全国を転戦するプロライダーのお供は、チューンナップされたバイクと挽きたてコーヒー
2018/12/15
車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

地元の山が僕を育ててくれた
高速道路を使えば都心から約1時間弱で行くことができる、東京都青梅市。
しかし中心部から山の方へ入っていくと、そこには木々が生い茂った深い山々が存在する。
そんな自然に囲まれた環境で、マウンテンバイクプロライダーの青木卓也さんは生まれ育った。
物心ついたころから当たり前にあった山が、今も昔も変わらない青木さんのホームグラウンドなのだ。
「小さいころはみんな木登りするでしょ。それと同じ感覚でした。マウンテンバイクを使って林道に入っていったり、ちょっとした階段とかを乗り越えて遊んでいました」
フィールドが広いから、楽しみ方は無限だったという。
乗り越えられない起伏や走破できない道があれば、悔しくて何度も挑戦する。

そんな幼少期を過ごした青木さんは16歳のころ、ある本に出合う。
「本屋でたまたま手に取ったバイクの雑誌に、ダウンヒルのライダーが険しい道を走破している写真が載っていたんです。衝撃でした」
マウンテンバイクの中でも山の上から駆け降りてタイムを競うダウンヒルは、瞬時の状況判断と細かく車体を操る技術が要求されるテクニカルな競技だ。
そうした高い技術力を要求される部分に惹かれ、以来、国内のトップ選手のものを訪れては一緒に走り鍛錬を重ねていった。
今ではプロとして国内の大会で優勝するなどし、海外遠征にも出かけることも。

車ではゆったり過ごすのが好き
細い山道を時速50km/h以上で走る青木さんだが、車と過ごす時間はとてもゆったりしたものだ。
今シーズン、北は秋田から南は山口まですべて車で転戦をしたが、高速道路は移動の半分くらいでわざわざ一般道を使った。
「道中でおいしいお店を見つけられたり、そこで地元の人と出会って仲良くなったりして。そういったのが旅の楽しさだと思うんです」
だから青木さんは焦らずゆっくりと愛車を走らせて、その土地土地の空や山そして人とのふれあいを大事にしながら移動する。


ダウンヒルのレースでは3~4分の走破タイムで、1秒以内で勝負が決することもある。
そんなスピードの世界で生きているが、速い車には興味がないそうだ。
「このラムバン、実は2台目なんです。10代のころに見たハリウッド映画で、銀行強盗に使われているシーンがカッコいい!って一目ぼれでした」
そうして購入した最初のラムバンは走行距離40万kmを超えても大事に乗り続けていたが、50万kmの手前でついにミッションが壊れてしまい泣く泣く手放した。
2台目もラムバン以外は考えられなかった。
カーセンサーの物件情報を毎日チェックしては販売店に足を運び、ようやく良質の1台を見つけ出した。

購入したから1ヵ月ほどかけて車内を自ら改修し、遠征で使えるような仕様に手直しした。
暖房や調理器具も設置して車内の照明は暖色系にするなど、大会の前でもリラックスできるようになっている。
青木さんの車を見て、自分も同じようにラムバンを作りこんでほしいと頼まれることがあるそうだ。
「これまで数台制作させてもらいました。オーナーさんのイメージに近づけていって、それを見せたときに感動してもらえるのがうれしくて」
確かに、青木さんの車は細かいところまで細工が施されていて使い勝手もよさそうだ。
でも彼のところにオーダーがくるのは車そのものよりも、きっと青木さん自身の魅力に惹かれているんじゃないかなと入れてもらったコーヒーを飲みながら思った。


どんなクルマと、どんな時間を?
外遊び好きに人気のアメリカンバン
初代のデビューは1970年代で、2度のモデルチェンジを行い2003年まで生産されたアメリカのロングセラーモデル、ダッジ ラムバン。年々近代的な顔つきに変貌を遂げるが、基本的な構造はデビュー当時から大きな変更はない。
エンジンは最少で3.9Lだが、最終モデルにはV8 5.9L 250psエンジンが搭載され、見た目の愛らしさからは考えられないスペックを備えるモデルだ。


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