽しさである。

パワステがないのだが、走行中はまったく気にならない。問題は車庫入れなどの据え切り。けれど、全長が短いので既存の駐車スペースに入れるには苦労はいらない。
こんな人にオススメ
大きな車に頼らなくても自分を表現できる、しっかりとした自分の価値観をもっている人にオススメです。軽自動車は便利だけど、あの黄色いナンバープレートがどうしてもイヤだと思っている人。毎日の生活にこんな可愛くて使いやすい車があったら、きっと人生観も変わっちゃうハズです。
SPECIFICATIONS
グレード カブリオ ベースモデル
駆動方式 RR
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 2540 x 1535 x 1550
ホイールベース(mm) 1810
車両重量(kg) 750
乗車定員 2人
エンジン種類 直列3気筒SOHC
総排気量(cc) 598
最高出力 40kW(55ps)/5250rpm
最大トルク 88N・m(9.0kg-m)/2500~4000rpm
車両本体価格 165万円
写真:奥隅圭之 文:岩貞るみこ